上行咽頭動脈(じょうこういんとうどうみゃく)は、頭頸部動脈の一つ。外頸動脈の枝の中でもっとも小さい動脈で、細長く、深在性の動脈である。他の枝の下にあり、茎突咽頭筋の下方を通る。

動脈: 上行咽頭動脈
英語 Ascending pharyngeal artery
ラテン語 arteria pharyngea ascendens
グレイの解剖学 書籍中の説明(英語)
栄養 咽頭頭蓋底
起始
分岐
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この動脈の支配領域の重要性が十分に評価されないこともあるが、この動脈は小さいが、多くの脳神経に栄養を供給する他、脳循環において吻合のチャンネルとなる重要な動脈である。頭頸部のいくつかの疾患に上行咽頭動脈が関わっており、このような疾患を診断し治療するために、神経放射線科医は(選択的血管造影法塞栓術の技術を理解するだけでなく)、上行咽頭動脈の領域や吻合、下部脳神経の脈管についても理解する必要があるとされる。

走行 編集

外頸動脈が総頸動脈より別れた直後に、その後方より分岐する。その後垂直に上昇し、内頸動脈咽頭側面の間を通り頭蓋骨表面へ向かい、頭長筋の上に横たわる。

後頭動脈、内頸動脈より分岐することもある。[1]

脚注 編集

  1. ^ 平沢興 原著・岡本道雄 改訂 『分担解剖学2 脈管学・神経系』改訂第11版 金原出版、1982年(改訂第11版)P.34

関連事項 編集


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