ヴェラ・ガルフ (ミサイル巡洋艦)


ヴェラ・ガルフ (USS Vella Gulf, CG-72) は、アメリカ海軍ミサイル巡洋艦タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の26番艦。艦名は太平洋戦争で1943年8月6日の夜に行われたベラ湾夜戦にちなむ。

ヴェラ・ガルフ
基本情報
運用者  アメリカ海軍
艦種 ミサイル巡洋艦
級名 タイコンデロガ級
モットー Move Swiftly, Strike Vigorously
母港 ノーフォーク
艦歴
発注 1988年2月25日
起工 1991年4月22日
進水 1992年6月13日
就役 1993年7月12日
退役 2022年8月4日[1]
現況 退役
要目
満載排水量 9,460トン
全長 172.46 m
最大幅 16.76 m
吃水 9.5 m
機関 COGAG方式
主機 LM2500ガスタービンエンジン×4基
推進 スクリュープロペラ×2軸
出力 86,000仏馬力 (63,000 kW)
速力 30ノット (56 km/h) 以上
航続距離 6,000海里 (11,000 km) (20kt巡航時)
乗員 358名 (士官33名)
兵装
搭載機 SH-60B LAMPSヘリコプター×2機
FCS
C4ISTAR
  • イージス武器システム (AWS)
  • イージスBMDシステム
  • AN/SQQ-89 ASWCS
  • レーダー
  • AN/SPY-1B 多機能型
  • AN/SPS-49 対空捜索用
  • AN/SPS-55 対水上捜索用
  • AN/SPS-64 航法用
  • AN/SPQ-9A 砲射撃指揮用
  • AN/SPG-62 射撃指揮用×4基
  • ソナー
  • AN/SQS-53B 艦首装備式
  • AN/SQR-19 曳航式
  • 電子戦
    対抗手段
  • AN/SLQ-32電波探知妨害装置
  • Mk.137 6連装デコイ発射機×4基
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    ベラ湾夜戦にちなんで命名された艦としては2隻目であり、初代のヴェラ・ガルフ (USS Vella Gulf, CVE-111) は1945年4月9日にロバート・W・モース艦長の指揮下で就役した護衛空母であった。初代のヴェラ・ガルフは1946年8月9日に退役した。

    艦歴 編集

    ヴェラ・ガルフはメリー・アン・マッコーリー夫人によって命名、進水し、1993年9月18日にバージニア州ノーフォークで式典の後就役する。

    ヴェラ・ガルフは対空、対潜水艦、対水上および戦場ので戦闘といった多目的用途に活用されるよう設計された。空母戦闘グループ、揚陸攻撃グループに随伴し攻撃、護衛任務に従事する。その戦闘能力はイージス・システムによって統率され、電子探知装置、火器管制装置が完全に統合されている。イージスシステムは艦を防御し、強力な射撃能力および正確な探知能力により敵を撃退することができる。

    ヴェラ・ガルフは1998年2月に公試を修了し、5月から6月にかけて行われた西バルト海での巡航を完了した。巡航の間の6月8日から19日にかけて26回目の BALTOPS '98 演習に参加する。演習では第8空母グループの司令官が本艦から演習を指揮した。また弾薬の海上補給、LAMPS、C2X の完了、ヴァージン諸島セント・ジョンへの寄港を行い、配備前の作業を継続した。

    1999年1月に連続5度目の「Battle E」を受賞した後、ヴェラ・ガルフは1週間に及ぶ対空士官訓練を行う。

    ヴェラ・ガルフは1999年2月に10ヶ月に及ぶ JTFEX'99 への配備を完了する。その後1999年3月26日にアドリア海への配備に向けて出航した。

    2022年8月4日、ヴェラ・ガルフはノーフォークで退役式典を行った。ヴェラ・ガルフはタイコンデロガ級VLS装備艦で最初に退役した艦となった[1]

    出典 編集

    1. ^ a b 「海外艦艇ニュース 米イージス艦の起工と退役」『世界の艦船』第983集(2022年11月号)海人社 P.165

    関連項目 編集

    外部リンク 編集