八木 景子(やぎ けいこ、1967年昭和42年〉[1] - )は、日本の映画監督

やぎけいこ
八木景子
生年月日 1967年
出生地 東京都[1]
職業 映画製作会社・代表[2]
事務所 合同会社八木フィルム
公式サイト 公式ウェブサイト
主な作品

ビハインド・ザ・コーヴ 〜捕鯨問題の謎に迫る〜[3]

鯨のレストラン 〜SDGsとクジラ〜[4]
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クジラ食に反対する多い世界の世論に対して、誰もが怖がっていたなか、初めて日本から映画を通して反論を行った映画監督。

世界中のメディアで報じられ捕鯨問題の第一人者である。

人物 編集

クジラ食に反対する多い世界の世論に対して、初めて日本から映画を通して反論を行った映画監督。

東京生まれ。合同会社八木フィルム代表。2010年に「ザ・コーヴ」が米国アカデミー賞を受賞。反捕鯨団体が映画の舞台となった和歌山県太地町に日本に押し寄せてきた。八木景子氏は、2015年に『ビハインド・ザ・コーヴ 〜捕鯨問題の謎に迫る〜』を製作、同年、国際映画製作者連盟(FIAPF)公認のモントリオール世界映画祭に選出された。このことにより、世界中のメディアで「日本から初めての反論」と報道された。

生い立ち 編集

8歳の頃、母が亡くなり、命に対して幼い頃から向き合ってきた、と東京新聞のインタビューに答えている[5]

映画を撮りたいという気持ちは昔からあった。チャールズ・チャップリンの映画を、子どものときに見て「悲しいことを笑わせ、世界を変える力がある」と思うようになったのが原点である。

映画に関わる仕事がしたくて、ハリウッド大手の映画配給会社の日本支社で働いていた。

しかし、日本支社が、撤退縮小モードになり、会社を辞め「生きる自信」を失っていた。しかし、常に亡くなった母親のことが脳裏にあり、そんなとき、東日本大震災が起きる。「転職活動どころではなく、どうすれば自分が社会の役にたてるのか」と考えて、被災地へボランティア活動に通った。

これらの経験を元に誰もが危険視し避けてきた捕鯨問題に関わるキッカケとなっていった。

来歴 編集

東京生まれ。ハリウッド・メジャー映画会社であるパラマウントピクチャーズに勤務後、捕鯨問題の映画を製作するために、自ら配給会社「合同会社八木フィルム」を設立[6]。処女作の映画「ビハインド・ザ・コーヴ」は自費を投じ、撮影、編集の全ての製作を担当した。

2015年に世界8大映画祭の一つであるモントリオール世界映画祭に選出されると、ワシントンポスト、ニューヨークタイムズ、ロサンゼルスタイムズなど世界中の多くの大手メディアは「初めての反論」と取り上げた。

同年年11月、国会議員試写会、同年12月には外国特派員協会で上映イベントが行われた。

しかし、捕鯨問題に配給会社がどこもつかず、世界中の反応に対応するため、借金を重ね寄付を募り日本と米国での配給まで自ら行っていた[7]

しかし、その後、世界最大のユーザー数を持ち影響力が大きいNETFLIXから世界へ配信された。日本のドキュメンタリー映画としては世界配信されることは、非常に珍しいケースであり、NETFLIXに追随するように各社配信会社から配信が行われ大きな反響を呼んだ。

日本政府が国際指名テロリストとして指名手配しているシーシェードの創立者であるポール・ワトソン氏とカンヌ映画祭で会い面談。2017年8月25日にNETFLIXから世界へ配信された2日後にシーシェードの創立者ポール・ワトソンが日本に対して南氷洋の攻撃停止宣言を行った[8]

コロンビア大学、UCLA、東京大学、京都大学など国内外の大学機関でも上映イベントが開催された。米国コロンビア大学では、環境問題をテーマとするアースデーに、「ザ・コーヴ」が上映される予定だったが、学生からの要望により異例なことに「ビハインド・ザ・コーヴ」にと上映作品が変更された[9][10]。現地に赴きQ&Aに応じた。

2作目「鯨のレストラン〜SDGsとクジラ〜」は、2023年9月に劇場公開した。映画の中では、鯨店「一乃谷」の大将、谷光男氏によるクジラ食の魅力とワシントン条約など国際会議で活躍してきたユージン・ラポワント氏や、お店のお客である「シン・ゴジラ」の樋口真嗣監督らが登場し、環境問題を唱えている。SDGsとクジラの関係についても映画の中で科学者らが説明した内容に仕立てている。

八木景子監督は、映画を通して「縄文時代から続くクジラ食の理解を深めるために」と海外と国内において普及活動を行なっている[11]

作品 編集

脚注 編集

  1. ^ a b “モントリオール世界映画祭に出品 : 太地の捕鯨テーマに制作 : 八木景子監督が思いを語る”. 熊野新聞ウエブサイト. (2015年9月2日). https://web.archive.org/web/20160601190232/http://www.kinan-newspaper.co.jp/history/2015/9/2/05.html 
  2. ^ 小山田研慈 (2015年9月2日). “「ザ・コーヴ」に対抗、反捕鯨活動追う カナダで上映へ”. 朝日新聞デジタル. https://web.archive.org/web/20160827203240/http://www.asahi.com/articles/ASH8W4DKBH8WULZU009.html 
  3. ^ お知らせ : 8/7 マスコミ試写会” (PDF). 水産ジャーナリストの会ウェブサイト. 水産ジャーナリストの会. 2015年11月3日閲覧。
  4. ^ 鯨のレストラン 公式サイト”. 鯨のレストラン. 2023年4月4日閲覧。
  5. ^ クジラを追い続ける八木景子監督インタビュー<増刊号>:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2024年4月23日閲覧。
  6. ^ 「ジャンヌ・ダルク」追い出した捕鯨業界”. 47NEWS. 2024年4月23日閲覧。
  7. ^ 「意外にも米国人からは好意的な反応」、制作の八木景子監督、質疑応答で”. ニューヨークビズ! (2019年4月25日). 2024年4月23日閲覧。
  8. ^ (日本語) Behind "THE COVE" digest, https://www.youtube.com/watch?v=SVGklokZYWI 2024年4月23日閲覧。 
  9. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2017年7月21日). “【今週の注目記事】「なぜクジラだけが特別なのか」捕鯨是非 ガチンコ論争で露呈した反対派の論点ずれまくり(1/5ページ)”. 産経ニュース. 2024年4月23日閲覧。
  10. ^ クジラを追い続ける八木景子監督インタビュー<増刊号>:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2024年4月23日閲覧。
  11. ^ SDGsとクジラ:日本は欧米へ「クジラの肉」を輸出していた!?(八木景子) - エキスパート”. Yahoo!ニュース. 2024年4月23日閲覧。
  12. ^ 「反捕鯨の風潮は下火に」問題の〝今〟をドキュメント”. Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン) (2023年10月6日). 2024年4月24日閲覧。
  13. ^ 「ザ・コーヴ」に対抗、反捕鯨活動追う カナダで上映へ:朝日新聞デジタル”. web.archive.org (2016年8月27日). 2024年4月23日閲覧。
  14. ^ NippouBrasil (2024年4月11日). “映画『鯨のレストラン』仏で初上映!=観客と白熱した討論会も=反捕鯨思想多い地で伝統食訴える”. 南米の鼓動をキャッチ! ブラジル日報. 2024年4月23日閲覧。

外部リンク 編集