合衆国法律全集(がっしゅうこくほうりつぜんしゅう、英語: United States Statutes at Large)は、アメリカ合衆国議会によって可決された法律両院共同決議(concurrent resolution)に係る公式の法源である。 議会会期の終わりにスリップ・ロー英語版("Slip laws"。法令速報)から編纂される、一般的にセッション・ロー英語版("Session laws")すなわち会期別法令集と呼ばれるものの一種である[1]。連邦法の公表の3部構成、つまりスリップ・ロー(パブリック・ロー(Public Law。一般法律)、プライベート・ロー(Private bill。個別法律)、省略形 Pub.L. および Pvt.L.)、会期別法令集、および法典化の1つである。

合衆国法律全集の発行は1845年に議会の合同決議(joint resolution)により付与された権限の下、民間企業リトル・ブラウン社Little)によって始められた。1874年、議会は合衆国政府印刷局に合衆国法律全集の発行権限を移転し、爾来、作成の責任は印刷局にある。

議会によって制定されたあらゆるパブリック・ローおよびプライベート・ローが、会期別法令集で可決日付順に公表される。 また、1948年までは、上院によって承認されたすべての条約と国際協定も、収録して公表された(現在これらはUnited States Treaties and Other International Agreementsと称する刊行物に収録される。省略形は U.S.T.)。 さらに、会期別法令集には独立宣言連合規約憲法憲法の修正条項インディアンや外国との条約、および大統領布告の文章が含まれる。

今日では、「パブリック・ロー」と呼ばれる議会制定法(Act of Congress)の大半は合衆国法典への修正として起草される。 ひとたび法律として制定されると、その法律は合衆国法律全集で公表され、合衆国法典への追加、変更、または削除となる。 一般に、制定文、施行日、およびこれら同様の事項のみを含むパブリック・ローの条項は法典化されない。 プライベート・ローも一般的には法典化されない。

合衆国法典のある部分は実定法Positive law)として制定され、他の部分はそのように制定されていない。 実定法として制定されていない条項に[2]合衆国法典の文章と会期別法令集の文章との不一致があった場合は、会期別法令集の文章が優越する[3]

参考文献 編集

  1. ^ Public and Private Laws: About, United States Government Printing Office, http://www.gpoaccess.gov/plaws/about.html 2010年3月12日閲覧, "At the end of each session of Congress, the slip laws are compiled into bound volumes called the Statutes at Large, and they are known as 'session laws.'" 
  2. ^ 合衆国法典第1編第204条 1 U.S.C. § 204
  3. ^ 合衆国法典第1編第112条 1 U.S.C. § 112

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外部リンク 編集