北松田駅(きたまつだえき)は、北海道勇払郡苫小牧町大字勇払村字トアサ[3](現苫小牧市柏原)にあった鉄道省富内線鉄道駅廃駅)である。

北松田駅
きたまつだ
Kita-Matsuda
沼ノ端 (4.8 km)
(4.0 km) 静川
所在地 北海道勇払郡苫小牧町大字勇払村字トアサ
北緯42度40分23.9秒 東経141度45分11.6秒 / 北緯42.673306度 東経141.753222度 / 42.673306; 141.753222[1]
所属事業者 鉄道省
所属路線 富内線
キロ程 4.8 km(沼ノ端起点)
駅構造 地上駅
開業年月日 1925年大正14年)7月1日[2]
廃止年月日 1943年昭和18年)11月1日[2]
備考 沼ノ端駅 - 豊城駅間廃線に伴い廃駅
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1943年11月1日国有化とともに日高本線と並行することから不要不急線となって休止され、そのままとなった。

歴史 編集

駅名の由来 編集

当初の名称である「上勇払」は勇払村の中心地である勇払川河口にある勇払市街地に対して上流側にあることからと推測されるが、これ以前にこの地を指してその様に呼ばれたことはなかった[6]

「北松田」の名称は、1897年(明治30年)施行の「国有未開地処分法」を受けてこの地の周辺の山林原野を払い下げられた松田利三郎が、翌1898年(明治31年)入植したことに由来し、当駅は彼が開設した松田農場の敷地の北側に設けられた[4]。当駅開設の1925年頃には主に軍馬150頭の他牛100頭以上の飼育数が記録されている[7]

1944年(昭和19年)の字名改正では種々の理由により柏原となったが、「松田」が最有力候補であった程である[8]

駅跡 編集

当駅付近の線路跡は国道235号に転用されている。

駅周辺 編集

前述の松田利三郎は牧場内の山林を開く際に木炭製造業者を呼んで製炭させ、当駅から出荷した。駅近くには大きな木炭倉庫が建てられていた[7]

隣の駅 編集

鉄道省
富内線
沼ノ端駅 - 北松田駅 - 静川駅

脚注 編集

  1. ^ 5万分の1地形図「早来」1928年測量1930年発行 大日本帝國陸地測量部作成
  2. ^ a b c d e f 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、867頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  3. ^ 苫小牧市史 上巻 1975年出版 p1330-1349および同 下巻1976年出版 p1861。 通称「勇払トアサ」地区。「柏原」の字名は当駅休止後の1944年1月1日施行の字名改称地番整理以降。
  4. ^ a b 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、223頁。ASIN B000J9RBUY 
  5. ^ 『官報』 1926年05月24日 鉄道省彙報「地方鉄道駅設置」(国立国会図書館デジタルコレクション)
  6. ^ 苫小牧市史 上巻 の地域名参照
  7. ^ a b 苫小牧市史 下巻 p1864-1869
  8. ^ 苫小牧市史 上巻 p1342

関連記事 編集

外部リンク 編集

  • 1944年(廃止1年後)撮影航空写真(国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス) の駅跡。中央より左上側に当駅があったが、縦長の建物が残されているのが確認できる。ちなみにこの建物は1947年の航空写真では撤去されている。また右手の道路沿いに数件建てられている家屋群は1930年発行の5万分の1地形図「早来」によれば「松田農場事務所」。