国立中興大学

台湾の国立大学
中興大学から転送)

国立中興大学(こくりつちゅうこうだいがく、英語: National Chung Hsing University、公用語表記: 國立中興大學)は、台中市南区興大路145号に本部を置く中華民国国立大学1919年創立、1971年大学設置。大学の略称興大、NCHU。

国立中興大学
校門
大学設置 1971年
創立 1919年
学校種別 国立
設置者 教育部
本部所在地 台中市南区興大路145号
学生数 12,838
キャンパス 中華民国の旗 台湾 本部キャンパス(台中市)
南投キャンパス(南投県南投市
ウェブサイト https://www.nchu.edu.tw/
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概要 編集

日本統治時代1919年に設置された台湾総督府農林専門学校を起源とする。1928年台北帝国大学に統合されたが、1942年に再独立、第二次世界大戦後に大学となり現在に至っている。

12学部を有する総合大学であり、農学農業経済学獣医学生命科学、トランスレーショナルメディシン、生体医工学生物工学、グリーンテクノロジーなど、農業・環境・生命系に強みを持つ。2022年には台湾の2050ゼロ排出目標(2050淨零排放路徑)と中興新村の大学都市計画に基づき、南投キャンパスにはアジア初の循環経済研究院を設立し、新しい農業技術、スマートテクノロジー、半導体技術の研究を行っている。また、台中市政府との連携により、デジタルカルチャーの促進とスマートシティの開発を通じて地域社会の発展を図っている。

2つの附属高等学校(中興大学附属農業高等学校と中興大学附属高等学校)を擁している。

学風および特色 編集

中興大学はその長い歴史を通じて、台湾の様々な業界に多くの卒業生を送り出している。特に政府部門や技術官僚の分野に多く[1]行政院の各部会においても、中興大学出身の首長が多く見られる[2]。学風は穩健かつ進取的で、台湾中部に位置することから、台湾の幅広い地域からの学生集まっている。

キャンパス 編集

  • 本部キャンパス:キャンパスは本部キャンパス(台中市南区)のみ。53エーカーのキャンパスには、文学院、理学院、工学院、農学院、生命科学院、獣医学院、社会科学管理学院、進修部の校舎が設置されている。
  • 南投キャンパス:循環経済研究学院、データと人工知能専門学院、材料専門学院、法律専門学院、環境と気候変動専門学院、イノベーション産業国際学院が設置されている。

沿革 編集

台北帝国大学との関連 編集

台湾総督府農林専門学校として創立した当初のキャンパスは、現在の国立台湾大学公館総キャンパス内に位置していた。1928年に台北帝国大学が設立されると、台湾総督府農林専門学校はその附属農林専門部となったが、1942年に台中で再独立した。現在の台湾大学と中興大学は、台湾内に2校しかない台北帝国大学を前身とする大学である。

北海道大学との関連 編集

中興大学と北海道大学は深い歴史的な繋がりがある。日本統治時代、現在の中興大学の実習林場は、旧北海道帝国大学農学部の実験林だった。また、その当時の中興大学の教員は全員、北海道帝国大学農学部の卒業生だった。

中興大学の歴代学長の中には、北海道帝国大学出身の者が3人(大島金太郎(1920-1934年)、八谷正義(1934-1938年)、野田幸豬(1938-1948年))いる。このうち八谷正義は、学長を退任した後、日本へ戻り北海道大学の学長に就任した。

月日 事跡
1919年 - 「農林専門学校」として台湾総督府により開校
1928年 - 台北帝国大学(現在の国立台湾大学)の「附属農林専門部」に改編
1943年 3月 台中市に移転し、「台中農林専科学校」と改称
1946年 10月 「台湾省立農学院」と改編
1961年 - 「台湾省立中興大学」と改編
1971年 - 「国立台湾中興大学」と改称
2000年 - 法商学院を国立台北大学に編入

組織 編集

文学部
  • 中国文学科/研究科
  • 外国語文学科/研究科
  • 歴史学科/研究科
  • 図書館情報学研究科
  • 台湾文学研究科
  • 言語センター
生命科学部
  • 生命科学科
  • 生物科学研究科
  • 分子生物学研究科
  • 生物医学研究科
  • 社会人修士課程
農業天然資源学部
  • 農芸学科
  • 園芸学科
  • 畜産学科
  • 森林学科
  • 植物病理学科
  • 土壌保水学科
  • 食品応用生物テクノロジー学科
  • 土壤環境科学科
  • 昆虫学科
  • 応用経済学科
  • 生物産業機電技術学科
  • 農業推進教育研究科
  • 生物テクノロジー研究科
  • 農村計画研究科
  • 国際農企業学科
理学部
  • 応用数学科/研究科
  • 物理学科/研究科
  • 化学科/研究科
  • 情報科学科/研究科
  • 科学教育情報センター
工学部
  • 土木技術学科/研究科
  • 電機技術学科/研究科
  • 機械技術学科/研究科
  • 化学技術学科/研究科
  • 環境技術学科/研究科
  • 材料技術系/研究科
  • 精密技術研究科
  • テクノロジー研究センター
  • 機械実習工場
獣医学部
  • 獣医学科所
  • 獣医病理学研究科
  • 獣医微生物学研究科
  • 獣医公共衛生学研究科
  • 獣医実習委員
  • 動物疾病診断センター
社会科学管理学部
  • 企業管理学科所
  • 財務金融学科
  • 資訊管理学科
  • 販売学科
  • 国際政治研究科
  • テクノロジー管理研究科
  • 電子ビジネス研究科
  • 会計学研究科
  • 科学技術法律研究科
  • 経営学修士社会人コース(EMBA)
法政学部
  • 法律学科
  • 国際政治研究科
  • 国家の政策と公共事務研究科
  • 教師発展研究科
  • グローバル事務修士課程(英語)
医学部
  • 4年制大学卒業後医学科
進修推進部
  • 中國文文系進修学士課程
  • 外国語文学科進修学士課程
  • 歴史学科進修学士課程
  • 企業管理学科進修学士課程
  • 会計学科進修学士班
  • 農業経営学科進修学士班
研究センター
  • 生物テクノロジー研究センター
  • ナノテクノロジー研究センター
  • 台湾人文研究センター
  • 組織構造・幹細胞研究センター
  • 台湾企業研究センター
  • 平和戦略研究センター
  • 産業研究センター
  • 市場調査研究センター
  • 土壤及地下水汚染除去研究センター

学生 編集

教員 編集

歴代学長 編集

台湾總督府農林專門學校(台北公館)
氏名 任期
1 阿部文夫 1919年4月19日~1920年5月26日
2 大島金太郎 1920年5月27日~1934年2月7日
台湾總督府高等農林学校(台北公館)
氏名 任期
1 大島金太郎 1920年5月27日~1934年2月7日
台湾總督府台北高等農林学校(台北公館)
氏名 任期
1 大島金太郎 1920年5月27日~1934年2月7日
台北帝國大学附屬農林專門部
氏名 任期
1 大島金太郎 1920年5月27日~1934年2月7日
2 八谷正義 1934年2月8日~1938年5月3日
3 野田幸豬 1938年5月3日~1945年11月30日
台湾總督府台中高等農林学校
氏名 任期
1 野田幸豬 1938年5月3日~1945年11月30日
台湾總督府台中農林專門学校
氏名 任期
1 野田幸豬 1938年5月3日~1945年11月30日
氏名 任期
初代 林致平 1961年~1963年
第2代 湯恵蓀 1963年~1966年
第3代 劉道元 1966年~1972年
第4代 羅雲平 1972年~1981年
第5代 李崇道 1981年8月1日~1984年7月31日
第6代 貢穀紳 1984年8月1日~1988年7月31日
第7代 陳清義 1988年8月1日~1994年9月30日
第8代 黄東熊 1994年10月1日~1997年9月30日
第9代 李成章 1997年10月1日~2000年9月30日
第10代 彭作奎 2000年10月1日~2001年2月9日
代理 薛敬和 2001年2月10日~2001年10月31日
第11代 顔聡 2001年11月1日~2004年7月31日
第12代 蕭介夫 2004年8月1日~2011年7月31日
第13代 李徳財 2011年8月1日~2015年7月31日
第14代 薛富盛 2015年8月1日~

スポーツ・サークル・伝統 編集

主な出身者 編集

TCUS-台湾総合大学システム 編集

Taiwan Comprehensive University System:

日本の学生交流協定校 編集

外部リンク 編集

座標: 北緯24度07分25秒 東経120度40分31秒 / 北緯24.123552度 東経120.675326度 / 24.123552; 120.675326

  1. ^ 聯合新聞網. “不是台大第一!公務人員高普考技術類科 錄取人數最多的是「這間大學」” (中国語). 聯合新聞網. 2024年4月21日閲覧。
  2. ^ 中央通訊社 (2024年4月10日). “卓榮泰任行政院長鄭麗君副院長 新政府首波內閣名單一覽【更新】 | 政治” (中国語). 中央社 CNA. 2024年4月21日閲覧。