レッペ反応 (Reppe reaction) とは高圧アセチレンを原料とした種々の有用な化合物を合成する反応。一連の反応を合わせて レッペ合成 と呼ぶ。

ドイツのヴァルター・レッペらが1930年代から40年代にかけて発展させた。ビニル化、エチニル化、環化重合、カルボニル化の四つに大別される。

これらの反応は、合成樹脂・ゴム・繊維の原料製造に重要な役割を果たしている。

ビニル化 編集

アセチレンとアルコールからアルカリ触媒によって加圧下にビニルエーテルやビニルアミンを生成する。触媒が亜鉛塩の場合はビニルエステルを生ずる。

 
Reppeビニル化

エチニル化 編集

アセチレンとアルデヒドから銅(I)アセチリド触媒によってプロパルギルアルコール誘導体を生成する反応。

 
Reppeエチニル化

下記の反応式ではアセチレンと2当量のホルムアルデヒドを反応させ、1,4-ブチンジオールを生成する。

HC≡CH + 2 HCHO → HOCH2C≡CCH2OH

カルボニル化 編集

アセチレンと一酸化炭素から臭化ニッケル(II)触媒によってアクリル樹脂アクリル酸誘導体を生成する反応。

 
Reppeカルボニル化
 
Reppeカルボニル化

環化重合 編集

アセチレンからニッケル錯塩を触媒として加圧下にベンゼン(三分子の場合)やシクロオクタテトラエン(四分子の場合)を生成する反応。

 
Reppe環化重合
 
Reppe環化重合