世界剣道選手権大会

剣道の世界選手権大会

世界剣道選手権大会(せかいけんどうせんしゅけんたいかい、英語でWorld Kendo Championships(ワールド・ケンド・チャンピオンシップ)(WKC))は、1970年から3年に1度開催されている剣道世界選手権大会。主催は国際剣道連盟

World Kendo Championship
世界剣道選手権大会
開始年 1970年
主催 国際剣道連盟
前回優勝 男子団体:日本の旗 日本
男子個人:日本の旗 安藤翔
女子団体:日本の旗 日本
女子個人:日本の旗 松本弥月
最多優勝 日本の旗 日本:男子団体16回優勝、男子個人全17回連続優勝、女子団体全8回連続優勝、女子個人全8回連続優勝
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概要 編集

1970年に設立された国際剣道連盟(International Kendo Federation, FIK)によって1970年以来3年に1度アジアアメリカヨーロッパの持ち回りで開催されている。第1回(1970年)の参加国は17国であったが、近年は40国前後まで増えている。

世界一を決める大会ではあるが、剣道の発展途上国も多く、特に女子の部は歴史も浅いため、実際には全日本剣道選手権大会全国警察剣道選手権大会の方がレベルは高いとされる。日本人が移民したアメリカブラジルや、日本の統治下にあった韓国台湾等、第二次世界大戦以前から剣道が普及している国と、戦後から剣道を始めた国との格差は大きい。

第12回大会(2003年)までは、日本が男女共に団体・個人の全4部門優勝を果していたが、第13回大会(2006年)の男子団体戦で日本がアメリカに準決勝で敗れ第三位に終わったため、第1回大会以来続いてきた日本男子団体の連覇は12でストップした。この第13回大会が、日本が唯一男女全4部門での優勝を逃した大会となっている。第14回大会(2009年)以降は、再び日本の男子団体が4連覇を続けている。なお、男子個人では、日本人選手が全大会17連覇を死守し続けている。日本の女子は団体・個人とも全大会8連覇を続けている。

外国人審判員のレベルの低さが指摘されることがある。国際剣道連盟は審判講習会を開き、受講を義務付けている。全日本剣道連盟から日本人講師が派遣され、審判技術が指導されている。

2015年の世界剣道大会では、韓国側の観客から判定を不服とするブーイング等の日本の剣道界ではタブーとされる行為があり[1][2]、2018年の世界剣道大会では、韓国が審判員が日本に有利な判定をしているとして、ビデオ判定システムの導入を求めている。[3][4]

次回の世界剣道選手権大会は(19WKC)、2024年にイタリアミラノで開催される。[5][6]

歴代優勝国 編集

男子団体 編集

開催年 開催国 参加チーム 優勝 準優勝 第三位
1 1970年   日本 17   日本   チャイニーズタイペイ   沖縄県
  ブラジル
2 1973年   アメリカ合衆国 17   日本   カナダ   アメリカ合衆国
  ハワイ州
3 1976年   イギリス 20   日本   カナダ   アメリカ合衆国
  チャイニーズタイペイ
4 1979年   日本 21   日本   韓国   アメリカ合衆国
  ハワイ州
5 1982年   ブラジル 20   日本   ブラジル   アメリカ合衆国
  韓国
6 1985年   フランス 25   日本   ブラジル   カナダ
  韓国
7 1988年   韓国 23   日本   韓国   ブラジル
  カナダ
8 1991年   カナダ 29   日本   韓国   チャイニーズタイペイ
  カナダ
9 1994年   フランス 32   日本   韓国   チャイニーズタイペイ
  カナダ
10 1997年   日本 34   日本   韓国   ブラジル
  チャイニーズタイペイ
11 2000年   アメリカ合衆国 36   日本   韓国   ブラジル
  カナダ
12 2003年   イギリス 42   日本   韓国   アメリカ合衆国
  イタリア
13 2006年   チャイニーズタイペイ 39   韓国   アメリカ合衆国   日本
  チャイニーズタイペイ
14 2009年   ブラジル 35   日本   アメリカ合衆国   ブラジル
  韓国
15 2012年   イタリア 47   日本   韓国   アメリカ合衆国
  ハンガリー
16 2015年   日本 52   日本   韓国   アメリカ合衆国
  ハンガリー
17 2018年   韓国 56   日本   韓国   アメリカ合衆国
  チャイニーズタイペイ

男子個人 編集

開催年 開催国 参加人数 優勝者 年齢 段位 職業
1 1970年   日本   小林三留 七段 大阪府警察官
2 1973年   アメリカ合衆国   桜木哲史 五段 佐賀県教員
3 1976年   イギリス   横尾英治 五段 和歌山県教員
4 1979年   日本   山田博徳 七段 熊本県警察官
5 1982年   ブラジル   蒔田実 六段 日本運送社員
6 1985年   フランス   香田郡秀 六段 筑波大学職員
7 1988年   韓国   大城戸功 六段 愛媛県警察官
8 1991年   カナダ   武藤士津夫 六段 福島県警察官
9 1994年   フランス   高橋英明 錬士六段 京都府警察官
10 1997年   日本 160   宮崎正裕 34 教士七段 神奈川県警察官
11 2000年   アメリカ合衆国 196   栄花直輝 32 錬士六段 北海道警察官
12 2003年   イギリス 220   佐藤博光 31 五段 大阪府警察官
13 2006年   チャイニーズタイペイ 166   北条将臣 32 六段 神奈川県警察官
14 2009年   ブラジル 149   寺本将司 34 錬士六段 大阪府警察官
15 2012年   イタリア 190   高鍋進 35 錬士六段 神奈川県警察官
16 2015年   日本 211   網代忠勝 34 錬士六段 兵庫県警察官
17 2018年   韓国 205   安藤翔 28 五段 北海道警察官

女子団体 編集

開催年 開催国 参加チーム 優勝 準優勝 第三位
10 1997年   日本   日本B   日本A   アメリカ合衆国B
  韓国A
11 2000年   アメリカ合衆国   日本   ブラジル   アメリカ合衆国
  カナダ
12 2003年   イギリス   日本   韓国   チャイニーズタイペイ
  カナダ
13 2006年   チャイニーズタイペイ 21   日本   韓国   カナダ
  ドイツ
14 2009年   ブラジル 19   日本   韓国   アメリカ合衆国
  ブラジル
15 2012年   イタリア 30   日本   韓国   ブラジル
  ドイツ
16 2015年   日本 34   日本   韓国   アメリカ合衆国
  ブラジル
17 2018年   韓国 38   日本   韓国   カナダ
  オーストラリア

女子個人 編集

開催年 開催国 参加人数 優勝者 年齢 段位 職業
10 1997年   日本 112   木村美姫 奈良県教員
11 2000年   アメリカ合衆国 92   河野朋子 福岡県教員
12 2003年   イギリス 124   馬場恵子 24 四段 大阪府警察官
13 2006年   チャイニーズタイペイ 94   杉本早恵子 京都府教員
14 2009年   ブラジル 104   鷹見由紀子 23 四段 清和大学職員
15 2012年   イタリア 132   佐久間陽子 26 四段 山形県教員
16 2015年   日本 154   松本弥月 23 四段 神奈川県警察官
17 2018年   韓国 171   松本弥月 26 四段 神奈川県警察官

脚注 編集

  1. ^ 「礼」無視、「喧嘩」むき出し「韓国剣道」の異様…世界選手権まで1カ月弱、日本は「真の勇気」を示せ
  2. ^ 世界剣道選手権での韓国の審判批判はまったくの的外れ
  3. ^ ハンギョレ新聞 2018-09-18[記者手帳]剣道の判定めぐる被害意識、韓日いずれにとってもマイナス [1]
  4. ^ 中央日報日本語版 2018年09月18日08時43分 【取材日記】日本のための剣道ではない [2]
  5. ^ 第19回世界剣道選手権大会(19WKC)開催国イタリアに決定 | FIK”. International Kendo Federation (FIK). 2022年11月21日閲覧。
  6. ^ cik (2022年6月30日). “All'Italia l'organizzazione dei Campionati del Mondo di Kendo del 2024” (イタリア語). CIK - Confederazione Italiana Kendo. 2022年11月21日閲覧。

関連項目 編集