叶井俊太郎

日本のプロデューサー、コラムニスト (1967-2024)

叶井 俊太郎(かない しゅんたろう、1967年9月18日 - 2024年2月16日)は、日本の映画プロデューサー、コラムニスト

かない しゅんたろう
叶井 俊太郎
生年月日 (1967-09-18) 1967年9月18日
没年月日 (2024-02-16) 2024年2月16日(56歳没)
出身地 東京都
国籍 日本の旗 日本
職業 映画プロデューサー
活動期間 1991年 - 2024年
配偶者 倉田真由美

東京都出身。父は元東京新聞記者で経済評論家の磯崎史郎[1]。妻は漫画家倉田真由美

経歴 編集

東京都立園芸高等学校卒業。放送関係の専門学校のラジオ放送科を経て、ハワイに留学、卒業。ハワイから帰国後の1990年、知人の紹介でラジオ局にADとして入社。タイアップ試写会を担当したのがきっかけで映画配給会社の存在を知り、映画業界への転職を志す。

1991年、洋画配給会社ニューセレクトに入社。1994年、グループ会社のアルバトロスに異動、バイヤー兼宣伝担当となる。同社在職中はいわゆるB級映画を買い付け、宣伝した。買い付けた『アメリ』(2001年公開)が興行収入16億円の大ヒット。その後、アルバトロスを退社。

2004年ファントム・フィルムを設立し代表取締役社長に就任するものの、翌年の2005年には同社を退社。大橋孝史とともにトルネード・フィルム(資本金1000万円、東京都渋谷区渋谷2-9-10)を設立し代表取締役社長に就任[2]。だが、2008年、大赤字となり社長から取締役に降格。

いかレスラー』『ヅラ刑事』や『日本以外全部沈没』など、河崎実監督作品を多数、企画、プロデュースを行っている。

2009年9月、漫画家の倉田真由美と結婚[3]。前妻から倉田の分を含め計2000万円の損害賠償訴訟を起こされた[4]

2010年4月1日、トルネード・フィルムは東京地方裁判所に破産申請[2]。負債総額3億円。同月7日に破産手続き開始決定を受けた。

2018年6月、映画配給会社「レスペ」が映画事業から撤退したため解雇[5]された。以後はフリーとなり、web連載を持っている株式会社サイゾーに机を置き、オカルト系ウェブサイトTOCANAで洋画配給の仕事を再開した。

2022年6月に[6]、末期のすい臓がんと診断され、余命半年と宣告されたことを公表[7]。11月7日には、体重は30キロ減り、性欲食欲もゼロで、9月には治療のため入院した際には、治療が激痛で死んだほうがまし。チューブを首にくくりつけたり、屋上に行こうとして医師に止められたことや、がんは肝臓にも転移していることなどを明かしたほか、血の池地獄を見たいから、天国より地獄に行きたい。「末期がん」を免罪符に、あらゆることが〝通りやすい〟などと語った[8]。また、仕事に打ち込み、やり残すことは何もない。家族に残したい言葉もない。半年の余命宣告から11カ月後、生きていることに関し、仕事をやり終え目的がなく耐え難い。生きた証を「本」という形に残すことを決めていた。本来ならば、叶井が亡くなった後に発売される予定だった、10月30日発売の『エンドロール! 末期がんになった叶井俊太郎と、文化人15人の"余命半年"論』発売について、昔から付き合いのある人と真剣に話したことがなかったが、話せてよかった。余生は日常を淡々と過ごせたらいいと言っていたが、対談本の第2弾も考えなけりゃいけない。また死後、葬式をするか否かは家族に任せたとしか言えない。娘は、部活と友達、彼氏に忙しく、自分に対しては執着がなく、それがむしろいいなどとも語った[6]

対談集 『エンドロール! 末期がんになった叶井俊太郎と、文化人15人の"余命半年"論』は10月30日に刊行された[7][6]

2024年2月16日の夜23時ごろに東京都内の自宅で死去[9][10]。56歳没。

人物 編集

  • 叶井俊太郎について妻の倉田真由美は「おばちゃんみたいな男です」と述べている[11]
  • 私生活では離婚歴3回で、女性経験人数が600人以上の「性豪」として知られた[3]2021年小泉なつみによるインタビューで倉田は「昔は“叶井とすれ違った女は妊娠する”と言われたほどギラついた男だったが、今は去勢されたみたいですよ」と述べている[11]

担当した主な作品 編集

映画 編集

ウェブテレビ 編集

コラム連載雑誌 編集

著書 編集

  • 『映画突破伝』(江戸木純との共著、洋泉社、2001年)
  • 『ビッグヒットは五感でつかめ! 「10年後なんて考えられない」という君へ』(主婦の友社、2002年)
  • 『ダメになってもだいじょうぶ—600人とSEXして4回結婚して破産してわかること』(倉田真由美との共著、幻冬舎、2010年)
  • 『突然、9歳の息子ができました』(サイゾー、2011年)
  • 『エンドロール! 末期がんになった叶井俊太郎と、文化人15人の"余命半年"論』(サイゾー、2023年)

脚注 編集

  1. ^ 夫の父親”. 食べたり食べたり 倉田真由美オフィシャルブログ (2014年8月27日). 2024年2月29日閲覧。
  2. ^ a b くらたまの夫が代表を務める映画配給会社、負債3億円で倒産オリコン、2010-04-05
  3. ^ a b くらたま夫妻、入籍後初の2ショットで登場オリコン、2009.10.25
  4. ^ 「くらたま」文春報道に激怒 「略奪婚は事実無根だ!」J-Cast, 2010年05月27日
  5. ^ 『アメリ』以来の手ごたえ! パリ人肉事件の加害者を追った映画『カニバ』を手掛けることになった一部始終”. www.cyzowoman.com (2019年7月1日). 2019年7月4日閲覧。
  6. ^ a b c 【余命半年の宣告】「末期がん患者を撮影するのはおかしい」叶井俊太郎さん(56)が死を恐れない理由…妻・倉田真由美さんへの思いとは|ABEMAエンタメ”. ABEMAニュース (2023年11月3日). 2023年11月21日閲覧。
  7. ^ a b “倉田真由美氏 夫・叶井俊太郎氏がすい臓がんと公表 末期で余命半年”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2023年10月11日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2023/10/11/kiji/20231011s00041000303000c.html 2023年10月11日閲覧。 
  8. ^ 「地獄に行きたい」末期がん叶井俊太郎氏 現在の病状と唯一の〝心残り〟東スポ”. 2023年11月12日閲覧。
  9. ^ すい臓がん闘病していた叶井俊太郎さん逝去、妻の倉田真由美さん「最高の父ちゃんで、最高の夫でした」”. NEWSポストセブン (2024年2月17日). 2024年2月17日閲覧。
  10. ^ “叶井俊太郎氏死去 余命半年宣告から1年半 抗がん剤治療受けず、高額な免疫治療 1週間前「しゃべんのもつらい」”. デイリースポーツ online (株式会社デイリースポーツ). (2023年2月17日). https://www.daily.co.jp/gossip/2024/02/17/0017340482.shtml 2024年2月17日閲覧。 
  11. ^ a b 「70、80まで働くことも想定済み」50歳目前の漫画家・倉田真由美が語る“フリーランスの究極の夢”倉田真由美さんインタビュー #2”. 文春オンライン (2021年6月13日). 2024年2月17日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集