ルベーグの被覆補題
トポロジーにおけるルベーグの被覆補題(英: Lebesgue covering lemma)あるいはルベーグ数の補題(英: Lebesgue's number lemma)はアンリ・ルベーグに因むコンパクト[要曖昧さ回避]距離空間の研究における有用な補題であって、次のことを主張する:
そのような数 はその被覆のルベーグ数と呼ばれる。ルベーグ数の概念そのものも他の応用へ有用である。
証明 編集
を の開被覆とする。 はコンパクトだから有限部分被覆 を抜き取ることができる。
各 に対して、 とおいて、関数 を で定める。
はコンパクト集合上で連続だから、最小値 を取る。鍵となる観察は である。もし が 未満の直径を持つ の部分集合なら、ある に対して となる。ここで は半径 中心 の球を表す(よって は の任意の点としてよい)。 であるから、少なくともひとつ が存在して が成り立つ。ところがこのことは を意味し、したがってとくに である。
別証明 編集
を の開被覆とする。どんな に対しても は開集合である。なぜなら、各 に対して、 と の周りのコンパクト -球の間には正の距離 があるから、開 -球もまた に含まれる。
族 もまた の開被覆である。 はコンパクトだから、 は有限個の の和に既に含まれている。また に対して となるから、それら有限個は全て、その中のひとつに含まれている。よってある に対して が成り立つ。この はルベーグ数である。
脚注 編集
参考文献 編集
- Munkres, James R. (1974), Topology: A first course, p. 179, ISBN 978-0-13-925495-6