レクサス・GX

レクサスのSUV型乗用車

GX(ジーエックス、Lexus GX)は、トヨタ自動車が展開する高級車ブランド「レクサス」から販売されている大型SUVである。

2代目 現行型モデル

トヨタブランド(トヨタ店)から販売されている「ランドクルーザープラド」とは2代目までは姉妹車であったが、3代目からは、2023年8月2日に発表されたランドクルーザー250の姉妹車となる。また2代目までは日本では導入されていなかったが、3代目から日本に正式導入される。

初代「GX470」(UZJ120 2002年-2009年) 編集

レクサス・GX(初代)
UZJ120型
 
GX470 フロント
 
リア
 
GX470 インテリア
概要
製造国   日本
ボディ
乗車定員 8人
ボディタイプ 5ドアSUV
駆動方式 AWD
パワートレイン
エンジン 2UZ-FE型 4.7 L V型8気筒 263 PS
変速機 5AT
車両寸法
ホイールベース 2,790 mm
全長 4,780 mm
全幅 1,880 mm
全高 1,895 mm
車両重量 2,209 kg
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レクサスSUVのフラッグシップモデルである「LX」と、クロスオーバーSUVRX」の中間に位置するモデルとして、2002年11月に登場した。表向きはプレミアムブランドのSUVでありながら、その中身は世界中の過酷なオフロードで鍛え上げられたトヨタ「ランドクルーザー120」(ライトデューティー系。日本では3代目ランドクルーザープラド)そのものである。その成り立ちゆえ、欧州各社の同ポジションの車種とは異なり、ラダーフレームリジッドのリアアクスルを持つ。

パワーユニットは上級の「LX470」と共通で、全グレードに4.7 LのV型8気筒DOHCエンジン(2UZ-FE型)と5速ATを搭載する。

内装はレクサス車にふさわしい本革や本木目パネル等をふんだんに使用した上質なものとなり、トヨタ「ランドクルーザー120」にはない「マークレビンソンプレミアムサウンドシステム」や、後席用DVDシステムなどの設定もある。

製造は愛知県トヨタ自動車田原工場が担当していた。

トヨタ「ランドクルーザー120」との主な相違点
  • エンブレムなど車両内外で、GXでは「LEXUS」と表記されている箇所がプラドでは全て「TOYOTA」に改められている。フロント・リアやステアリングに装着されるエンブレムのほか、ウインドウのMナンバー、フューエルリッドのコーションラベル、シートベルトのタグなど。
  • 日本の保安基準を満たすためのサイドアンダーミラーが非装着(海外向けランドクルーザー120も同様に非装着)。
  • フロントグリルヘッドライトテールライトレンズ、純正ホイールバンパー、ドアモールなどのデザイン。
  • バーズアイメープルなどの本木目パネルの使用。
  • 車幅灯のワット数の違いや、サイドマーカーの有無。
  • その他、パネルのチリ合わせや塗装などの各面において、レクサス車たるGXの方がより高水準の品質管理に基づき製造される。
受賞
  • 4x4 Magazine誌、「4WDオブ・ザ・イヤー」(2003年、2004年)
  • JDパワー社「初期品質調査」、高級SUV部門第1位(2005年)

2代目「GX460」(URJ150 2009年-) 編集

レクサス・GX(2代目)
UZJ150型
 
2009年販売型フロント
 
2009年販売型リア
 
インテリア
概要
製造国   日本
ボディ
乗車定員 7人
ボディタイプ 5ドアSUV
駆動方式 四輪駆動
パワートレイン
エンジン 1UR-FE型 4.6 L V型8気筒 301 PS
変速機 6速AT
車両寸法
ホイールベース 2,790 mm
全長 4,880 mm
全幅 1,885 mm
全高 1,875 mm
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2009年11月24日広州国際モーターショーにて2代目モデル「GX460」がワールドプレミア[1]

同年9月に日本で発表・発売されたトヨタ「ランドクルーザー150(4代目ランドクルーザープラド)」をベースとし、初代モデル同様にGX専用のパワートレイン、エクステリア、インテリアが与えられている。

エクステリアは、レクサスの統一デザインフィロソフィー「L-Finesse」を表現したスタイルに仕立てられ、サイドモールやボディ一体型のルーフレールの装備でランドクルーザー150との差別化が図られている。インテリアは、ランドクルーザー150の骨格を残しつつ、本木目パネルや本革素材がふんだんに使われている。パーキングブレーキは初代モデルのセンターレバー式から足踏み式へ変更されている。

エンジンは新世代の4.6 L 1UR-FE型へ変更された。これはトヨタ「ランドクルーザー200」(2009年のマイナーチェンジ後の日本国内仕様)と同型であるが、最高出力はランドクルーザー200の318 PSに対し、GXでは301 PSとなっている。組み合わされるATは6速となった。

製造は初代に続き、トヨタ自動車田原工場が担当する。

2013年 - フェイスリフト。レクサスの新たなデザインアイコンである「スピンドルグリル」を採用した。

2022年10月4日 - レクサスカナダが2023年モデルを発売[2]

リコール 編集

2010年4月13日コンシューマー・リポートが「レクサスGX460は横転のリスクを抱えている」と指摘し、2001年三菱・モンテロ以来となる「買ってはいけない」との警告を発した。およそ100 km/hの速度で右コーナーに進入した場合、横滑り防止装置(VSC)の働きが弱く、縁石などにぶつかった場合に横転する危険があるというものである[3][4]

これを受け、トヨタ自動車はGX460とランドクルーザー150の販売を一時中止した[5]4月20日(日本時間)、トヨタ自動車は「VSCとKDSSを共に装備した左ハンドルの18インチホイール仕様で顕著」としながら、GX460の全数と、左ハンドル仕様のランドクルーザー150をリコールの対象とし、VSCのプログラムを改修することを発表した(プレスリリース 動画あり)[6]

3代目(2023年末-予定) 編集

2023年6月8日米国・テキサス州オースティンにて3代目モデルを世界初公開[7]ランドクルーザー250とは姉妹関係で、プラットフォームには新規開発のGA-Fプラットフォームを採用。エンジンには、V型6気筒 3.5 Lツインターボエンジンと、レクサスのボディオンフレーム車初となるハイブリッドシステムを組み合わせる直列4気筒 2.4 Lターボエンジンを設定し、それぞれダイレクトシフト10AT、ダイレクトシフト8ATを設定している[8]。エクステリアデザインは先代モデルと比べ、車両開発コンセプトを「ザ・プレミアム・オフローダー」として、よりオフロード性能を追求したデザインとなっている[7]。 また、より厳しい環境下で求められる機能やデザインを備えた“OVERTRAIL”仕様を新たに設定し、専用のエクステリアデザインと専用の内外装となっている[7]。他にも、“OVERTRAIL”仕様では、専用のオールテレーンタイヤや、レクサス初のE-KDSSシステムを搭載している[7]

主要諸元(プロトタイプ) 編集

車輛寸法

  • 全長4,950 mm
  • 全幅1,980 mm
  • 全高1,870 mm
  • ホイールベース2,850 mm

パワートレーン

  • 3.5 L V6ツインターボ[フルタイム4WD]
  • 2.4 L 直列4気筒ターボハイブリッドシステム[フルタイム4WD]
  • ホイールサイズ18/20/22インチ

脚注 編集

  1. ^ トヨタ自動車、2009年広州モーターショーでレクサスGX460を世界初出展”. トヨタ自動車 (2009年11月13日). 2010年4月13日閲覧。
  2. ^ レクサス、迫力グリルの新「GX」加で発売! 約780万円から(くるまのニュース)”. LINE NEWS. 2022年10月4日閲覧。
  3. ^ Don't Buy: Safety Risk--2010 Lexus GX 460”. コンシューマー・リポート (2010年4月13日). 2010年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年4月13日閲覧。
  4. ^ Consumer Reports: Do not buy a Lexus GX 460 due to rollover risk”. WorldCarFans.com (2010年4月13日). 2010年4月13日閲覧。
  5. ^ Toyota stops sale of 2010 Lexus GX 460 after Consumer Reports safety alert”. コンシューマー・リポート (2010年4月13日). 2010年4月14日閲覧。
  6. ^ Recall: Lexus to update 2010 GX 460 stability control software”. コンシューマー・リポート (2010年4月19日). 2010年4月20日閲覧。
  7. ^ a b c d CORPORATION, TOYOTA MOTOR. “LEXUS、新型「GX」を世界初公開 | レクサス | グローバルニュースルーム”. トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト. 2023年6月10日閲覧。
  8. ^ 株式会社インプレス (2023年6月9日). “レクサス、新型「GX」世界初公開 新GA-Fプラットフォームを採用しV6ターボ&初の2.4ハイブリッドをラインアップ”. Car Watch. 2023年6月10日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集