勤行 (浄土真宗本願寺派)
浄土真宗本願寺派(西本願寺)における勤行(ごんぎょう)について、『法要儀式規定』には次のように記されている。
法要とは、仏祖を礼拝供養し、経典を読誦し、仏徳を讃嘆して、報恩の至誠を表す行事をいう。
すなわち、勤行(経典の読誦)とは阿弥陀如来や祖師(親鸞)を拝み、阿弥陀如来の徳を讃え、報恩の行いである。
自らの功徳を積むため勤めたり、祖先の霊に向けて勤めたりするものではない。
日常勤行 編集
日常勤行は朝夕に仏前でつとめられる。 法式規範において一般寺院は正信偈と定められているが、各家庭では『無量寿経』から讃仏偈や重誓偈などをつとめる場合もある。
一般寺院 編集
晨朝(正信偈草譜、念仏・和讃六首引、回向、御文章拝読)
日没(正信偈草譜、短念仏、回向)
各家庭[1] 編集
勤行
正信偈・和讃・讃仏偈・重誓偈・十二礼・意訳勤行・和訳正信偈
拝読
御文章・拝読用法語・まことのことば・拝読 浄土真宗のみ教え
唱和
領解文・生活信条・仏教讃歌
その他の場面 編集
親鸞などの月命日には正信偈行譜など、より丁寧につとめられる。
本山本願寺 編集
阿弥陀堂と御影堂の両堂があるため、日常勤行は阿弥陀堂と御影堂で続けて行われる。晨朝は基本6時から7時頃にかけて、日没は基本16時から15分程度である。特に日没勤行は非常に速く読経されるが、石山合戦の名残と伝わる。
晨朝
阿弥陀堂(讃仏偈、短念仏、回向)
御影堂(正信偈草譜、念仏和讃六首引、回向、法話、御文章拝読)
日没
阿弥陀堂(重誓偈、短念仏、回向)
御影堂(正信偈、短念仏、回向)
作法 編集
法要や特別な日には作法(さほう)という勤行が行われる。また、同じ名称でも種別があり、となえられる内容に多少の違いがある。 以下は現行の主な作法を列挙する。
正信偈を基本とした作法 編集
- 広文類作法
- 正信念仏偈作法
- 奉讃大師作法
- 宗祖讃仰作法(第三種)
- 新制御本典作法
親鸞のその他の著作を基本とした作法 編集
- 大師影供作法
- 二門偈作法
- 御本典作法
- 宗祖讃仰作法(第一種・第二種)
経文を基本とした作法 編集
- 修正会作法
- 無量寿経作法
- 観無量寿経作法
- 阿弥陀経作法
その他の作法 編集
- 報恩講作法
- 讃仏講作法
- 五会念仏作法
- 十二礼作法
- 無量寿会作法 - 本願寺派に唯一残る論議形式。
脚注 編集
- ^ “勤式指導所は西本願寺の作法や仏事を指導する所です。”. 勤式指導所(ごんしきしどうしょ). 2023年5月6日閲覧。