伽陀(かだ)は、サンスクリット語「gāthā (गाथा)」の音写で、「」(げ)「偈頌」(げじゅ)「諷誦」(ふじゅ)などと訳される。原意は「歌」で、サンスクリット語のシラブル(音節)の数や長短などを要素とする韻文のことを指す。 これにいくつかの種類があり、仏典に多く用いられるのは下のようなものである(詳しくはインド古典詩の韻律を参照)。

  1. シュローカ(śloka) 8音節4句(16音節2行)より成る
  2. トリシュトゥブ(triṣṭubh) 11音節4句(22-24音節2行)より成る
  3. アーリヤー(āryā) 音節を制限しないで8句2行より成る。各句は4モーラからなるが、行の最後の1句と、2行めの第6句は1音節である。

仏典の記述上の形式からすれば、前に散文の教説を説き終わって直ちに韻文で記された教説を「ガーター」(諷頌)といい、散文の教説が説かれて次に重ねてその内容を韻文で説くものを「ゲーヤ」(geya、祇夜、応頌(おうじゅ))という。区分は十二部経に詳しい。

  • 天台声明で、儀式の最初に節をつけて唱え、首座・導師の着座を知らせるのこと。一句を独吟する調声を、「伽陀の役」と別に呼ぶことがある。

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