ロッカーズ (Rockers) は、1950年代後半にイギリスで誕生したバイカーズの呼称である。別称としてton-up boys、 leather boysがある。

ロッカーズ

概要 編集

ロックンロールに影響を受け、黒の革ジャンに革パンを履いて単気筒エンジン/二気筒エンジンのバイクに乗った若者の集まりをロッカーズと称した。

ファッション 編集

革ジャンの背中にはマシンのロゴを白のペイントで描き、59club 、サーキットやマン島TTレース、はたまたツーリング先のご当地ワッペンを付け、七宝のバッチや丸鋲などで革ジャンを装飾していた。

1960年代の一般的な着こなしとしてAVIAKIT、KETT、Pride and Clarke などの革ジャケットにイギリス製または香港製のジーンズ、インナーはTシャツではなく、ワイドスプレッド・カラーのシャツとニットのセーターをまとい、髪をポマードで撫で付けた[注釈 1]

ライフスタイル 編集

このような60年代に台頭したバイクファッションに身を包み、クリフ・リチャードシャドウズビリー・フューリーマーティ ワイルドなどのブリティッシュ・ロックン・ロールや、ジーン・ヴィンセントエディ・コクランなどのロカビリーの音楽を好んだ。

ロンドンに拠点を持つエース・カフェ[注釈 2]のほか、The Busy Bee Cafe、The Salt Box Cafeなどのカフェに、トライアンフノートンBSAなどのオートバイで集まったり、オートバイでカフェからカフェまでの競争を行ったりした事から、彼らの好むオートバイの改造スタイルや改造されたオートバイをカフェレーサーと呼ぶようになった。

その他 編集

  • ロッカーズ全盛期(1962-1966)には典型的なカフェレーサーとして、ノートンのフレームにトライアンフのエンジンを懸架する改造が流行し、この仕様はトライトンと呼ばれた。
  • モッズと呼ばれた集団とは対立した関係にあった[1][2]。1964年にブライトンの海岸で起こったロッカーズとモッズの大乱闘は有名である。モッズの青年を主人公にしたイギリス映画『さらば青春の光[注釈 3](1979年)には、この大乱闘を含めて、ロッカーズとモッズの対立抗争が取り上げられている。
  • ロッカーズは日本にも存在しており、毎年5月に愛知でUnited ROCKERSというイベントが開催される。

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ Townshend (2013), p. 51.
  2. ^ Jones (2019), p. 23.

注釈 編集

  1. ^ 日本での呼称はリーゼント
  2. ^ ロッカーズの聖地と呼ばれた。
  3. ^ イングランドロックバンドで、1960年代半ばにデビューしてモッズに人気があったザ・フーのアルバム『四重人格』(Quadrophenia、1973年)を原作にした。

参考文献 編集

関連項目 編集

リンク 編集