三井海洋開発株式会社(みついかいようかいはつ、: MODEC, INC.)は、海洋石油・ガス田において浮体式生産設備を用いた石油・ガス生産のためのトータルサービス提供を主な事業とする企業。その他同社からのスピンオフであるShape社を通じた、プラントのデジタライゼーションサービス等の事業も実施。

三井海洋開発株式会社
MODEC, INC.
本社が入居する日本橋丸善東急ビル
種類 株式会社
市場情報
東証プライム 6269
2003年7月2日上場
略称 MODEC(モデック)
本社所在地 日本の旗 日本
100-0013
東京都中央区日本橋二丁目3番10号
日本橋丸善東急ビル4階・5階
設立 1987年昭和62年)6月1日
業種 機械
法人番号 8010001007886 ウィキデータを編集
事業内容 FPSO、FSO及びTLPといった浮体式石油・ガス生産設備の設計・製造・据付、販売、リース、チャーター及びオペレーション
代表者 代表取締役社長 金森健
資本金 301億2,249万円
(2022年12月末日現在)
売上高 単体:2,696億円
連結:2,739,732千米ドル
(2022年12月31日現在)
純利益 単体:51億円
連結:41,143千米ドル
(2022年12月31日現在)
純資産 単体:215億円
連結:841,121千米ドル
(2022年12月31日現在)
総資産 単体:2,413億円
連結:3,136,213千米ドル
(2022年12月31日現在)
従業員数 単体:184名、連結:5,225名
(2022年12月31日現在)
決算期 12月31日
外部リンク www.modec.com ウィキデータを編集
テンプレートを表示

浮体式石油・ガス生産設備の分野では国内唯一の企業である。SBMオフショアとともに同分野で世界2強の地位を占め、特に緊張係留式プラットフォーム(TLP)の分野では世界一の実績を誇る[1]。売上げのほぼ100%が海外事業で、かつ従業員の94.1%が外国籍[2]というグローバル企業三井E&S持分法適用関連会社である[3]

事業内容 編集

浮体式海洋石油ガス生産設備(FPSO)、浮体式海洋石油・ガス貯蔵積出設備(FSO)及び緊張係留式プラットフォーム(TLP)の設計・建造・据付(EPCI)を実施。特にFPSO/FSOについてはEPCIだけでなく、リース・運用・保守点検・デジタライゼーションといったトータルサービスを提供している。

ブラジル沖プレソルト油田での超大水深・大型・長期操業FPSOや、自社で保有・操業を行うFPSOから取得した操業データを活用したデジタライゼーションが事業ポートフォリオにおける特徴である。2020年には日本企業としては初めて、同社の“FPSO Cidade de Campos dos Goytacazes MV29”が、WEFから第4次産業革命をリードする世界で最も先進的な工場「Lighthouse(灯台=指針)」に認定された[4]

沿革 編集

  • 1968年昭和43年)12月 - 三井物産と三井造船(現:三井E&S)の出資により、前身である(旧)三井海洋開発株式会社を設立。
  • 1987年昭和62年)6月 - (旧)三井海洋開発株式会社の子会社としてモデック・テクニカル・サービス株式会社設立。
  • 1988年昭和63年)12月 - モデック・テクニカル・サービス株式会社が株式会社モデックに商号変更、(旧)三井海洋開発株式会社の事業を継承する。
  • 1989年昭和64年)[元号要検証]1月 - (旧)三井海洋開発株式会社解散。
  • 1991年平成3年)3月 - 三井造船の子会社になる。
  • 1995年平成7年)5月 - ISO 9000の認証取得。
  • 2003年平成15年)1月 - 三井海洋開発株式会社に商号変更。
  • 2003年平成15年)7月 - 東証2部に株式を上場。
  • 2004年平成16年)6月 - 東証1部に指定される。
  • 2021年令和3年)11月 - 三井E&Sホールディングス(現・三井E&S)が保有していた株式の一部譲渡に伴い、三井E&Sホールディングスの連結子会社から三井E&Sホールディングスの持分法適用会社となる[5]

歴代社長 編集

氏名 在任期間 出身校
鈴木七雄
浜崎平吉
山田健司 2001年03月 - 2009年03月
矢治信弘 2009年03月 - 2011年03月 九州大学工学部[6]
宮崎俊郎 2011年03月 - 2019年03月 慶応義塾大学商学部[7]
香西勇治 2019年03月 - 2021年04月 名古屋工業大学工学部[8]
金森健 2021年04月 - 早稲田大学法学部[9]

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ TLP | 浮体式生産設備”. 三井海洋開発 MODEC. 2024年2月9日閲覧。
  2. ^ 三井海洋開発 コーポレート・ガバナンス報告書”. 2024年2月9日閲覧。
  3. ^ 三井E&S、新市場対応で子会社の三井海洋開発株を売却
  4. ^ 当社が設計・建造しブラジル沖合で操業中のFPSO、世界経済フォーラムより 第4次産業革命をリードする世界で最も先進的な工場に認定 | 2020年のニュース”. 三井海洋開発 MODEC. 2024年2月9日閲覧。
  5. ^ 子会社(三井海洋開発株式会社)の異動を伴う株式の一部売却及び業績予想の修正に関するお知らせ三井E&Sホールディングス 2021年11月25日
  6. ^ “三井海洋開発、矢治信弘氏(新社長)”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社): pp. 朝刊10. (2009年2月24日) 
  7. ^ “三井海洋開発、宮崎俊郎氏(新社長)”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社): pp. 朝刊15. (2011年3月1日) 
  8. ^ “三井海洋開発、香西勇治氏(新社長)”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社): pp. 朝刊12. (2019年2月6日) 
  9. ^ 三井海洋開発社長に金森氏”. 2021年4月2日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集