全日空724便ハイジャック事件

1977年に日本で発生したハイジャック未遂事件

全日空724便ハイジャック事件(ぜんにっくう724びんハイジャックじけん)は、1977年昭和52年)3月17日全日本空輸724便(ボーイング727型機)がハイジャックされかけた事件である。

全日空724便ハイジャック事件
全日空のボーイング727(画像は-200型機で塗装は末期のもの)
場所 日本の旗 日本函館空港
標的 全日空 724便
日付 1977年昭和52年)3月17日
概要 ハイジャック事件
犯人国立大学生の無職の男
対処 乗客が犯人を取り押さえ函館空港へ緊急着陸後に北海道警函館中央署が犯人を逮捕
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事件の概略 編集

全日空724便は千歳空港から仙台空港に向かう短距離路線として運航されていた。同機には乗員7人、乗客36人が搭乗していた。

午後0時40分ごろ青森県下北半島上空5200メートルを巡航中、男が機内の前方をうろつき始め客室乗務員に「ドアを開けろ」と脅迫した。客室乗務員は犯行前から男の様子がおかしかったため警戒しており「トイレはこちらです」と対応すると、男が逆上して「そうじゃない操縦席のドアを開けろ」と言い放ち客室乗務員にナイフを突きつけた[1]。この行動に対し乗客4人[2]がハイジャック犯を取り押さえた。

724便は午後1時24分に函館空港に緊急着陸し、北海道警察函館中央署航空機の強取等の処罰に関する法律違反で逮捕された。

犯行動機 編集

被疑者は当時27歳の北海道岩見沢市在住の元国立大学生の無職の男だった。大学哲学を学んでいたが、独学でもできると思い退学した。しかし思うようにいかなくなり、親に経済的負担をかけたくないとの思いから、どこか近くの外国に行くためにハイジャックしようとしたという漠然とした動機であった。

なお、仙台・千歳便を選んだ動機は運行便が大きくないためハイジャックしやすいと思ったというもので、凶器のジャックナイフは右足の土踏まずに隠して保安検査をパスしていた。

脚注 編集

  1. ^ 乗客体当たり 四人がかり組み伏せる『朝日新聞』1977年(昭和57年)3月18日朝刊、13版、23面
  2. ^ http://www.nakagawa-masaharu.jp/profile/ayumi.html

参考文献 編集

  • 藤石金彌、井上直哉「コックピットクライシス」主婦の友社 2001年、146-147ページ

関連項目 編集

  • 全日空817便ハイジャック事件 - 関連性はないが、たまたま同じ日に仙台行きの全日空便がハイジャックされた事件である。
  • 中川雅治 - 元参議院議員・参議院決算委員長。犯人を取り押さえた乗客4人の内の1人。