勝沼醸造(かつぬまじょうぞう、英称:Katsunuma Winery)は、山梨県甲州市勝沼町下岩崎にあるワインメーカー。

勝沼醸造 株式会社
Katsunuma Winery Co.,Ltd.
公道よりワイナリーを見る
(2019年9月7日撮影)
地図
勝沼醸造付近
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
409-1313
山梨県甲州市勝沼町下岩崎371
設立 1937年昭和12年)
業種 食料品
法人番号 3090001009211 ウィキデータを編集
事業内容 果実酒類の製造販売
代表者 代表取締役 有賀雄二
資本金 4,700万円
売上高 5億円
外部リンク http://www.katsunuma-winery.com/
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概要 編集

1937年(昭和12年)、有賀義隣は現在地で製糸業を営む傍ら、ワイン造りを始めた。その4年後の1941年(昭和16年)、近隣の農家29名が集まり「金山葡萄酒協同醸造組合」を設立した。1949年(昭和24年)、税務署からの指導もあったことから、「金山葡萄酒株式会社」を設立することとなった。その翌年、有賀清弘が二代目を継承し、同時に、果実酒酒類製造免許を取得した。1954年(昭和29年)、町村合併に伴う町名変更を契機に、「勝沼醸造株式会社」と改称した。1973年(昭和48年)、1946年(昭和21年)から始めた清涼飲料水の製造販売を中止することにし、ワイン葡萄果汁の製造販売を専業とすることになった。1990年(平成2年)、ワイン用ぶどう園での試験栽培を開始した。1999年(平成11年)、有賀雄二が三代目を継承し、同時に、ワイン用のぶどう園の拡張と配送センターを新設した。2004年(平成16年)、甲州ワインの新ブランド「アルガブランカ」を発売し販売を開始した。2016年(平成28年)、ワイン用ぶどう園(4ヘクタール)を拡張、現在にいたっている[1][2][3]

勝沼醸造の特徴は、甲州種葡萄へのこだわりと、甲州葡萄だけを使っての本物のワインを造ること、甲州への愛着と信念を抱いていることである。もともとは、土産用ワインのブランド「アルガブランカ」だったのが、現在では世界が認めるワインに成長した。「人と自然の関わりによる表現がワインである」と考えている。日本の葡萄栽培とワイン造り発祥の地「勝沼」における長年に及ぶ取り組みが、経験と技術になって日本ならではの味わいを醸し出している。恵まれた自然の恵みを最大限生かすため、余分な肥料は使わない、あえて何もせずまめに手入れをし、病気を未然に防いでいる。土壌に関しては、石灰などを使って土壌改良を行い、葡萄の持つ可能性を最大限に引き出すこと。葡萄栽培に関しては、垣根栽培により果実を制限している。葡萄の房を小さくする、そのことで甘みの強い、味の濃い、糖度の高い葡萄の栽培を目指している。その他、逆浸透膜濃縮装置の活用や、氷結濃縮法を採用するなどして、世界に通じるワイン造りに挑戦している[1][2][3]

沿革 編集

  • 1937年(昭和12年) - 有賀義隣が製糸業を営む傍らワイン醸造を開始
  • 1941年(昭和16年) - 農家29名により「金山葡萄酒協同醸造組合」を設立
  • 1946年(昭和21年) - 清涼飲料の製造販売を開始
  • 1949年(昭和24年) - 税務署の指導で「金山葡萄酒株式会社」と改称
  • 1950年(昭和25年) - 有賀清弘が継承、果実酒醸造免許取得
  • 1954年(昭和29年) - 「勝沼醸造株式会社」と改称
  • 1973年(昭和48年) - ワイン葡萄果汁の製造販売を専業とする
  • 1990年(平成2年) - ワイン用ぶどう園(20アール)で試験栽培を開始
  • 1991年(平成3年) - レストランテ「風」を開設
  • 1996年(平成8年) - 本社社屋改装
  • 1999年(平成11年) - 有賀雄二が継承、ワイン用ぶどう園(1.5ヘクタール)に拡張
  • 2000年(平成12年) - 配送センターを新設
  • 2001年(平成13年) - ワイン用ぶどう園(3.5ヘクタール)に拡張
  • 2004年(平成16年) - ブランド「アルガブランカ」を発売
  • 2005年(平成17年) - アサヒビールワイナリー設備を取得、勝沼トンネルカーヴ契約
  • 2006年(平成18年) - 金川ワイナリーの操業開始
  • 2008年(平成20年) - パップ・クレマン社と提携し甲州ワインのEU輸出開始
  • 2015年(平成27年) - 帝国ホテルオリジナルワイン「峡東」を納入
  • 2016年(平成28年) - ワイン用ぶどう園(4ヘクタール)に拡張[2]

店舗情報 編集

  • 所在地 - 山梨県甲州市勝沼町下岩崎371
  • 代表者 - 有賀雄二、栽培・醸造責任者 - 有賀裕剛[2]
  • 営業時間 - 午前9時-午後4時
  • 休日 - 年末年始
  • 年間生産量 - 約30万本
  • ぶどう畑 - 畑保有5.5ヘクタール[3]
  • ワイナリーツアー - 「スタッフコース」2時間、①午前10時30分、②午後1時30分、「テイスティングコース」30分、①午前10時、②午後1時[4]
  • レストランテ「風」 - レストランテ風アルガ葡萄園直営、平日・午前11時、土日祭日・午前11時30分-午後1時、午後1時30分-3時、午後5時-9時[5]

受賞歴 編集

「日本ワイナリーアワード(Japan Winery Award)」[6]
  • 「第2回 日本ワイナリーアワード 2019」 - 五つ星獲得[7]
  • 「第3回 日本ワイナリーアワード 2020」 - 五つ星獲得[8]
  • 「第4回 日本ワイナリーアワード 2021」 - 五つ星獲得[9]
  • 「第5回 日本ワイナリーアワード 2022」 - 五つ星獲得[10]
  • 「第6回 日本ワイナリーアワード 2023」 - 五つ星獲得[11]
「日本ワインコンクール(Japan Wine Competition)」)[12]
  • 第8回 2010年(平成22年)金賞受賞[13]
    • 甲州・辛口「藤井 甲州 2009」
  • 第19回 2023年(令和5年)金賞受賞[14]
    • 甲州「大久保 J.S 2022」

交通アクセス 編集

参考文献 編集

  • 『商工ジャーナル』「グラビア 挑む(19)甲州・勝沼で世界レベルのワイン造りを実践する 勝沼醸造」東京 商工中金経済研究所、2003年7月
  • 『世界が認めた日本のワイン』「勝沼醸造」東京 リイド社、2006年4月
  • 上藤顕著『商工ジャーナル』「勝沼醸造 世界が感動する甲州葡萄ワインを造るため自家農園経営」東京 商工中金経済研究所、2006年4月
  • 小林敏行著『無限大』特集 古希を迎えた青年企業たち--信頼の礎を築いた経営者は、未来に何を描いたか 「夢は、世界のグルメをうならせる「日本ワイン」フランスやイギリスのコンテストで銀賞を獲得した実力派ワイナリー 勝沼醸造株式会社社長 有賀雄二」東京 日本アイ・ビー・エム、2007年夏
  • 有賀雄二・橋本裕之著『商工ジャーナル 』「ユース会会員経営者が語る 私の革新 勝沼醸造代表取締役社長、山梨商工中金ユース会会員 有賀雄二氏 甲州種ぶどうを進化させ世界に通用するワインを造る」東京 商工中金経済研究所、2011年11月
  • 有賀雄二著『りそなーれ 』「TOPの決断 昭和61年10月 ハイテク機械で、原料を濃縮する製法を導入、それが私の甲州ワインの概念を変えたんです。 勝沼醸造株式会社 代表取締役 有賀雄二氏」東京 りそな総合研究所、2014年5月
  • 長沢伸也編『地場ものづくりブランドの感性マーケティング』「山梨・勝沼醸造」東京 同友館、2019年1月
  • 叶芳和著『農業経営者 』「農業は先進国型産業になった!(22)日本ワイン比較優位産業論 現地ルポ(第2回)甲州ワインの価値を高めワイン産地勝沼を守る 勝沼醸造株式会社(山梨県甲州市)」東京 農業技術通信社、2019年3月
  • 『世界の名酒事典』2010-11年版、東京 講談社、2009年11月

脚注 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集