ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋

ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』(ロングショット ぼくとかのじょのありえないこい、Long Shot)は、2019年アメリカ合衆国ロマンティック・コメディ映画。監督はジョナサン・レヴィン、主演はシャーリーズ・セロンセス・ローゲンが務めた。 原題の「Long Shot」には「勝つ見込みの低い候補者」や「大穴」などの意味がある[5]

ロング・ショット
僕と彼女のありえない恋
Long Shot
監督 ジョナサン・レヴィン
脚本 ダン・スターリング英語版
リズ・ハンナ英語版
原案 ダン・スターリング
製作 A・J・ディックス
エヴァン・ゴールドバーグ
ベス・コノ
シャーリーズ・セロン
セス・ローゲン
ジェームズ・ウィーヴァー
製作総指揮 バーバラ・A・ホール
ケリー・コノップ
ジョン・パワーズ・ミドルトン
ダン・スターリング
出演者 シャーリーズ・セロン
セス・ローゲン
オシェア・ジャクソン・Jr
アンディ・サーキス
ボブ・オデンカーク
音楽 マイルズ・ハンキンズ
マルコ・ベルトラミ
撮影 イヴ・ベランジェ
編集 メリッサ・ブレザートン
エヴァン・ヘンケ
製作会社 サミット・エンターテインメント
グッド・ユニバース
ポイント・グレイ・ピクチャーズ
デンヴァー・アンド・デリラ・フィルムズ英語版
配給 アメリカ合衆国の旗 ライオンズゲート
日本の旗 ポニーキャニオン
公開 アメリカ合衆国の旗 2019年5月3日
日本の旗 2020年1月3日
上映時間 125分[1]
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $40,000,000[2]
興行収入 世界の旗 $52,854,588[3]
日本の旗 4400万円[4]
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ストーリー

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2019年、チャンバース大統領はシャーロット・フィールド国務長官に再選を目指さない意向を伝えた。シャーロットはそれを好機と見なし、チャンバースの支持を取り付けて大統領選に打って出ることにした。

ニューヨークでは、ジャーナリストのフレッド・フラスキーは自分の職場がメディア王のパーカー・ウェンブリーに買収されたことを知って憤慨していた。ウェンブリーは悪辣なやり方を駆使することで知られており、良心的なフレッドはそれを許容できなかったのである。フレッドは勢いで辞職してしまったが、再就職先の当てはなかった。取り敢えず、フレッドは親友のランスに職の斡旋を頼むことにした。フレッドはランスに連れられてチャリティー・パーティーに参加することとなったが、その場で思いがけない人物と遭遇することになった。その人物とはシャーロットのことである。フレッドとシャーロットは幼馴染みで、年上のシャーロットはフレッドのベビーシッターでもあった。ティーンの頃、フレッドはシャーロットに恋心を抱いていたが、それを伝えることが遂にできなかったのであった。フレッドはシャーロットとの再会を喜んだが、シャーロットには会うべき人が沢山おり、フレッドと話していられる時間はなかった。しかも、「会うべき人」の中にはウェンブリーも含まれていたのである。

フレッドのコラムを読んだシャーロットは彼をスピーチライターとして雇用することにした。フレッドは汚い政治の世界に関わりたくなかったが、他に仕事の当てがなかったため、引き受けざるを得なかった。ほどなくして、シャーロットは世界の名だたる政治家を前に環境問題に関するスピーチをすることになった。シャーロットは幅広い支持を得るために、内容を穏健なものにしようとしたが、フレッドから「自分の信条を曲げるべきではない」と説得され、自分の考えをそのままぶつけることにした。その結果、スピーチは大勢の人の心を揺さぶるものとなった。

フレッドは「素晴らしいスピーチを書くためには、シャーロットのことをもっと知る必要がある」と考え、シャーロットに2人で過ごす時間を取ってもらった。その結果、2人の距離は急接近した。その後、2人は訪問先のマニラで暴動に巻き込まれたが、何とか無事に出国することができた。それをきっかけに2人は恋に落ちたのだが、シャーロットの秘書であるマギーは快く思わなかった。マギーは「冴えない男性が大統領の夫になったら、国民は誰一人として支持しないでしょう」と言い放った。しばらくして、シャーロットはチャンバースに呼び出された。支持者の圧力を受けたチャンバースはシャーロットが訴える環境保護政策の一部を撤回するよう求めたのである。苛立ちを募らせたシャーロットだったが、フレッドと一緒にマリファナを吸うことでストレスを一気に発散した。ところが、そんな折、立てこもり事件が発生したとの一報が届いた。ハイになっていたシャーロットだったが、何とか人質を解放させることに成功した。

この一件でシャーロットの支持率は上昇したが、環境政策をめぐるシャーロットとチャンバースの対立は埋め難いものとなっていた。怒り狂ったチャンバースはウェンブリーを抱き込んでシャーロットを潰すための計略を練り始めた。

キャスト

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製作

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2017年2月23日、ジョナサン・レヴィン監督の新作映画『Flarsky』にシャーリーズ・セロンとセス・ローゲンが起用されたと報じられた[6]。同年夏、リズ・ハンナが本作の脚本のリライト作業を行った[7]。10月、オシェア・ジャクソン・Jrの出演が決まった[8]。11月、ジューン・ダイアン・ラファエル、アンディ・サーキス、ラヴィ・パテル、アレクサンダー・スカルスガルド、ランドール・パークがキャスト入りした[9][10][11]。本作の主要撮影は同月中にモントリオールで始まった[11]。2019年1月、本作のタイトルが『Flarsky』から『Long Shot』に変更されるとの報道があった[12]

公開・マーケティング

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2019年2月15日、本作のオフィシャル・トレイラーが公開された[13]。3月9日、本作はサウス・バイ・サウスウェストでプレミア上映された[14]

当初、本作は2019年2月8日に全米公開される予定だったが[15]、試写会での好評を受けて、同年6月7日(稼ぎ時のサマーシーズン)に公開日が変更された[16]。しかし、その後、全米公開日は5月3日に再度変更されることとなった[17]

興行収入

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本作は『侵入する男』及び『アグリードール』と同じ週に封切られ、公開初週末に1200万ドル前後を稼ぎ出すと予想されていたが[18]、実際の数字はそれを下回るものとなった。2019年5月3日、本作は全米3230館で公開され、公開初週末に974万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場3位となった[19]

評価

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本作は批評家から好意的に評価されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには227件のレビューがあり、批評家支持率は81%、平均点は10点満点で7.03点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「重層的かつ鋭いコメディ映画である。主演二人の奇妙なケミストリーのお陰で、『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』は的の中心を見事に射抜いて見せた。」となっている[20]。また、Metacriticには44件のレビューがあり、加重平均値は67/100となっている[21]。なお、本作のCinemaScoreはBとなっている[22]

ラジオパーソナリティとして知られるジェーン・スーは「いつか王子様が迎えにきてくれることを夢見る旧来型ラブコメ映画のスティグマを、完全に払拭」した「現時点でのラブコメ映画最高傑作」と評している[23]。 また、スーと音楽ジャーナリストの高橋芳朗は本作の日本での試写会におけるトークショーにおいて「いま最先端の作品が出てきたな、という感じ」「現状の決定打。最高傑作と言ってもいい」としている[24]

出典

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  1. ^ ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋”. 映画.com. 2019年10月11日閲覧。
  2. ^ Friday Box Office: 'Intruder' Opens Okay, But 'Avengers' Squashes 'Long Shot' And 'UglyDolls'”. Forbes (2019年5月4日). 2019年5月9日閲覧。
  3. ^ Long Shot”. Box Office Mojo. 2019年10月11日閲覧。
  4. ^ 『キネマ旬報』2021年3月下旬特別号 p.54
  5. ^ long shotの意味・使い方”. 英辞郎 on the WEB. アルク. 2019年1月4日閲覧。
  6. ^ Charlize Theron and Seth Rogen to Star in Comedy ‘Flarsky’”. Variety (2017年2月23日). 2019年5月9日閲覧。
  7. ^ How Charlize Theron and Seth Rogen gave 'Long Shot' its 'secret power'”. Los Angeles Times (2019年5月2日). 2019年5月9日閲覧。
  8. ^ O’Shea Jackson Jr. Joins Seth Rogen Movie ‘Flarsky’ (EXCLUSIVE)”. Variety (2017年10月9日). 2019年5月9日閲覧。
  9. ^ June Diane Raphael & Ravi Patel Cast In Lionsgate’s Comedy ‘Flarsky’”. Deadline.com (2017年11月20日). 2019年5月9日閲覧。
  10. ^ Andy Serkis Joins Seth Rogen in Lionsgate Comedy 'Flarsky' (Exclusive)”. Hollywood Reporter (2017年11月21日). 2019年5月9日閲覧。
  11. ^ a b Alexander Skarsgard, Randall Park Join Seth Rogen in 'Flarsky' (Exclusive)”. Hollywood Reporter (2017年11月28日). 2019年5月9日閲覧。
  12. ^ Untitled Seth Rogen-Charlize Theron SXSW Comedy Now Titled ‘Long Shot’”. Deadline.com (2019年1月28日). 2019年5月9日閲覧。
  13. ^ Long Shot (2019 Movie) Official Trailer – Seth Rogen, Charlize Theron”. YouTube (2019年2月15日). 2019年5月9日閲覧。
  14. ^ SXSW: Olivia Wilde, Seth Rogen, Charlize Theron and Matthew McConaughey to Premiere New Work”. Hollywood Reporter (2019年1月16日). 2019年5月9日閲覧。
  15. ^ Charlize Theron-Seth Rogen Comedy ‘Flarsky’ Gets Release Date”. Variety (2017年10月3日). 2019年5月9日閲覧。
  16. ^ Seth Rogen-Charlize Theron Comedy ‘Flarsky’ Moving to Summer (EXCLUSIVE)”. Variety (2018年8月15日). 2019年5月9日閲覧。
  17. ^ Seth Rogen-Charlize Theron Comedy Moves Up To First Weekend In May After Scoring SXSW Slot”. Deadline.com (2019年1月17日). 2019年5月9日閲覧。
  18. ^ 'Avengers: Endgame' Readies for Second Weekend Dominance”. Box Office Mojo (2019年5月2日). 2019年5月9日閲覧。
  19. ^ May 3-5, 2019”. Box Office Mojo. 2019年5月9日閲覧。
  20. ^ Long Shot”. Rotten Tomatoes. 2019年5月9日閲覧。
  21. ^ Long Shot (2019)”. Metacritic. 2019年5月9日閲覧。
  22. ^ 'Avengers: Endgame' Tops $2 Billion Globally, En Route to Dominant Second Weekend”. Box Office Mojo (2019年5月5日). 2019年5月9日閲覧。
  23. ^ “ジェーン・スー×高橋芳朗 愛と教養のラブコメ映画講座 Vol.20『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』”. UOMO. (2020年1月2日). https://www.webuomo.jp/culture/62481/ 2020年1月12日閲覧。 
  24. ^ “ラブコメ大好きジェーン・スー&高橋芳朗が激アツ絶賛!『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』試写会でスペシャルトークを披露!!”. BANGER!!!. (2019年12月23日). https://www.banger.jp/movie/25213/ 2020年1月12日閲覧。 

外部リンク

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