ロックンロールにゃ老だけど死ぬにはチョイと若すぎる

ジェスロ・タルのアルバム

ロックンロールにゃ老だけど死ぬにはチョイと若すぎる』(ロックンロールにゃとしだけどしぬにはチョイとわかすぎる/原題:Too Old to Rock 'n' Roll: Too Young to Die!)は、イギリスプログレッシブ・ロックバンドジェスロ・タル1976年に発表した9作目のスタジオ・アルバム

ロックンロールにゃ老だけど死ぬにはチョイと若すぎる
ジェスロ・タルスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル プログレッシブ・ロック
時間
レーベル クリサリス・レコード
プロデュース イアン・アンダーソン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 10位(オーストリア[1]、ノルウェー[2]
  • 14位(アメリカ[3]
  • 25位(イギリス[4]
  • 27位(スウェーデン[5]
  • 28位(ニュージーランド[6]
  • ジェスロ・タル アルバム 年表
    M.U.〜ザ・ベスト・オブ・ジェスロ・タル
    (1976年)
    ロックンロールにゃ老だけど死ぬにはチョイと若すぎる
    (1976年)
    神秘の森〜ピブロック組曲
    (1977年)
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    背景 編集

    キンクスロック・オペラ作品に触発されて作られたアルバムで[7]、元々はミュージカルサウンドトラック・アルバムとして計画されていたが、ミュージカルの上演は実現しなかった[8]。レイ・トーマスという架空の年老いた元ロック・スターが、オートバイで自殺を図るも失敗して昏睡状態となり、意識を取り戻した後にファッション・リーダーとして返り咲く物語が描写されている[7]。この物語の詳細は、アルバムに封入されたコミック・ストリップに記載されているが、実際の歌詞は、必ずしもそれに忠実でなく、端折られた部分やプロットが変化した部分もあるという[7]。なお、バンドの中心人物イアン・アンダーソンは2002年、レイ・トーマスに関して「決して私のことではない。人々はなぜ、これが自伝に違いないと思い込んできたのだろうか?」とコメントしている[8]

    本作より元カルメンのジョン・グラスコックがベーシストとして加入し、グラスコックはバンドの正式メンバーとしては初めて、バッキング・ボーカルでも貢献した[9]

    反響・評価 編集

    アメリカでは21週Billboard 200入りし、1976年7月4日に最高14位を記録した[3]全英アルバムチャートでは10週トップ100入りしたが、最高25位に終わり、ジェスロ・タルのスタジオ・アルバムとしては初めて全英トップ20入りを逃す結果となった[4]

    Dave Slegerはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「歌詞のテーマにもかかわらず、『ロックンロールにゃ老だけど死ぬにはチョイと若すぎる』は、往年のタルが『アクアラング』や『ベネフィット』で開拓したスタイルに戻ったかのように、単体のロック・ソングの優れたコレクションである。ここには『ジェラルドの汚れなき世界』や『パッション・プレイ』のような雑然とした大作、『ウォーチャイルド』のようなポップ色への傾倒、『天井桟敷の吟遊詩人』のような複雑さはない」と評している[10]

    収録曲 編集

    全曲ともイアン・アンダーソン作。

    1. クイズ・キッド "Quizz Kid" – 5:09
    2. 狂人協会 "Crazed Institution" – 4:48
    3. サラマンダー "Salamander" – 2:51
    4. タクシー泥棒 "Taxi Grab" – 3:54
    5. フロム・ア・デッド・ビート・トゥ・アン・オールド・グリーザー "From a Dead Beat to an Old Greaser" – 4:09
    6. バッド・アイド・アンド・ラヴレス "Bad-Eyed and Loveless" – 2:12
    7. ビッグ・ディッパー "Big Dipper" – 3:35
    8. ロックンロールにゃ老だけど死ぬにはチョイと若すぎる "Too Old to Rock 'n' Roll: Too Young to Die" – 5:44
    9. パイド・パイパー "Pied Piper" – 4:32
    10. チェッカード・フラッグ "The Chequered Flag (Dead or Alive)" – 5:32

    2002年リマスターCDボーナス・トラック 編集

    1. ア・スモール・シガー "A Small Cigar" – 3:39
    2. ストリップ・カートゥーン "Strip Cartoon" – 3:17

    参加ミュージシャン 編集

    アディショナル・ミュージシャン

    脚注 編集

    注釈 編集

    1. ^ フランス系をルーツとし姓の表記は“Barre”のため、日本では“バレ”と読まれることも多いが、イギリス人であり“バー”と発音するのが正しい[11]

    出典 編集

    外部リンク 編集