十田撓子
略歴 編集
秋田県鹿角市生まれ[2]。東京女子大学文理学部卒(哲学科)。日本大学大学院芸術学研究科文芸学専攻中退。夫は映画作家・ビデオグラファーの宮岡秀行。『銘度利加』で第23回中原中也賞の最終候補。[3]同『銘度利加』で第68回H氏賞を受賞。[4]
ドイツ文学者でありニーチェ研究者の眞田収一郎に師事し、眞田の晩年まで師弟関係は続いた。H氏賞[5][6]受賞時には眞田への献辞を述べている。[7]商業誌への投稿、同人参加を行わず、秋田の詩人・今川洋や山形一至の勧めで2010年代より自作を公にするようになった。詩誌『密造者』同人(2014-2020)。
高校生の時に応募した詩が新川和江に選ばれたことがある。後年、新川は十田に「教科書に載るような詩を書いてはだめ」と語っている。[1]
第一詩集の表題でもある『銘度利加』(めとりか)とはロシア語の“МЕТРИКА”のことで、ロシア正教の信徒名簿を意味する。[8]十田も日本ハリストス正教会のハリスティアニンであり、明治期にニコライが伝道してロシア正教が隆盛した故郷の歴史と自身との関り、イコン体験について講演や雑誌などで述べている。[9]
著書 編集
- 『銘度利加』思潮社、2017年12月
- 共著
- 『時を越えあきた 森の巨人と水の旅人』秋田テレビ、2019年
- 関連作品
- 小川類:歌曲『銘度利加』2023年
脚注 編集
- ^ a b 亀谷健樹 編『密造者 特集十田撓子の詩業』密造者、2018年。
- ^ “平成30年12月25日の市長会見”. 鹿角市. 2024年4月23日閲覧。
- ^ “今年度の中原中也賞”. 山口市. 2024年4月23日閲覧。
- ^ “今年度の各賞について”. 日本現代詩人会. 2023年3月16日閲覧。
- ^ “H氏賞に十田撓子さん”. 産経新聞. 2024年4月30日閲覧。
- ^ “受賞者リスト”. 日本現代詩人会. 2024年4月30日閲覧。
- ^ 『現代詩 2018』日本現代詩人会、2018年。
- ^ “大湯ハリストス正教会 鹿角に蒔かれた正教の種”. 北鹿ハリストス正教会. 2024年4月30日閲覧。
- ^ 『現代詩手帖』思潮社、2018年6月号~8月号 2018。