リンダキューブ』 (Linda³) は、1995年10月13日NECホームエレクトロニクスより発売されたPCエンジンSUPER CD-ROM²コンピュータゲーム及びその他機種への移植を含めたシリーズである。

リンダキューブ
ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 PCエンジンSUPER CD-ROM² (PCE)
開発元 アルファ・システム
発売元 NECホームエレクトロニクス
プロデューサー 松原文彦
高橋孝造
ディレクター 安藤誠
デザイナー 桝田省治
シナリオ 桝田省治
稲本義彦
広瀬絵美
プログラマー 長谷川浩
音楽 樹原涼子
島村考一
美術 CANNABIS
人数 1人
メディア CD-ROM
発売日 日本 199510131995年10月13日
対象年齢 PCE版
18歳以上推奨指定
PS版
CEROC(15才以上対象)
コンテンツ
アイコン
暴力
デバイス アーケードカード対応
6ボタンパッド対応
メモリーベース128対応
その他 型式:HECD5023
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ジャンルは公式サイトにおいて「サイコスリラー+ハンティングRPG」と表記され、一般にはロールプレイングゲームに分類される。ゲーム内容は主人公「ケン」を操作し、巨大隕石の衝突により壊滅的なダメージを受けた惑星ネオ・ケニアより脱出する事を目的としている。

ゲームデザインは桝田省治、キャラクターデザインはカナビス、開発は株式会社アルファ・システム。ゲーム誌『電撃PCエンジン』(メディアワークス)誌上でモンスターデザインが公募され、一部ゲーム内で採用されている。

後にリメイク版としてPlayStation用ソフト『リンダキューブ アゲイン』(1997年)、セガサターン用ソフト『リンダキューブ 完全版』(1998年)が発売されている。また、PlayStation版は2007年PlayStation 3およびPlayStation Portable用ソフトとしてゲームアーカイブスにて配信された。

PlayStation版はゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」にてシルバー殿堂入りを獲得した。

概要 編集

特徴 編集

一言で表すと「時間制限つき、動く宝捜しゲーム」[1]。具体的には8年という制限時間の中で、全120種類に及ぶ動物(現実の動物とは異なる、所謂モンスター[注釈 1])を収集する事がゲームの目的である。動物は基本的に戦闘で倒す事で捕獲するが、一撃で敵の最大HPを大きく上回るダメージを与えると体が飛び散ってしまい、その場合は捕獲とならない(経験値も入らない)。強過ぎても弱過ぎてもいけないという、強さのバランスを考慮する必要がある。更に動物は全種類オスとメスが存在し、つがいで捕獲しなければならない。各動物は一種類につき雌雄一匹ずつ登録する必要がある。動物は種類や性別によって出現条件や捕獲方法も多種多様であり、プレイヤーは試行錯誤を重ねる事となる。

桝田省治が公式ホームページにおいて述べている通り[2]、『リンダキューブ』は

  • 主人公は勇者ではない
  • 魔王やそれに類する世界の脅威となる「敵」が存在しない
  • 惑星の滅亡を阻止する事が出来ない。

といったストーリー上の特徴を持ち、一般的な(特に『ドラゴンクエスト』のような正統派ファンタジー系を名乗る)RPGとは主人公がなすべき目的が全く異なることを桝田自身も解説書や公式サイトで何度も強調している。

また、システム面でも

  • 8年という年月はプレイヤーが遊んでいる時間の経過と共に自動的に進む(セミ・リアルタイム)。また、時が進むにつれて住民の脱出は進み、最後の年にはほとんどの住民がマップ上から姿を消してしまう。
  • 装備品や道具などは、店で買う以外に捕獲した動物を加工して作成する。
  • ゲーム開始時点から世界の果てまで自由に行ける(シナリオによっては制限がある)。また、明らかにレベルが桁外れの敵とも遭遇可能。
  • アイテムの中には季節をまたぐと腐ったり枯れたりするものがある。
  • 街以外では走ると体力が減少する。
  • 宿屋、商店といった標準の施設の他、動物を解剖して体内のアイテムを取り出す「解体屋」まで存在する。

などの点は、当時として他に例を見ないほどに先進的かつ斬新な作りとなっている。

なお、上記のような特徴になった理由として、桝田省治は直前に係わっていた『天外魔境II 卍MARU』(1992年)でいわゆる「王道」のRPG制作に3年携わり、その「王道」を作り続けたストレスからアンチテーゼとしてリンダキューブを作ったと語っている[3]

シナリオ 編集

A、B、Cの3シナリオ(PS版、SS版ではシナリオDを含めた4シナリオ)が存在し、それぞれ全く違うストーリー展開となる。このうち特にA、Bのシナリオは猟奇的な表現が含まれており、このためにPCエンジン版は18歳以上推奨指定で発売された。桝田は企画当初はシナリオCにあたる部分のみであったが、システム部分の取っ付きが悪かったために練習用としてシナリオA、Bを追加したと語っている[2][4]。どちらもストーリーを最後まで進めずとも、規定数の動物を捕獲且つ、箱舟が飛び立つ条件が揃っていればクリアが可能となっているが、その場合は真のエンディングが迎えられない。

  • シナリオA 「MERRY XMAS」
ケンの双子の弟・ネクが物語の軸となるシナリオ。動物捕獲数のノルマは30種類。南エリアに行く事は出来ない。
  • シナリオB 「HAPPY CHILD」
エモリ博士と娘のサチコを中心に展開するシナリオ。動物捕獲数のノルマは50種類。西エリアに行く事は出来ない。

シナリオAとBは一般的なRPG同様、シナリオに沿ってストーリーが展開するため進行上の制約が多く、行ける地域も遭遇可能な動物の数も限られている。桝田省治が練習用と位置付けている通り、まずはA、Bのシナリオでストーリーを追いながら本作の要領を掴み、自由度が高いシナリオCで動物集めに専念する事を推奨している。

  • シナリオC 「ASTRO ARK」
動物集めをメインとしたシナリオ。動物捕獲数のノルマは100種類。120種類全ての動物が捕獲可能であり、全ての地域が解禁されている。ただし、シナリオ上の事情により制限期間は1年少ない7年間となっている。
フリーシナリオであるためストーリー的な縛りが殆ど無く、自由度は極めて高い。A、Bのシナリオのような凄惨な事件は起こらず、各地から依頼されるお遣いや小さな事件程度のイベントが年月に応じて発生し、これらを自由に体験する事が出来る。同時に物語の核心が明かされる重要なシナリオであり、エンディング後にはエピローグも存在する。ラスボスにあたる敵は存在せず、規定数以上の動物を集めて箱舟を動かせばクリアとなる。
A、Bをクリアせずに始める事も可能だが、別シナリオで悲惨な末路を辿った人物が幸せになっていたり、別シナリオの台詞や演出のセルフパロディが盛り込まれるといったサービス的な要素が有り、先のシナリオと比較してコメディ要素が強くなっている。シナリオ選択画面でこちらを先に選択しようとすると「ABを先にクリアしよう」と忠告が入るため、前述の通り練習の意味も含めて先にA、Bをクリアしておく事が推奨される。
  • シナリオD 「LAST YEAR」
PS版、SS版にて条件を満たすと出現する。シナリオCと同様に全ての動物に遭遇可能だが、イベントが存在せず、制限期間が僅か一年しかない所謂タイムトライアルモードとなっている。動物捕獲数のノルマは100種類。短い期間で厳しいノルマに挑戦出来るようにレベル、所持金などが高い状態からスタートする。

その他 編集

  • PCエンジン版は初回出荷版において不具合が発覚し、ソフトの店頭回収と購入者への交換対応が実施された。
    具体的には、本来28トラック収録されるべきCD-ROMに27トラックまでしか収録されておらず、シナリオBにおいてBGMとして使用される28トラック目のCD-DAにアクセスする際にフリーズしてしまうというもの。
    非公式ではあるが回避方法は存在する。

設定 編集

ストーリー 編集

リンダキューブの物語の舞台はネオ・ケニアと呼ばれる地球によく似た惑星である。惑星ネオ・ケニアは8年後、回避することが不可能な巨大隕石の衝突に見舞われ、壊滅的なダメージを受けることとなる。この星に住む主人公ケンは、恋人であるリンダと共に、ネオ・ケニアが壊滅するまでの8年の間に、できるだけたくさんの動物のつがいを収集し、銀河連邦による移住計画を進めていた。ある日、ネオケニアの地表に突如として宇宙船が出現する[5]。箱舟と呼ばれる宇宙船と共にこの星から脱出することとなる。

世界観 編集

惑星ネオケニア
星間連邦の植民惑星。豊富な自然を持ち、あらゆる動物が存在するため、観光地にもなっている。この世界の年号であるAMD(アフター・マザー・デス)1900年に植民が始まったが、発見直後からAMD1999年に超巨大隕石が直撃することがわかっていたため、初めから移住計画は100年と決められていた。陸地は東・西・南の3つのエリアに区切られている。
地球
人類の母星であるが、宇宙開発によって人類はあちこちの惑星に散っていったため、すでにその座標さえ特定できなくなってしまった[注釈 2]
  • 東エリア
ハーディア
レンジャー隊の本部がある。レンジャー隊は仕事が厳しい上に安月給であるため、「ハーディア」という名が付いた。
ミナゴ
ビースチャンの保護自治区。彼らの教会がシンボル。町の名前は既に絶滅した鳥の名前から来たというが、不吉な事件が多いため「ミナゴロシ(皆殺し)」から来たという説もある。
オズポート
ネオケニアの出入口である軌道衛星オズサットへの転送装置がある町。大きなショッピングセンターに空港ビルもあるが、公園はホームレスの溜まり場になっている。
軌道衛星オズサット。
オズポートの上空にある軌道衛星。ネオケニアの出入口となっており、ロケットの発着場の他2つの研究施設がある。
ホスピコ
巨大な病院とその待ち合わせ用の施設からなる医療都市。敷地内には「人間の寿命を一人で2年ずつ延ばした」と呼ばれる3人の科学者の研究室がある。
パラサイド
ドーム都市建設計画が放棄されて、その跡地にならず者や密猟者が建設した町。一種のスラム街で、特に町の中心にあるジャンクパレスは迷路のようになっている。
ネブール
闇商人たちによって作られた町。連邦で取引が禁止されている保護動物の売買も行われており、年2回動物のオークションも行われる。
  • 西エリア
バトルパーク
西エリアの要衝に作られた町。ハンターたちの交通の拠点である。また、巨大な闘技場テントも特徴。
エターナ
グリーン製薬の社長宅を中心とする町。社長の趣味で一年中クリスマスの飾り付けが行われている。「エターナル(永遠)」から来た名前だが、シナリオAではその名の「真意」を知ることになる。
リナバレー
エターナの隣町。鉱山の町で、排水には強酸が含まれている。
コシカタ
ビースチャンの保護自治区。彼らの教会がシンボル。十数年前に当時の町長が突然、住民を大量虐殺する事件が発生し、廃村となっている。しかし、シナリオCでは宝くじ成金のポリスカという老人によって復興されている。
Gファクトリー
グリーン製薬の工場都市。ただし、ロボットによって操業されているため、ほとんど無人。
  • 南エリア
ドギファ
富豪のオーマン家によって築かれた町。地下闘犬場がこの町のシンボル。
ラグナロッジ
生体工学の権威であるエモリ博士の巨大な私邸。そのため公共施設が一切存在しない。
ローズガーデン
植物学の権威であるフローラ博士の植物園を中心とした都市。彼女によって品種改良されたバラが名物。
ガレックス
動物研究都市だったが、数十年前に大爆発事故を起こして以来、完全な廃墟となっている。
カカーナホテル
放棄された観光ホテルで、中は動物の住み家となっている。

用語 編集

ビースチャン
ネオケニアの先住民。ネオケニアの発見まで人類とは何の接点もなかったが、人類と生物学的特長・言語体系が寸分の違いもない。しかし、彼らは緑の髪で、身体能力や繁殖力は人類よりも高く、人類との混血においては彼らの遺伝子が優性に働くという違いもある。また、動物たちを自分たちの祖として崇拝する。民族名はBeast(獣)とian(人を表す接尾語)の合成語である。
人類
現生人類と同じ。しかし、この世界では出生率の低下・死亡率の増加が顕著となっており、種の生命が尽きかけている。ネオケニアへの移住計画は、ビースチャンとの混血を通じて人類という種を維持するという意味合いもある。
箱舟
突如、ネオケニアに届いた未知の生命体「アナビス」からのメッセージと共に遣わされた謎の脱出用宇宙船。メッセージにて託された「つがいの動物をネオケニアの外へ脱出させる」という願いに基づいて「箱舟計画」が打ち立てられることになり、ケンとリンダが乗組員として、そして人類という種の雌雄として、動物収集の任務に挑むことになる。
死神
ネオケニアに衝突する直径200㎞の巨大隕石。

登場人物 編集

キャラクターによっては、シナリオにより登場しない場合や、外見・経歴などが大きく異なる場合がある。

ケン・チャレンジャー
  • - 矢尾一樹/幼少期[注釈 3]:高山みなみ
    本作の主人公。箱舟の乗組員に志願した15歳。ネオケニアの自然環境保護を目的とし警察機構も兼ねているレンジャー隊に所属している[5]。隣に住んでいたリンダの幼馴染で彼女と共に「箱舟計画」の遂行者となる。リンダの事が好きだが、昔からリンダに手ひどい目に合わされてきたこともあり、リンダほどに積極的な性格ではない。ゲーム中に起こった出来事をどう判断して行動するかを決めるのはプレイヤー次第でもあり主人公のケンには、性格に関して明確な設定がされていない[6]。主人公であるため喋る機会は少なく、台詞があるのはオープニングとプロローグとエンディング、一部のイベントのみである。
リンダ
  • 声 - 高山みなみ
    本作のヒロイン。箱舟の乗組員に志願した14歳。緑髪の美人(PCE版では赤髪、イラストはピンクっぽい色に見える)で、幼馴染のケンには好意を持っており、積極的にアタックしている。反面性格にはやや問題があり、猪突猛進で口が悪く、ケンに暴力じみたアプローチを行うこともしばしば。コブラツイストや犬の調教等の技が得意で、狩猟時に大いに役立つ。
    企画の初期段階では存在しないキャラクターだったが、メディアワークスの編集者2名に「美少女」キャラクターを採用するようにアドバイスされてシナリオと絡める重要な役柄として生まれた。[7]
    シナリオによっておかれる立場が変化するため、そのたび違う苗字が設定される。
ベン・マクドナルド
  • 声 - 内海賢二
    ネオケニアレンジャー隊[注釈 4]の隊長。ミームとは古くからの知り合いで、リンダやケンとも彼らが幼い頃から見知った仲。典型的な中間管理職で慢性的な胃痛に悩まされている。口は悪いが「箱舟計画」の遂行者となった二人を気にかけ、色々とサポートする。葉巻を吸っているが、秘書からは臭いと不評。
ミーム・チャレンジャー
  • 声 - 青木和代
    ケンの母。豪快な性格で肝っ玉が座っている。得意な料理はバナナミートパイ。
ジーン・チャレンジャー
  • 声 - 石井康嗣
    ケンの父でミームの夫。レンジャー隊の前隊長だったが、ガレックスの爆発事故の調査中にネオケニアの風土病に感染。病に侵されたまま消息を絶つ。
    戸籍上は死亡扱いとなっているが、シナリオCで行けるとある場所で意外な形で再会することとなる。
ヒューム・バーニング
  • 声 - PCE版:神谷明/PS、SS版:二又一成
    リンダの父。豪快な性格をした大柄の黒人で、パラサイドのハンター隊長ゴメスと双璧をなす凄腕のハンターとして有名。リンダとアンを心から愛している。
    シナリオAのみリンダの外見が自分とかけ離れていることに不安を感じており、現在はアンと離縁している。
アン・バーニング
  • 声 - PCE版:増山江威子/PS、SS版:江森浩子
    リンダの母。旧姓はアウレア。ビースチャン(原住民)。物静かで穏やかな性格。
長老
  • 声 - 辻親八
    先住民ビースチャンの長老。パラサイドのジャンクパレスに住んでいる。シナリオBでは、度々ケンとリンダにアドバイスを送っている。
エリザベス・グリーン
  • 声 - くればやしたくみ
    製薬会社「グリーン製薬」の女社長。40代前後の外見をした淑女だが、実年齢は不明。高慢な性格。クリスマスが大好きで、邸宅内には無数のクリスマスの飾り付けを施し、グリーン製薬社員の制服はサンタ服にしている。
ミカ・パンハイム博士
  • 声 - 辻親八
    エリザベスの右腕的存在である老年男性。彼女とは男女の関係にあり、自身に使う精力剤を度々開発している。
ヤタロウ・エモリ博士
  • 声 - 青野武
    ホスピコの病院に勤める医師。新型の治療装置「人工子宮」を開発するなど、生化学分野では突出した技術力を持つ。PCE版では白髪に髭面の老人、リメイク版ではチョビ髭がトレードマークの中年男という風貌。娘のサチコを溺愛している。
サチコ・エモリ
  • 声 - 佐久間レイ
    エモリ博士の娘。リンダとは対照的に物静かで優しい少女。シナリオBにおけるキーパーソン。
ネク・グリーン
  • 声 - 矢尾一樹
    ある事件で姿を現すケンにそっくりの青年。シナリオAにおけるキーパーソン。自分の事を「ケンの双子の弟」と言う。
ゴメス・リトラ
  • 声 - 石井康嗣
    パラサイドの代行ハンターの隊長。リンダの父親ヒュームとは元ハンター仲間。また、ゲーム内で代行ハンターとして雇うことができる[注釈 5]
ポンコツ・スマイリー
  • 声 - 一条和矢
    シナリオBに登場する星間連邦に雇われた賞金稼ぎ「ポンコツスマイリー」のリーダー。ニコとゲラという部下がいる。
ジョージ・カマー
  • 声 - 北沢洋
    シナリオBで登場する星間連邦の補佐官。箱舟プロジェクト推進のために本部より派遣されてきた。オズポートのホテルに宿泊し、ケンをサポートする。名前のとおりオネエ言葉を使うオカマである。

移植版 編集

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 備考
1 リンダキューブ アゲイン   199709251997年9月25日
PlayStation アルファ・システム
マーズ
SCE CD-ROM SCPS-10039
2 リンダキューブ 完全版   199806181998年6月18日
セガサターン アルファ・システム
マーズ
アスキー CD-ROM T-2112G
3 リンダキューブ アゲイン   200709272007年9月27日
PlayStation 3
PlayStation Portable
(PlayStation Network)
アルファ・システム
マーズ
SCE ダウンロード
ゲームアーカイブス
-

対応機種ごとにタイトルが異なり、内容も完全移植ではなく、それぞれの機種の特色や制限に合わせてアレンジされている。ラインナップは以下の通り。

PlayStation版『リンダキューブ アゲイン』 編集

  • PCエンジン版から全体的なグラフィックのブラッシュアップ、アニメーション、エンディングの変更、残虐描写の規制(ただし、アニメ化された事でよりリアルで生々しい表現となっている)、シナリオの追加、難易度選択などが追加されている。戦闘で捕まえた動物を箱舟で登録することでケンとリンダのパラメータが上がる。登録する動物によっては特殊能力が使えるようになる。また、一定の時間が経過すると季節が徐々に変わっていきフィールドの地形(水位)が変わる。それと共に、移動速度や動物の分布も微妙に変化する。[8]
  • 全部で3本のシナリオがある。目的はすべて同じで登場人物もほぼ同じだが、彼らを取り巻く境遇はすべて違っている。例えば、あるシナリオでは凶悪な殺人鬼だった人物が、別のシナリオでは自分を犠牲にして他人に尽くしていたりする。ヒロインのリンダの設定もシナリオごとに異なっている[9]。シナリオAから順にクリアすることで、ゲームに隠された謎が明らかになっていく。[10]

セガサターン版『リンダキューブ 完全版』 編集

  • PlayStation版をベースに動物の位置の変更、残虐描写規制の緩和、一部PSへの移植に伴いカット・変更となったセリフやイベントの復活。PCE版のグラフィック・イラストを閲覧できるギャラリー機能。「国分名人に挑戦!!」 モード、サウンドトラックCDなどが追加されている[9]

ゲームアーカイブス版 編集

  • 2007年9月27日、プレイステーション版がゲームアーカイブスとして配信開始されたが、権利関係の問題により数時間で中止となった。
  • その後、ゲームアーカイブス配信のための契約が締結され[11]2008年9月10日に再び配信が開始された。

スタッフ 編集

  • ゲームデザイン/シナリオ:桝田省治
  • 演出ディレクション:岩崎啓真
  • プログラム開発:長谷川浩((株)アルファ・システム
  • 音楽監督:樹原涼子
  • キャラクターデザイン:CANNABIS
  • 企画:桝田省治、岩崎啓真、長谷川浩
  • シナリオサポート:稲本義彦、広瀬絵美
  • モンスターデータ:宮城信二
  • 原画:戸倉紀元、大上浩明、関野昌弘、柳沼和良、岡田豊広
  • 動画:スタジオたくらんけ
    • 近藤梨恵、川田栄三、神山富美恵、西河広美、小平佳幸、田中宏侍、池川陽子、磯井康司、吉留信哉
  • 絵コンテ:福田潤、ひろたたけし
  • アニメーションプロデューサー/音響監督:ひろたたけし
  • アニメーション制作:SIDOLIMITED
  • マップグラフィック
    • インテリア:国分政昭
    • フィールド:久富公志
    • ダンジョン:大島英正
    • タウン:山本純子、有吉陽平、嶋丈晴
  • モンスターグラフィック:内山紳介、えのもとじゅん、笹川泰英、瀬川俊彦
  • OP総作画/グラフィック:市川宏
  • OP絵コンテ/演出/監督:大内啓輔
  • ビジュアルグラフィック:スタジオ 岡田教祖と羊くラブ
    • 山口ケンヂ、長尾バス停くちそ、村田ジャバン、ピューピュル木村、ホエホエ大野、ランゲルハウス斎藤RX、舘紅丸、CG大将軍、ちょっぴり爆睡クラスター教頭、ちょっとハラペコナパーム校長、ジャン・クロード・カンタム
  • ビジュアルプログラム:伊丹美裕、長谷川健
  • サブプログラム:小西康雅、芝村裕吏
  • サウンドプロデューサー:外山和彦、佐藤真一郎
  • エレキ&アコースティックギター:今泉洋
  • レコーディング&ミキシングエンジニア:岡部潔
  • サウンドエンジニア:坂本志崇
  • サウンドコンポーズ:島村考一
  • サウンドスーパーバイザー:PiPo森永、安田拓也
  • アシスタントエンジニア:関口正樹 (MOURI ART WORKS STUDIO)、山田 友規 (WONDER STATION)
  • 音楽プロデューサー:木原遼元
  • ディレクター:安藤誠
  • プロデューサー:松原文彦、高橋孝造
  • エグゼクティブプロデューサー:安田清明
  • スーパーバイザー:竹内政夫
  • プロモーション:桑原秀夫、近藤信之
  • 協力:株式会社アイアンドエス
  • スペシャル・サンクス:高垣信宏、深川悟郎、橋本博忠、浅野尚子、増谷正夫、岡田直、鹿沼広美、浜田純、窪内裕、松本剛、西谷英晃、池田誠、鍋山広一、熊谷聡、小田武之、榎波健太郎、伊藤一成、鈴木弘司、阿部清高、武井敬明
  • マーケティング:NECパーソナルシステム

評価 編集

評価
レビュー結果
媒体結果
ファミ通28/40点 (PCE)
31/40点 (PS)
(シルバー殿堂)[12]
29/40点 (SS)[13]
PC Engine FAN22.8/30点 (PCE) [14]
ハード末期に発売された名作ゲーム集肯定的 (PCE) [15]
PCエンジン版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では7・7・8・6合計28点(満40点)、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り、22.8点(満30点)となっている[14]。1998年に刊行されたゲーム誌「超絶 大技林 '98年春版」(徳間書店)では、「エッチなシーンではなく、ショッキングなシーンが多いため18歳以上推奨という異色ゲーム」と紹介されている[14]

項目 キャラクタ 音楽 お買得度 操作性 熱中度 オリジナリティ 総合
得点 3.9 3.5 3.6 3.6 4.0 4.2 22.8

ゲームムック『ハード末期に発売された名作ゲーム集』では「明確な敵やボスは存在せず、最終的な惑星の滅亡を阻止することもできない。王道RPGとは異なるオリジナリティに富んだ作品として楽しめる」と評されている[15]


PlayStation版

ゲーム誌『ファミ通』の「クロスレビュー」では合計31点(満40点)でシルバー殿堂入りを獲得している[12]

セガサターン版

ゲーム誌『ファミ通』の「クロスレビュー」では合計29点(満40点)となっている[13]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ なお、PS版アゲイン・SS版完全版では一部動物のデザインが変更されている。
  2. ^ プロローグムービーに登場する幼少期のケンによると、大昔に事故で失われたとの事。
  3. ^ PS・SS版のプロローグムービーに登場。
  4. ^ 生物を密猟者から保護する役割を有するほか、警察組織のような側面も持つ。また、「箱舟計画」のサポートも行う。
  5. ^ ただしその場合、他のハンターよりも多くの金を必要とする。

出典 編集

  1. ^ Linda リンダはどんなゲームか? (概要説明) (Nifty SM-FANパティオの発言より) 1996年1月1日
  2. ^ a b 桝田省治の製作ノート ~Making of Linda3~(PCE版リンダ初回特典「リンダの秘密」より)
  3. ^ DESIGNER'S NOTE 親愛なるプレイヤーの皆様へ(PCエンジン版、PS版リンダ解説書より)1995年6月29日
  4. ^ オープニングムービーに騙されて『リンダ』を買うんじゃないゾ! Tech-PlayStation コラム原稿 1997年9月16日
  5. ^ a b 電撃PlayStationD3 Vol.53. 主婦の友社. (1997年9月26日). p. 27 
  6. ^ 電撃PlayStation Vol.51. 主婦の友社. (1997年7月25日). p. 168 
  7. ^ 「美少女の出ないPCエンジンのゲームなんて誰も買わない」桝田省治の製作ノート ~Making of Linda3~(PCE版リンダ初回特典「リンダの秘密」より。また「Colorful Pieces of Game」その場でアドバイスをした岩崎啓眞のブログでも開発当時の状況の説明がある)
  8. ^ 『テレビゲーマー』アクセラ、1997年9月12日、110,111,112,113,頁。 
  9. ^ a b 電撃王』通巻77号、メディアワークス、1998年6月1日、153頁。 
  10. ^ 電撃PlayStation Vol.51』メディアワークス、1997年7月25日、166,167,168,169,頁。 
  11. ^ リンダキューブアゲイン配信開始 Alfa・MARS PROJECT 2008年09月11日
  12. ^ a b リンダキューブ アゲイン まとめ [PS]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2016年1月17日閲覧。
  13. ^ a b リンダキューブ 完全版 まとめ [セガサターン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2019年6月17日閲覧。
  14. ^ a b c 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、667頁、ASIN B00J16900U 
  15. ^ a b 『ハード末期に発売された名作ゲーム集』、マイウェイ出版、2021年8月15日、50頁。 

外部リンク 編集