ヴォルデマール・ポールセン

ヴォルデマール・ポールセン: Valdemar Poulsen1869年11月23日 - 1942年7月23日)は、デンマーク技術者1898年磁気針金録音機を発明したことで知られる。

ヴォルデマール・ポールセン
生誕 1869年11月23日
コペンハーゲン
死没 (1942-07-23) 1942年7月23日(72歳没)
国籍  デンマーク
業績
プロジェクト 磁気針金録音機

業績 編集

 
ポールゼンのアメリカでの磁気針金録音機の特許

1898年に自身の発明した「テレグラフォン(Telegraphone)」で、磁気記録の原理を明らかにした。磁気針金録音機もその後継である磁気テープ録音機も、磁性媒体を記録ヘッド上を通過させるという原理は同じである。録音すべき電気信号に変換し、それを録音ヘッドに供給すると、磁性媒体の磁化パターンがその信号に合わせて変化する。再生ヘッド(録音ヘッドと兼用でもよい)は針金やテープの磁場の変化を検出し、それを電気信号に変換する[1]

ポールセンはテレグラフォンの特許を1898年に取得し、助手のPeder O. Pedersenと共に鋼鉄製の針金、テープ、ディスクなどを媒体とした磁気録音機を開発した。これらの機器には増幅回路がなかったが、記録された信号は十分強く、ヘッドフォンで聴くこともできるし、電話線で送信することもできた。1900年のパリの万国博覧会で、ポールセンは皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の声を録音する機会に恵まれ、これが現存する最古の磁気録音となっている。

ポールセンは1908年アークコンバーターを開発し、「ポールセン・アーク送信機(Poulsen Arc Transmitter)」と名付けた。この技術は真空管が普及する以前には無線通信でよく使われた。1969年、ポールセンの栄誉を記念してデンマークの切手の肖像に採用された。

ヴォルデマール・ポールセン金メダルは、無線技術および関連分野の優れた研究に対して、デンマーク技術科学アカデミーが毎年授与していた。この賞は彼の生誕記念日である11月23日に授与され、ポールセン自身は1939年に第1回目に受賞している。この賞は1993年に廃止された[2]

特許 編集

脚注 編集

  1. ^ 「ポールセンの針金録音機」『大人の科学 Vol.23』、学習研究社、2008年3月31日、ISBN 978-4056054361 
  2. ^ Knudsen, Henrik (2012) (Danish). VISIONER, VIDEN OG VÆRDISKABELSE – EN HISTORIE OM AKADEMIET FOR DE TEKNISKE VIDENSKABER [VISIONS, KNOWLEDGE AND VALUE CREATION - A HISTORY OF ACADEMY OF ENGINEERING SCIENCES]. pp. 130. ISBN 978-87-7836-063-2. https://atv.dk/sites/atv.dk/files/media/document/Jubilæumsbog_ATV_2012_Visioner_viden_og_vaerdiskabelse.pdf 

外部リンク 編集