中国サッカーリーグ

日本の男子サッカーリーグ

中国サッカーリーグ(ちゅうごくサッカーリーグ)は、日本中国地方の5県(鳥取県島根県岡山県広島県山口県)に所在する第1種登録のクラブチームが参加するサッカーリーグである。

中国サッカーリーグ
加盟国 日本の旗 日本中国地方
大陸連盟 アジアサッカー連盟
開始年 1973年
参加クラブ 10
リーグレベル 第5部
上位リーグ 日本フットボールリーグ(JFL)
下位リーグ 県リーグ
国内大会 天皇杯 JFA 全日本サッカー選手権大会
最新優勝クラブ 福山シティFC (2023年)
最多優勝クラブ マツダSC (9回)
公式サイト 公式サイト
2024年の地域リーグ (サッカー)#中国
中国地方のサッカーリーグ
第1種 社会人 中国サッカーリーグ
大学生 中国大学サッカーリーグ
第2種(高校生) 高円宮杯U-18プリンスリーグ中国
第3種(中学生) 高円宮杯U-15プログレスリーグ
第4種(小学生) なし
女子 中国女子サッカーリーグ

日本全国に9つある地域リーグのひとつ。日本フットボールリーグ(JFL)をJリーグから見て4部とみなした場合には事実上5部(アマチュア2部)相当のリーグとなる。

概要・歴史 編集

1973年、マツダオート広島・広島教員・三井造船・三菱石油・三井石油・日立笠戸の6クラブによる中国地方の地域リーグとして発足した。当初のレギュレーションは、2回戦ホームアンドアウェーの総当たり戦、勝点は勝者には2点・引き分けの場合には1点・敗者には0点を加算し、勝点の多い順に順位を決定した。

翌1974年から8クラブに増加、1975年に親会社の石油流出事故により三井石油が登録辞退し7クラブ編成となるものの、その後は基本は8クラブ編成のリーグ戦となった。1991年、勝者の勝点を「3」に変更。

1997年からPK戦を用いた引分の無い「完全決着」方式を採用。90分で決着した場合は勝者に3点・敗者に0点の勝点が加算、90分で決着しなかった場合は試合終了後にPK戦を行い、そこで勝ったクラブに勝点2・負けても勝点1が加算された。

2007年からホーム・アンド・アウェーによる2回戦総当たりのリーグ戦(各クラブ18試合)を行い、この時点での順位を決定する(勝点が同一の場合は得失点差→総得点数→当該クラブ同士の対戦成績で順位を決定)。その結果に基づいて「上位(1位-4位)」「下位(5位-8位)」の4クラブずつで「順位決定リーグ」総当たり1回戦(各クラブ3試合)を行い、計21試合での勝点により最終順位が決定する。なお、9位・10位クラブは18試合で終了となるほか、最終的に勝点が逆転しても順位決定リーグの上位クラブが5位以下となる(あるいは下位クラブが4位以上になる)ことはない。この順位決定方式は「プリンスリーグU-18中国」でも同様となっていた。

2009年から順位決定リーグを取りやめ、ホームアンドアウェーの2回戦総当たりリーグ戦のみとなった(ただし試合開催にあたっては一部の節で集中開催方式を併用する混合方式で開催される)。

2020年、新型コロナウイルスの影響によりリーグ全試合が中止、代替大会としてCSL Championship2020(C-1カップ)の開催が決定した。詳細は2020年の地域リーグ (サッカー)#中国を参照。

レギュレーション 編集

試合時間、勝点等その他のレギュレーションは、2007年までは完全決着方式を採用していたが、2008年以降は前後半45分ずつ・延長なし引き分けありの勝点制度を採用する。

優勝チームに(年によっては準優勝チームにも)全国地域サッカーチャンピオンズリーグ出場権が与えられる。9位は中国地域県リーグ決勝大会準優勝チームとの入替戦を行う。10位は県リーグへ自動降格となる。

参加クラブ(2024年) 編集

10クラブ編成。クラブ名の並びは前年の順位上位からの順。

クラブ名 加盟協会 備考
1 福山シティFC 広島県
2 SRC広島 広島県
3 FCバレイン下関 山口県
4 ベルガロッソいわみ 島根県
5 三菱自動車水島FC 岡山県
6 Yonago Genki SC 鳥取県
7 環太平洋大学FC 岡山県
8 廿日市FC 広島県
9 NTN岡山 岡山県 入れ替え戦勝利により残留
10 バンメル鳥取 鳥取県 昇格(中国地域県リーグ決勝大会1位)

過去に参加していたクラブ 編集

鳥取県
島根県
岡山県
広島県
(サンフレッチェ広島F.Cの育成組織#特記参照)
山口県

昇降格 編集

上位カテゴリ昇格へ 編集

基本的に優勝クラブが上位カテゴリ昇格をかけて全国大会(全国社会人サッカー選手権大会 (1973年-)、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ (旧・全国地域サッカーリーグ決勝大会、1977年-))に出場。大会参加クラブは下記記載、ここでは昇格を果たしたクラブのみ列挙する。

  • JSL2部 (1973年 - 1991年)
    • 1985年:川崎製鉄水島
    • 1986年:マツダオート広島 (1987年に降格)
    • 1988年:マツダオート広島 (1989年に降格)
  • 旧JFL (1992年 - 1998年)
    • なし
  • JFL (1999年 - 現在)
    • 2000年:SC鳥取
    • 2004年:三菱自動車水島FC (2009年に脱退)
    • 2007年:ファジアーノ岡山
    • 2013年:ファジアーノ岡山ネクスト (2016年に活動終了)、レノファ山口FC
    • 2018年:松江シティFC (2022年からFC神楽しまね、2023年3月に解散)

県リーグからの昇格 編集

  • 各県1部リーグの1位と3県の2位(年によって変動)が中国地域県リーグ決勝大会(トーナメント制)に進出。優勝チームが中国リーグに自動昇格、準優勝チームが中国リーグ9位と入替戦を行う。
  • JFLへの昇格および降格に伴いリーグ編成が変化した場合、あるいはリーグ編成を増加する場合、昇格枠が変化する。

歴代成績 編集

着色部は全国大会出場クラブ、太字は上位カテゴリに昇格したクラブ。

第1回-第15回 編集

年度 編成 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 備考
1 1973 6 マツダオート広島 広島教員 三井造船 三菱石油水島 三井石油 日立笠戸 - 6クラブ編成で発足 1
2 1974 8 広島フジタSC 三井造船 広島教員 マツダオート広島 三菱石油水島 日本製鋼呉 日立笠戸 三井石油 8クラブ編成に変更 2
3 1975 7 広島フジタSC 三井造船 広島教員 日本製鋼呉 日立笠戸 マツダオート広島 益田クラブ - 三井石油が登録辞退 3
4 1976 8 広島フジタSC 三井造船 三菱石油水島 マツダオート広島 益田クラブ 広島教員 日本製鋼呉 日立笠戸 4
5 1977 8 三井造船 マツダオート広島 三菱石油水島 広島フジタSC 益田クラブ 田辺製薬 日本製鋼呉 広島教員 5
6 1978 8 マツダオート広島 三井造船 田辺製薬 三菱石油水島 川崎製鉄水島 日立笠戸 広島フジタSC 益田クラブ 6
7 1979 8 マツダオート広島 三菱石油水島 川崎製鉄水島 三井造船 田辺製薬 三菱自動車水島FC 日立笠戸 松江友の会 7
8 1980 8 川崎製鉄水島 益田クラブ 田辺製薬 三井造船 マツダオート広島 山口教員 三菱自動車水島FC 三菱石油水島 8
9 1981 8 川崎製鉄水島 三菱石油水島 マツダオート広島 益田クラブ 三井造船 田辺製薬 山口教員 三菱自動車水島FC 8
10 1982 8 川崎製鉄水島 山口教員 三菱石油水島 マツダオート広島 田辺製薬 日立笠戸 益田クラブ 三井造船 10
11 1983 8 マツダオート広島 山口教員 川崎製鉄水島 田辺製薬 三菱石油水島 三井造船 日立笠戸 益田クラブ 11
12 1984 8 川崎製鉄水島 マツダオート広島 三菱石油水島 山口教員 田辺製薬 三井造船 マツダSC 益田クラブ 12
13 1985 8 川崎製鉄水島 広島教員 マツダSC マツダオート広島 山口教員 田辺製薬 三井造船 三菱石油水島 13
14 1986 8 マツダオート広島 広島教員 山口教員 マツダSC 三菱石油水島 米子FC 三井造船 田辺製薬 14
15 1987 7 マツダSC 広島教員 山口教員 米子FC 三菱石油水島 鳥取教員 田辺製薬 - 15

第16回-第30回 編集

年度 編成 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 備考
16 1988 9 マツダオート広島 マツダSC 山口教員 広島フジタSC 広島教員 米子FC 鳥取教員 三菱石油水島 広島市役所 マツダオートが降格に伴い登録 16
17 1989 7 マツダSC 山口教員 広島フジタSC 岡山教員 広島教員 三菱石油水島 米子FC - 17
18 1990 9 マツダSC マツダオート広島 三菱自動車水島FC 山口教員 広島教員 広島フジタSC 岡山教員 三菱石油水島 米子FC マツダオートが降格に伴い登録 18
19 1991 8 マツダSC NTN岡山 三菱自動車水島FC 山口教員 アンフィニ広島 広島教員 広島フジタSC SC鳥取 - 勝点「3」導入 19
20 1992 8 三菱自動車水島FC アンフィニ広島 マツダSC 広島フジタSC SC鳥取 山口教員 広島教員 NTN岡山 - 20
21 1993 8 マツダSC 三菱自動車水島FC 山口教員 広島フジタSC アンフィニ広島 NTN岡山 SC鳥取 益田クラブ - 21
22 1994 8 マツダSC 三菱自動車水島FC NTN岡山 アンフィニ広島 広島フジタSC 山口教員 SC鳥取 益田クラブ - 22
23 1995 8 広島フジタSC 三菱自動車水島FC マツダSC ヤマコーFC 三菱石油水島 アンフィニ広島 NTN岡山 山口教員 - 23
24 1996 8 マツダSC 広島フジタSC 三菱自動車水島FC 広島教員 三菱石油水島 山口教員 アンフィニ広島 ヤマコーFC - 24
25 1997 8 マツダSC 三菱石油水島 広島フジタSC 三菱自動車水島FC ヤマコーFC 広島教員 NKK福山 山口教員 - 完全決着制導入 25
26 1998 8 マツダSC 広島フジタSC 三菱自動車水島FC 広島教員 三菱石油水島 NKK福山 ヤマコーFC SC鳥取 - 前期のみ広島Y参加 26
27 1999 8 三菱自動車水島FC 広島フジタSC マツダSC 広島教員 日石三菱水島 SC鳥取 NKK福山 ヤマコーFC - 27
28 2000 8 SC鳥取 三菱自動車水島FC 広島教員 広島フジタSC 山口教員 日新製鋼呉 マツダSC 日石三菱水島 - 28
29 2001 7 広島FC 三菱自動車水島FC 広島フジタSC 広島教員 マツダSC 日新製鋼呉 山口教員 - 29
30 2002 8 三菱自動車水島FC 広島フジタSC 広島FC 山口教員 石見FC マツダSC 広島教員 日新製鋼呉 - 30

第31回-第45回 編集

年度 編成 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 備考
31 2003 8 三菱自動車水島FC 鳥取KFC 石見FC 広島フジタSC JFE西日本 広島FC マツダSC 山口教員 - 31
32 2004 8 三菱自動車水島FC 広島フジタSC 佐川急便中国 日立笠戸 石見FC JFE西日本 鳥取KFC 広島FC - 32
33 2005 7 佐川急便中国 ファジアーノ岡山 広島フジタSC 日立笠戸 石見FC JFE西日本 山口教員 - 33
34 2006 8 ファジアーノ岡山 セントラル中国 佐川急便中国 レノファ山口FC 広島フジタSC JFE西日本 日立笠戸 石見FC - 34
35 2007 8 ファジアーノ岡山 セントラル中国 レノファ山口FC 佐川急便中国 広島フジタSC マツダSC JFE西日本 日立笠戸 - 完全決着制廃止、上下位制導入 35
36 2008 9 レノファ山口FC 佐川急便中国 NTN岡山 宇部ヤーマン デッツォーラ島根E.C 日立笠戸 マツダSC JFE西日本 広島フジタSC - 10クラブ編成に変更 36
37 2009 10 佐川急便中国[1] レノファ山口FC NTN岡山 宇部ヤーマン 新日石水島 デッツォーラ島根E.C 日立笠戸 JFE西日本 マツダSC 元気SC 上下位制廃止 37
38 2010 10 レノファ山口FC デッツォーラ島根E.C ヴォラドール松江 ネクスファジ NTN岡山 佐川急便中国 新日石水島 宇部ヤーマン 日立笠戸 JFE西日本 38
39 2011 10 デッツォーラ島根E.C レノファ山口FC ネクスファジ 三菱自動車水島FC 富士ゼロックス広島 NTN岡山 松江シティFC JXエネルギー水島 佐川急便中国 宇部ヤーマン 39
40 2012 10 デッツォーラ島根E.C ネクスファジ[2] 松江シティFC レノファ山口FC 三菱自動車水島FC 富士ゼロックス広島 JXエネルギー水島 NTN岡山 日立笠戸 SC鳥取ドリームス 40
41 2013 10 ネクスファジ デッツォーラ島根E.C レノファ山口FC[3][4] 松江シティFC NTN岡山 富士ゼロックス広島 三菱自動車水島FC 佐川急便中国 SRC広島 JXエネルギー水島 41
42 2014 10 松江シティFC デッツォーラ島根E.C 三菱自動車水島FC SRC広島 JXエネルギー水島 富士ゼロックス広島 NTN岡山 佐川急便中国 宇部ヤーマン 日立笠戸 42
43 2015 10 松江シティFC デッツォーラ島根E.C 三菱自動車水島FC SRC広島 環太平洋大学FC NTN岡山 富士ゼロックス広島 JXエネルギー水島 佐川急便中国 SC松江 43
44 2016 10 SRC広島 松江シティFC 三菱自動車水島FC[5] 環太平洋大学FC JXエネルギー水島 デッツォーラ島根E.C 廿日市FC NTN岡山 富士ゼロックス広島 SC鳥取ドリームス 44
45 2017 10 三菱自動車水島FC 松江シティFC[6] SRC広島 デッツォーラ島根E.C 廿日市FC NTN岡山 環太平洋大学FC JXTGエネルギー水島 パナソニック岡山 Yonago Genki SC 45

第46回- 編集

年度 編成 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 備考
46 2018 10 松江シティFC 三菱自動車水島FC SRC広島 環太平洋大学FC JXTGエネルギー水島 原田鋼業 富士ゼロックス広島 廿日市FC NTN岡山 デッツォーラ島根E.C 46
47 2019 10 SRC広島 三菱自動車水島FC 環太平洋大学FC FCバレイン下関 JXTGエネルギー水島 富士ゼロックス広島 NTN岡山 浜田FCコスモス 原田鋼業 廿日市FC 47
(48)[7] 2020 7 SRC広島 FCバレイン下関 三菱自動車水島FC 富士ゼロックス広島 ベルガロッソ浜田 環太平洋大学FC JXTGエネルギー水島 - リーグ戦中止、C-1カップで順位決定 (48)
49 2021 9 三菱自動車水島FC FCバレイン下関 環太平洋大学FC ベルガロッソ浜田 NTN岡山 SRC広島 Yonago Genki SC 富士フイルムBIJ広島SC ENEOS水島 - 49
50 2022 10 福山シティFC FCバレイン下関 ベルガロッソ浜田 SRC広島 三菱自動車水島FC 環太平洋大学FC NTN岡山 Yonago Genki SC 富士フイルムBIJ広島SC SC松江 50
51 2023 10 福山シティFC SRC広島 FCバレイン下関 ベルガロッソいわみ 三菱自動車水島FC Yonago Genki SC 環太平洋大学FC 廿日市FC NTN岡山 ヴァジュラ岡山 51

脚注 編集

  1. ^ 全国地域リーグ決勝大会出場辞退
  2. ^ 第48回全国社会人サッカー選手権大会で3位入賞した事により、第36回全国地域サッカーリーグ決勝大会出場権獲得。
  3. ^ 第49回全国社会人サッカー選手権大会で優勝した事により、第37回全国地域サッカーリーグ決勝大会出場権獲得。
  4. ^ JFL入会希望申請チーム枠で昇格
  5. ^ 第52回全国社会人サッカー選手権大会で優勝した事により、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2016出場権獲得。
  6. ^ 第53回全国社会人サッカー選手権大会で準優勝した事により、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2017出場権獲得。
  7. ^ CSL Championship2020の順位。3 - 4位は予選リーグの勝点、5 - 7位は予選リーグの勝点・得失点差で決定。NTN岡山・デッツォーラ島根E.C・Yonago Genki SCは参加辞退。また、デッツォーラ島根E.Cはこの年限りでリーグ離脱およびトップチーム解散。

関連項目 編集

外部リンク 編集