光岡・ヒミコ

光岡自動車の自動車

ヒミコ(卑弥呼、Himiko)は、光岡自動車が販売する2人乗りのオープンカー乗用車である。マツダ・ロードスターをベースに、前後の外装を光岡自動車の特徴であるクラシックカー風のデザインへと変更している。キャッチコピーは「宝石すら、嫉妬する。」。

初代(NCEC型 2008年-2018年) 編集

光岡・ヒミコ(初代)
NCEC改型
 
フロント(前期型)
 
リア(前期型)
 
室内
概要
販売期間 2008年 - 2018年
ボディ
乗車定員 2人
ボディタイプ 2ドア オープン
2ドア クーペカブリオレ
駆動方式 後輪駆動
パワートレイン
エンジン LF-VE型 2.0L 直列4気筒DOHC16バルブ
最高出力 122 kW (166 PS) / 6,700 rpm (AT)
125 kW (170 PS) / 6,700 rpm (MT)
変速機 6速AT
5速MT&6速MT(前期型のみ)
サスペンション
ダブルウィッシュボーン式
マルチリンク式
車両寸法
ホイールベース 3,030 mm
全長 4,575 mm
全幅 1,725 mm
全高 1,255-1,270 mm
車両重量 1,230-1,280 kg
その他
ベース マツダ・ロードスター(3代目)
生産台数 190台[1]
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2008年12月3日に発表され、翌4日よりインターネットによる予約が開始された。2006年に発表したオロチに比べて女性的な優美さを強調し、主に女性顧客の需要をターゲットとした。

3代目(NC型)ロードスターのパワーリトラクタブルハードトップ (RHT) をベースに開発された。LF-VE型2.0L直4エンジンなど主要メカニズムはベース車と共通だが、よりバランスの取れたプロポーションを目指すためNCプラットフォームをベースに前方にホイールベースを700mm延長し(手法としてはかつてのラ・セードと同じ)、フロントオーバーハングを560mmまで短縮している。ロードスターの完成車両を広島マツダ宇品第1工場より輸送した後、ボディの内外装を分解し、1台1台の手作業によりカスタマイズする方法が採られている。

エクステリアに関しては大蛇を手がけた青木孝憲がデザイン。フロントマスクからリヤフェンダーにつながる大きな波を特徴としていて、「豪華客船が大海を進む瞬間」をイメージしているという。架装作業は全て手作業のため月産3~4台ほどとなり、2009年は35台の販売を予定し、輸出仕様として左ハンドルも設定される。グレードはStandard、Premium、Hi Premiumの3種が用意される。

2009年9月16日、5MT車およびソフトトップモデルが追加された。2009年12月、アメリカのギターメーカーであるリッケンバッカーとのコラボレーションによる「リッケンバッカー・プロジェクト」の第一弾として、「ヒミコ・リッケンバッカー」が限定5台を予約販売。同時に発売されるオロチと同様、リッケンバッカーのギターのヘッドを模したエンブレムや、シートにギターの弦とパーツをデザインしたステッチをあしらう等の特別な仕様を盛り込んだものとなっている。

2010年7月、特別仕様車「Classic(クラシック)」が発売された(限定20台)。黒と赤の2トーンカラーのほか、内装の意匠などが専用となる。

2011年10月、一部改良が行われた。グレード体系が見直され、ソフトトップモデルは「GUILTY」(ギルティ、5MTのみ)、ハードトップモデルは「ARDOR」(アルドール、6ATのみ)となった。6MT車およびソフトトップのAT車を廃止。

2012年12月12日、マイナーチェンジが行われた(販売は12月13日から)。新色のボディカラー「ウィッチパープルパール」を設定し、全4色(メーカーオプションのボディカラーも含めると全34色)を設定する。インテリアは、デコレーションパネルのカラーを変更。「GUILTY」では、アルミホイールのカラーをガンメタリックに変更したり、メーターフードの小型化、メーターリングのカラーをダークグレーに変更。「ARDOR」では、ステアリングホイールベゼルのカラーをダークグレーに変更。「ARDOR 本革パッケージ」は、「ARDOR」の変更に加え、本革のカラーをタンに変更したりと、意匠的な変更がおもに行われた。そのほかに、「ARDOR」をベースに、専用のハウンドトゥース(千鳥格子)柄シートや、専用ピアノブラック調デコレーションパネル・シフトゲート・左右ドア内ドリンクホルダー、トランクフードと左右フロントフェンダーに装着される専用エンブレムに加え、専用メッキモールディングと、マットアイスグレーの2トーンラッピングを特別装備したり、ボディカラーはホワイトパールを設定した特別仕様車「Himiko monochrome」を発表し、販売開始した。

2013年11月14日、マイナーチェンジが行われた(販売は同月15日から)。全車のボディカラーに新しく「シャンパンシルバー」を設定し、全5色(メーカーオプションのボディカラーも含めると全35色)を設定する。また、「ARDOR」には、ステアリングスイッチを標準装備した。「GUILTY」は廃止され、全車ハードトップ+6ATとなった。

2014年9月12日伊勢丹とのコラボレーション企画として「ARDOR」をベースにした「ヒミコ・クレイジータイマー」が限定20台で発売。ボディカラーは専用の「ネオングリーンパール」で、内外装には「伊勢丹タータン」が随所に散りばめられている。2014年12月、同社におけるフラグシップカーであるオロチの販売終了に伴い、事実上、ヒミコが同社におけるフラグシップカーに昇格した形となった。

2015年4月、ベース車両である3代目ロードスターが製造終了した(なお、ロードスターは翌月より4代目に移行)。2015年6月より「Mitsuoka Roadster」の名で英国で販売開始された[2]

2017年9月2日、特別仕様車、乱(ラン)が発売された(限定4台)。日本古来の「武の美」をテーマとした専用のボディカラーと内装、アルミホイール等を装備。

2代目(ND5RC改型 2018年-) 編集

光岡・ヒミコ(2代目)
ND5RC改型
概要
販売期間 2018年2月 -
ボディ
乗車定員 2人
ボディタイプ 2ドア オープン
駆動方式 後輪駆動
パワートレイン
エンジン P5-VP[RS]型/P5-VPR[RS]型(i-ELOOP+i-stop®装着車) 1.5L 水冷直4DOHC16バルブ
最高出力 96 kW (131 PS) / 7,000 rpm
最大トルク 150 N⋅m (15.3 kg⋅m) / 4,800 rpm
変速機 SKYACTIV-MT 6MT
6EC-AT
サスペンション
ダブルウィッシュボーン式
マルチリンク式
車両寸法
ホイールベース 2,910 mm
全長 4,580 mm
全幅 1,740 mm
全高 1,235 mm
車両重量 1,130-1,200 kg
その他
ベース マツダ・ロードスター(4代目)
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2018年2月22日、フルモデルチェンジが発表され、翌23日から発売された。ベース車両は4代目(ND型)ロードスターとなった。ボディはソフトトップのみとなり、6速MTと6速ATが設定される。同年12月には、30の外装色がオプションで選択できるようになった[3]

車名の由来 編集

車名は邪馬台国女王卑弥呼に由来する。

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第79号21ページより。
  2. ^ 光岡自動車:「ヒミコ」欧州デビュー イギリス進出 /富山 - 毎日新聞
  3. ^ 森本太郎 編『世界の自動車オールアルバム 2020年』三栄書房、2020年8月8日、137頁。ISBN 978-4-7796-4170-1 
  4. ^ うぉぉマジで「U.S.A.」! 光岡さんすげぇ、古き良きアメ車風の“新型車”「ロックスター」を発売(ねとらぼ交通課) - ITmedia 2018年10月10日。

外部リンク 編集