ローズ・マーフィ

アメリカのジャズピアニスト (1913-1989)

ローズ・マーフィ[1]Rose Murphy1913年4月28日 - 1989年11月16日[2]は、アメリカジャズ・ピアニスト、歌手。楽曲「Busy Line」と、そのユニークなボーカル・スタイルで有名である[3]

ローズ・マーフィ
Rose Murphy
生誕 (1913-04-28) 1913年4月28日
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 オハイオ州ジーニア
死没 (1989-11-16) 1989年11月16日(76歳没)
ジャンル ボーカル・ジャズ
職業 歌手、ミュージシャン
担当楽器 ボーカルピアノ
活動期間 1930年代 - 1980年代

略歴 編集

彼女はアメリカオハイオ州ジーニアで生まれた[2]。「音楽史におけるユニークな位置」を持っているとオールミュージックスコット・ヤナウによって解説されており[2]、マーフィは、彼女が多くの場面で「チーチー」と歌う習慣があるため、「チーチー・ガール」として知られていた[2]。また「ペール・ピンクの声を持つ少女」としても知られていた。

マーフィは、1930年代後半に音楽キャリアを始め、カウント・ベイシーなどのパフォーマーのため休憩時にピアノを演奏し、1940年代後半にアメリカとイギリスで人気を博した[3]。彼女は、そのスキャット、笑い、パーカッシヴなサウンド・エフェクトを取り入れた甲高い歌声で最もよく知られている[2]。彼女の最も有名な持ち歌の1つである「Busy Line」では、おそらく彼女の最も有名なボーカル・サウンド・エフェクトである電話のコール音「ブルル、ブルル」を使用している[4]。この歌の1つのバージョンは、1990年に「BT Cellnet」によってテレビ・コマーシャルで使用された[3]マーガレット王女は、「Busy Line」がイングランドでヒットした後、ファンになった。彼女はロンドンでのマーフィのコンサートに出席し、彼女を真似てピアノを演奏しながら、パーティで「Busy Line」を歌った。

1950年代から1980年代まで、マーフィは「ザ・クッキリー」「マイケルズ・パブ」「アップステアーズ・アット・ザ・ダウンステアーズ」など、ニューヨークのトップ・クラブの多くで演奏を続けた。彼女は通常、ベーシストのスラム・スチュワートまたはモリス・エドワーズを伴っていた。これらの間に、ロンドンでの仕事とヨーロッパ・ツアーがあった。

私生活と死 編集

1989年6月のハリウッド・ルーズベルト・ホテルのシネグリルで2週間の公演を行った際、マーフィは病気になり、ニューヨークへ戻った。1989年11月16日、ニューヨークにて76歳で死去。4度の結婚をしたが、直系の子孫はいない[3]。1950年から1977年までの最後の結婚は実業家のエディ・マシューズ[5]とのものであり、1928年から1933年まで彼はエセル・ウォーターズと結婚していた。ローズ・マーフィと彼女のイギリスでのラジオ放送については、イギリスの作家ブライアン・ハーストによる小説『Under the Pink Light』の中で言及されている。

ディスコグラフィ 編集

リーダー・アルバム 編集

  • Rose Murphy Sings (1952年、Royale)
  • Rose Murphy and Quartette (1955年、Royale)[6]
  • 『ノット・チャ・チャ・バット・チ・チ』 - Not Cha-Cha But Chi-Chi (1957年、Verve)[7]
  • 『ジャズ、ジョイ・アンド・ハッピネス』 - Jazz, Joy And Happiness (1962年、United Artists Jazz) ※Featuring スラム・スチュワート[8]
  • Mighty Like A Rose (1980年、Black And Blue)
  • Rose Murphy (1981年、Audiophile)
  • Sings Again (1983年、MCA)
  • Live In Concert (1994年、Equinox)

コンピレーション・アルバム 編集

  • 『ローズ・マーフィー』 - I Can't Give You Anything But Love (1982年、Decca)
  • 『ハッピー・ピアノ・ガールズ』 - Two Happy Piano Girls (1997年、MCA) ※with クリーオ・ブラウン
  • The Complete RCA Victor Recordings (1997年、RCA Victor/BMG)
  • I Wanna Be Loved By You (1998年、Body & Soul)
  • That Chee-Chee Girl (1998年、Simitar)
  • At The Piano (1999年、Audiophile) ※with Evalyn Tyner
  • Busy Line (2003年、Body & Soul)
  • Rose Murphy - The Chee-Chee Girl (2005年、Living Era)
  • I Can't Give You Anything But Chee-Chee (2020年、Jasmine)

脚注 編集

  1. ^ ローズ・マーフィー」の表記もある。
  2. ^ a b c d e Rose Murphy Biography, Songs, & Albums”. AllMusic. 2021年9月30日閲覧。
  3. ^ a b c d Brethour, Ross, sleevenotes to Busy Line, a Rose Murphy best of compilation, Body and Soul, BS2418, 2003
  4. ^ Colin Larkin, ed (1992). The Guinness Encyclopedia of Popular Music (First ed.). Guinness Publishing. p. 1781. ISBN 0-85112-939-0 
  5. ^ Rose Murphy is Back With That Old Chee‐Chee," by John S. Wilson, New York Times, August 3, 1979
  6. ^ Rose Murphy and Quartette (Media notes). Rose Murphy. Record Corp. of America. 1955. Internet Archiveより2023年1月16日閲覧
  7. ^ Not Cha-Cha, but Chi-Chi (Media notes). Rose Murphy. Los Angeles: Verve Records. 1957. Internet Archiveより2023年1月16日閲覧
  8. ^ Cherrington, George & Knight, Brian (1963). Jazz Catalogue 1963. London: The Jazz Journal Ltd.. p. 132. OCLC 1035932237. https://archive.org/details/jazzcatalogue19600cher/page/132/mode/1up 2023年1月16日閲覧。 

外部リンク 編集