中之島駅

日本の大阪府大阪市北区にある京阪電気鉄道の駅

中之島駅(なかのしまえき)は、大阪府大阪市北区中之島五丁目にある、京阪電気鉄道中之島線。駅番号はKH54大阪国際会議場の副駅名を持つ。

中之島駅
1番出口(2020年3月)
なかのしま
Nakanoshima
大阪国際会議場 Osaka International Convention Center
(0.9 km) 渡辺橋 KH53
地図
所在地 大阪市北区中之島5丁目3-50
北緯34度41分27.29秒 東経135度29分12.7秒 / 北緯34.6909139度 東経135.486861度 / 34.6909139; 135.486861座標: 北緯34度41分27.29秒 東経135度29分12.7秒 / 北緯34.6909139度 東経135.486861度 / 34.6909139; 135.486861
駅番号 KH  54
所属事業者 京阪電気鉄道
中之島高速鉄道
所属路線 中之島線
電報略号 之(駅名略称方式)
駅構造 地下駅
ホーム 1面3線
乗降人員
-統計年度-
9,560人/日
-2019年-
開業年月日 2008年平成20年)10月19日
乗換 福島駅*(阪神本線
新福島駅*(JR東西線
* 正式な乗換駅ではないが、駅出口において互いに乗換が案内されている
テンプレートを表示

中之島駅
配線図

渡辺橋駅

STRg STRf
KRWgl+l KRWgr+r
STR ABZg2 STRc3
KRWgl
STR+4
STR PSTR(L) STR
STR
STR
STR PSTR(L) STR
STR PENDEe(L) STR
PSTR(L) PLT PSTR(R)
PLT
PSTR(L) PLT PSTR(R)
PENDEe(L) PLT PENDEe(R)

当駅は中之島線の起点であり、京阪の路線では最も西に位置する駅である。淀屋橋駅と並ぶ大阪の終端駅であることから、2017年に淀屋橋駅に対して京都府内の主要駅の発車標などで「大阪 淀屋橋」表記を再開したのと同時に、当駅に関しても「大阪 中之島」と表記されるようになった。

歴史

 
中之島駅ホーム酒場(2018年)

建設当初の仮称は「玉江橋駅」だったが、2006年11月に現駅名が発表された[1]

当駅は将来、2031年度(令和13年度)春開業予定のなにわ筋線との乗り換え駅になる予定である。また、中之島線は西九条を経て新桜島へ延伸する計画もあるが、着工および開通などの時期については未定となっている[2]

年表

駅構造

地下1階にコンコース、地下2階島式ホーム1面3線を有する地下駅。北側の1番のりば側を切り欠いて3番のりばがある階段状のホームである。これは京阪本線淀屋橋駅と似た構造だが、同駅の1面4線と異なり、当駅が3線なのは、駅手前で線形がカーブしている関係で、安全上十分なホーム幅が確保できないためである。そのため、3番のりばの2番のりば側には壁が設けられている[5]

ホームの終端部には、中之島線で最後のトンネル貫通区間であるなにわ橋駅大江橋駅間で実際に使用したシールドマシンのカッター部分の一部がモニュメントとして保存されている。また、3番線ホームの終端部の裏には「坂陽日々新(はんようにちにちあらたなり)」の石碑が飾られている[2]

ホーム側壁の素材は、日本の地下駅で初めて木材を利用している。また、地下1階コンコース大阪府立国際会議場寄りも木材を利用した壁面・天井となっており、同線全体の象徴である「木」をイメージさせるデザインとなっている[2]

改札口付近の壁面はガラスで構成されているが、これは中之島線全体の象徴である「水」をイメージしたデザインである。また、改札外のコンコースには、同線の着工から開業までの歩みを掲載した銘板「中之島線竣功之記」が設置されている[2]

のりば

番線 路線 行先
1・2 中之島線 京橋三条出町柳方面[6]
3 予備ホーム

特記事項

  • のりばの運用と発着種別
    • 定期ダイヤにおいては、早朝など一部を除き、種別に関係なく1番線と2番線を交互に発着している。なお、2013年3月のダイヤ改正以降、3番線は臨時列車と試運転を除き使用されていない。それまでは未使用時間帯は閉鎖されていた。
    • 1番線において夜間滞泊が設定されている。開業以来長らく5000系が使用され下り普通が当駅に23時51分に到着後翌日が平日であれば座席昇降をし3扉から5扉へ転換する作業を間近で見ることができた[7]が、2018年9月のダイヤ改定で5000系の運用削減に伴い一般車7両に置き換えられた。夜間滞泊をした車両は中之島線の上り初発列車に充てられる。
    • 発着する列車の種別は、定期ダイヤにおいて特急や急行は原則として当駅に入線しないが、行楽シーズンや京都競馬場での重賞競走開催日に運転される臨時列車として特急・急行が発着することがあり、主に3番線に発着する。また、正月ダイヤでは昼間時間帯に普通・三条ゆきが5本発着している。京阪中之島線#運行形態も参照。
    • 快速急行の折り返しの際、乗降を分離するドア扱い(淀屋橋駅出町柳駅と同様の手順)がなされている。※詳細は、淀屋橋駅#特徴的な乗客向け案内を参照。
  • 発車メロディ
    • 京阪線[8]主要駅での取り組みとして、当駅にも向谷実作曲の発車メロディを導入している[9]
    • 臨時特急発車時には通常使用しない専用メロディを使用する[10]。中之島始発の臨時特急が運転された日には専用のメロディが使用された。

駅設備

列車運行管理システム「ADEC」(自律分散式運行管理システム)の19駅ある各信号取り扱い駅の一つとなっている。駅制御装置が設置され、これにより信号機やポイントなど運転業務に関わる制御のほか、案内放送や行先表示など旅客案内設備を包括し自動化されている[11]

地下1階には中之島変電所が設置されており、関西電力より受電した交流22kVを4000kWの直流変成器2基で直流1500Vに変換して電車線に送電するほか、6000kVA付帯変圧器2基で交流6600Vに降圧して駅施設や信号設備の電源としても使用されている。また、停電対策として変電所内に出力1200kVAのガスタービン発電機が設置されている[12]。2017年5月1日より電車線に送電する電気の購入先を関西電力から新電力のエネットに変更[13]。さらに、環境対策(熱交換後の排熱対策・省エネルギー)として堂島川から汲み上げた水を熱交換し空調に使用しており、熱交換後の水は川に戻されている[2]

利用状況

2019年(令和元年)度の特定日における1日乗降人員9,560人(乗車人員:4,711人、降車人員:4,849人)である。

駅開業後の特定日における乗降・乗車人員は下表の通り。

年度 特定日 1日平均
乗車人員[14]
出典
調査日 乗降人員 乗車人員
2008年 11月11日 8,004 3,794 3,875 [15]
2009年 11月10日 9,035 4,513 3,813 [16]
2010年 11月09日 11,535 5,715 4,613 [17]
2011年 11月01日 13,929 6,548 5,775 [18]
2012年 10月31日 11,018 5,343 6,661 [19]
2013年 11月12日 8,193 3,954 5,526 [20]
2014年 11月11日 11,816 5,832 4,164 [21]
2015年 11月10日 8,871 4,314 6,059 [22]
2016年 11月08日 9,926 4,799 4,549 [23]
2017年 11月07日 9,813 4,798 5,270 [24]
2018年 11月06日 9,838 4,821 5,040 [25]
2019年 11月12日 9,560 4,711 [26]

駅周辺

 
中之島駅入口。背後はリーガロイヤルホテルと大阪府立国際会議場(2008年10月)

当駅付近に所在する鉄道駅

距離は公道(地下道を含む)を利用した場合の地図上のもの。括弧内には各駅の最短出入口間の徒歩距離(同様に地図上)を付記する。

上記の各駅への乗り換えは、6番出入口を出て堂島川に架かる玉江橋を渡り、浄正橋跡を過ぎて国道2号以北までなにわ筋を北上する。多少の距離があるが、京阪側ではこれらの駅と中之島駅との位置関係および乗換について更なる広報を行うとしている[2]。但し、海老江駅以西と野江駅以東を行き来する場合は、京橋駅で乗り換える方が運賃が安くなる場合が多い。

主な施設

北区 中之島四丁目
北区 中之島五丁目(中之島駅直近)
北区 中之島六丁目
北区 大淀南二丁目
北区 大淀南三丁目
福島区 福島一丁目
福島区 福島二丁目
福島区 福島三丁目
  • 大阪上福島郵便局
福島区 福島四丁目・玉川一丁目
福島区 福島五丁目
福島区 野田一丁目・野田二丁目
西区 江戸堀
西区 土佐堀

地理・名所旧跡

バス路線

大阪シティバス
北港観光バス
  • リーガロイヤルホテル前停留所、国際会議場前停留所
    • 中之島ループバス「ふらら」 渡辺橋→淀屋橋→市立科学館・国際美術館前 ※循環

隣の駅

京阪電気鉄道
中之島線(中之島 - 京橋間は種別を問わず各駅に停車)
通勤快急(平日下りのみ運転)・快速急行(平日上りのみ運転)・通勤準急(平日下りのみ運転)・準急(休日は下りのみ運転)・区間急行(休日は下りのみ運転)・普通
中之島駅 (KH54) - 渡辺橋駅 (KH53)
  • 括弧内は副駅名と駅番号を示す。

なにわ筋線

 
ここからなにわ筋線の駅に向かって通路ができる予定

2017年5月23日に大阪府・大阪市・西日本旅客鉄道(JR西日本)・南海電気鉄道(南海)・阪急電鉄(阪急)の5者共同リリース[28]により明らかにされたなにわ筋線の建設計画では、途中に中之島駅(仮称)を設ける計画が明らかにされている。

大阪市が2019年3月に示した都市計画素案説明会の資料[29]によれば、なにわ筋線は堂島川土佐堀川の護岸基礎の下を横断するため地下30-40mの深さを通過する計画で、駅は地下4階と5階に単式ホーム1面1線を上下に並べた構造が想定されている。第三セクターの関西高速鉄道が事業主体となり、JR西日本と南海が第三種鉄道事業者として運行を行うことが予定されている。

なお、京阪中之島駅構内ではなにわ筋線との接続駅とする前提で既に連絡通路の建設が行われている[30]

脚注

  1. ^ a b 中之島に乗り入れる鉄道新線の路線名・駅名を決定しました(報道発表資料) - 京阪電気鉄道(2006年11月13日付、2011年12月20日閲覧)
  2. ^ a b c d e f 鉄道ピクトリアル P.100 - 107 「中之島線の展開と経過」
  3. ^ 京阪中之島線沿線に約640台分の駐輪場 - 不法駐輪減少目指す - 梅田経済新聞(2009年3月2日付、2011年12月20日閲覧)
  4. ^ 京阪電車「中之島駅ホーム酒場」を開催します (PDF) - 京阪電気鉄道プレスリリース、2016年5月24日、同年6月23日閲覧。
  5. ^ 今秋開通 京阪中之島線の建設現場を歩く Archived 2008年8月3日, at the Wayback Machine. - asahi.com (朝日新聞、2008年7月18日付)
  6. ^ 中之島駅|駅構内図”. 京阪電気鉄道. 2022年9月20日閲覧。
  7. ^ 2019年7月現在、淀屋橋駅でも同様のことが行われるが、こちらは滞泊列車が最終列車で到着後すぐに駅の営業が終了するため転換作業は見られない。
  8. ^ ここでは広義(京阪本線、鴨東線、宇治線、交野線および中之島線)を指す。
  9. ^ 京阪線18駅で発車メロディーを流しています。(京阪電鉄ファンコーナー) - 京阪電気鉄道(2011年12月20日閲覧)
  10. ^ 京阪電車 発車メロディ COLLECTIONにも収録。
  11. ^ 鉄道ピクトリアル P.76 - 78 「列車運行管理システム」
  12. ^ 鉄道ピクトリアル P.70 - 71 「電力設備の概要」
  13. ^ “京阪電鉄、関電から新電力に切り替え 関西の大手私鉄で初”. 産経新聞. (2017年5月10日). オリジナルの2018年10月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20181002064405/http://www.sankei.com/smp/west/news/170510/wst1705100072-s1.html 2017年5月11日閲覧。 
  14. ^ 大阪市統計書
  15. ^ 大阪府統計年鑑(平成21年) (PDF)
  16. ^ 大阪府統計年鑑(平成22年) (PDF)
  17. ^ 大阪府統計年鑑(平成23年) (PDF)
  18. ^ 大阪府統計年鑑(平成24年) (PDF)
  19. ^ 大阪府統計年鑑(平成25年) (PDF)
  20. ^ 大阪府統計年鑑(平成26年) (PDF)
  21. ^ 大阪府統計年鑑(平成27年) (PDF)
  22. ^ 大阪府統計年鑑(平成28年) (PDF)
  23. ^ 大阪府統計年鑑(平成29年) (PDF)
  24. ^ 大阪府統計年鑑(平成30年) (PDF)
  25. ^ 大阪府統計年鑑(令和元年) (PDF)
  26. ^ 大阪府統計年鑑(令和2年) (PDF)
  27. ^ a b c 京阪電気鉄道発行のパンフレット(2008年7月2日付)による。
  28. ^ なにわ筋線の整備に向けて』(プレスリリース)大阪府・大阪市・西日本旅客鉄道・南海電気鉄道・阪急電鉄、2017年5月23日https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/05/page_10496.html2017年6月12日閲覧 
  29. ^ なにわ筋線事業計画に係る都市計画素案説明会(2019年3月) (PDF) - 大阪市都市計画局計画部交通政策課、2019年9月1日閲覧。
  30. ^ “【ビジネスの裏側】「なにわ筋線」で交錯する野望と悲願 阪急、JR西、南海に京阪も〝争奪戦〟”. 産経新聞. (2017年6月6日). https://www.sankei.com/article/20170606-LJEKLRYWZFJ23G2ELTOI7PP5UE/ 2017年6月12日閲覧。 

参考文献

関連項目

外部リンク