ルッサーの法則(ルッサーのほうそく、英語:Lusser's law)システム工学の分野において、信頼性を予測する法則である。法則の名前はロベルト・ルッサーに由来し[1]、ルッサーの製品の法則または一連のコンポーネントの製造確率の法則としても知られている。ルッサーの法則が示しているのは、一連のシステムの信頼性は、それを構成しているサブシステムの故障モードが統計的に独立である場合、それぞれのサブシステムの信頼性の積に等しい、ということである。たとえば、n個のコンポーネントからなる一連のシステムの場合、この法則は以下のように表される[2][3]

ここで、Rsはシステム全体の信頼性、rnn番目のコンポーネントの信頼性である。

ルッサーの法則は、一連のシステムは「最もリンクが弱い部分よりも弱い」として表現されてきた。一連のコンポーネントからなる製品の信頼性は、最も信頼性が低いコンポーネントよりも低くなるためである[4]

たとえば、信頼性が異なる2つのコンポーネントからなる一連のシステムについて考えてみよう。一方のコンポーネントの信頼性は0.95、他方は0.8とする。この場合、ルッサーの法則によれば、信頼性は次のように求められる。

この値は、低い方のコンポーネントの信頼性よりも低い値となっている。

脚注 編集

  1. ^ Collins, R. (2003年7月14日). “Lusser's Law”. The American Spectator. The American Spectator. 2015年8月10日閲覧。
  2. ^ DeVale, J. (1998年). “Basics of Traditional Reliability”. pp. 8. 2015年8月11日閲覧。
  3. ^ Kopp, C. (1996年). “System Reliability and Metrics of Reliability”. Peter Harding & Associates, Pty Ltd. pp. 7. 2015年8月11日閲覧。
  4. ^ Critchley, Terry (2014). High Availability IT Services. CRC Press. pp. 117. ISBN 9781482255911. https://books.google.co.uk/books?id=ltAqBgAAQBAJ&pg=PA117&lpg=PA117&dq=Lusser%27s+law&source=bl&ots=SNPCKYZh-o&sig=NUsUd9m3e45m87gG_bSxWjA7kps&hl=en&sa=X&ved=0CFEQ6AEwB2oVChMI0ZO-5qOfxwIVh4kaCh3oaw9V#v=onepage&q=Lusser's%20law&f=false