ルパン最後の事件

モーリス・ルブランの小説

ルパン最後の事件』(ルパンさいごのじけん、Les milliards d'Arsène Lupin)は、モーリス・ルブランアルセーヌ・ルパンシリーズの一篇。1939年ロート紙において連載され、1941年に単行本化された。

ルパン最後の事件
Les Milliards d'Arsène Lupin
著者 モーリス・ルブラン
イラスト fr:André Pécoud
発行日 1941年11月
発行元 アシェット・フィリパッキ・メディア
ジャンル 推理小説
フランスの旗 フランス
言語 フランス語
前作カリオストロの復讐
次作ルパン最後の恋
ウィキポータル 文学
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原題は「アルセーヌ・ルパンの数十億」だが、2012年に出版されたルブランの遺作『ルパン最後の恋』が発見されるまで、本作がルパン・シリーズ最後の作品と考えられていたため、日本(偕成社榊原晃三訳版)では最後の事件というタイトル[1]が付けられている[注 1]

フランスのHachetteフランス語版が1941年の単行本化に際して、第9章「金庫室」(Les coffres-forts)の一部が欠けたまま出版する。偕成社榊原晃三訳版はこれを底本としたため、完全な訳本は出版されていない。原典は、1987年にRobert Laffontフランス語版のBouquins版が出版されているが、こちらも一部が欠落したままである。2011年にモーリス・ルブランの著作権保護期間が終了したため、現在では欠落部を含めた版の刊行が行われている[2]

欠落部分は、ルブラン研究家のフィリップ・ラデ(Philippe Radé)が発見し、1991年に『カリブル(Calibre)』誌に発表した。<Jacques Derouard, Le Dictionnaire Arsène Lupin より>

2003年に韓国で出版されたルパン全集において、欠落部分も含めた初の完全版の刊行が実現した。その訳者は絶版本の「アルセーヌ・ルパンの数十億」をフランスの古書店で購入し、フランスのルパン研究者の助けを得て欠落部分を補ったという[3]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ ポプラ社・南洋一郎訳版では、『カリオストロの復讐』を『ルパン最後の冒険』のタイトルで出版している。

出典 編集

  1. ^ モーリス・ルブラン榊原晃三(訳)、1982、『ルパン最後の事件』、偕成社〈アルセーヌ=ルパン全集 25〉(原著1941年) ISBN 978-4-03-815250-4
  2. ^ Maurice, Leblanc (2015-3-19) [1941] (フランス語). Les Milliards d'Arsène Lupin. MANUCIUS. ISBN 978-2845784437 
  3. ^ http://www.arsenelupin.co.kr/03_work/02_work20_popup.asp(韓国語)