四国(しこく)は、日本列島を構成するの一つである[注 1]

四国
四国及びその周辺(瀬戸内海
所在地 日本の旗 日本
 徳島県の旗 徳島県
 香川県の旗 香川県
 愛媛県の旗 愛媛県
 高知県の旗 高知県
所在海域 太平洋
所属諸島 日本列島
面積 18,297.78[1] km²
海岸線長 2,091[2] km
最高標高 1,982 m
最高峰 石鎚山愛媛県西条市
人口 約356万人(2024年)
最大都市 松山市
プロジェクト 地形
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四国地方のデータ
4県の合計
日本の旗 日本
面積 18,803.41km2[3]
(2015年10月1日)
推計人口 3,562,250
(2024年2月1日)
人口密度 189.4人/km2
(2024年2月1日)
位置
四国の位置
四国の位置
四国内の高速道路網(緑線)および本四架橋を含む県境をまたぐ大規模架橋(青線)。赤星および赤丸は人口上位10都市

北海道本州九州とともに主要4島の一つでもあり[注 2]、この中では最も小さい[7][注 3]。最高標高は石鎚山の1,982mで、福井・石川・岐阜県境の両白山地三ノ峰 (2128m) 以西の西日本では最も高い。面積は18,297.78km2[1]世界の中では、ブラジルバナナル島に次ぐ第50位の大きさである[注 4]

四国とその付随する島(小豆島大三島大島中島伯方島豊島など)を合わせて「四国地方(しこくちほう)」と言う[注 5]。これら付随する島を含めないことを強調したい場合、「四国本土(しこくほんど)」あるいは「四国島(しこくとう)」と呼ぶこともある。
日本の地理・四国日本の地域・四国地方も参照)

四国には徳島県香川県愛媛県高知県の4つのがあり、4県の総人口は約356万人(2024年時点)であり横浜市(約377万人)より少ない[注 6]。(表右下 四国地方も参照)

四国の古代の呼称は、「伊予之二名島」・「伊予二名洲」(いよのふたなのしま)である。

概要 編集

四国地方を構成する4県の中で、徳島県・香川県・愛媛県は島内交流と合わせて、本州四国連絡橋(本四架橋)もあり本州との交流も盛んである。

西南部除く四国全域は近畿地方の影響力を文化的に強く受けているが、東部の徳島県は政治経済においても影響が顕著である。北東部の香川県は文化・経済の両面で岡山県とのつながりも深いが、高松自動車道神戸淡路鳴門自動車道の開通以降は徳島県同様近畿地方との交流もより活発になっている。西部の愛媛県は広島県や九州の大分県との交流が見られる。一方で高知県は陸路が険しく船での往来が発達した関係上、古くから上方、京都、近世は江戸からの影響も強く、政治・文化的な中央への意識が高いとも言われている。近年は高速道路網の発達により、四国内指向が強まっている[要出典]

空海が拓いた四国巡礼八十八箇所お遍路さんで有名。

日本の主要4島の中で、唯一政令指定都市が存在しない。

歴史書における呼称 編集

神々による日本の創造の過程を記した『古事記』の国産み神話では、四国は淡路島に続き、日本列島で二番目に創造された島であるという[8]。古事記には「伊予之二名島(いよのふたなのしま)」と記されている[8]。また『日本書紀』では「四国」を「伊予二名洲(いよのふたなのしま)」と表記している。よって古代においては、「伊予之二名島」・「伊予二名洲」、または単に、「伊予島」・「伊予洲」(いよのしま、いよしま)、「二名島」・「二名洲」(ふたなのしま、ふたなしま)」などと呼ばれた(「フタナ」は二並びの意)。

近世以降は、五畿七道南海道のうち、紀伊国淡路国を除いた阿波国讃岐国伊予国土佐国4つの令制国が存在したことから、「四国」と呼ばれた。歴史書ではないが、16世紀戦国時代を描いた軍記物語として知られる『陰徳太平記』(享保2年(1717年)出版)序に、「山陰山陽四国九州」の記載があり、このような近世の書物において、明確に「四国」という名称を見出すことができる。

地理 編集

 
国際宇宙ステーションから見た中国地方と四国

約1900万年前の日本列島の誕生に伴い、四国の前身が誕生した。瀬戸内海を挟んで、近畿地方・山陽地方・九州に三方を囲まれた位置にある。島の中部には、各県を分断するような形で四国山地讃岐山脈の山々がそびえており、この地形が近年まで各地域間の交流を困難にしていた。

中央構造線吉野川北岸から佐田岬半島にかけて東西に貫いている。構造線以北の内帯(西南日本内帯)に当たる地方では、中生層古生層とこれを貫く火成岩が分布している。構造線以南の外帯(西南日本外帯)に当たる地方では、北側から南側にかけて中生層・古生層が形成された順に配列している。

日本の中では九州に次ぐ第4位[7]、世界の島の中ではブラジルバナナル島に次ぐ第50位の面積を持つ[注 4]。最高標高は、石鎚山の天狗岳(愛媛県)の1,982 m。

広袤(こうぼう) 編集

北端
北緯34度24分1秒 東経134度8分11秒 / 北緯34.40028度 東経134.13639度 / 34.40028; 134.13639 (四国最北端)
西端
北緯33度20分38秒 東経132度0分52秒 / 北緯33.34389度 東経132.01444度 / 33.34389; 132.01444 (四国最西端)
中心点
北緯33度33分39秒 東経133度22分56.5秒 / 北緯33.56083度 東経133.382361度 / 33.56083; 133.382361 (四国中心点)
東端
北緯33度50分2秒 東経134度45分1秒 / 北緯33.83389度 東経134.75028度 / 33.83389; 134.75028 (四国最東端)

南端
北緯32度43分17秒 東経133度0分26秒 / 北緯32.72139度 東経133.00722度 / 32.72139; 133.00722 (四国最南端)

地形 編集

 
四国の主要地形
 
西日本最高峰石鎚山(四国山地)
 
四国最南端足摺岬
 
鳴門の渦潮
 
四万十川

編集

山地・山岳 編集

河川・湖沼 編集

平野・高原 編集

編集

半島 編集

島嶼 編集

瀬戸内海
太平洋

地質 編集

地質学的には、四国は北からおもに三波川帯(ほぼ吉野川がある)、秩父帯四国山地)、四万十層四万十川)がほぼ東西に分布し、その間を中央構造線御荷鉾構造線仏像構造線が走っている[10][11]

気候 編集

瀬戸内海地方

徳島県の吉野川流域以北、香川県全域、愛媛県東予地方中予地方の、瀬戸内海に面した北側は、瀬戸内海式気候に属している。太平洋高気圧に覆われる夏季には瀬戸内海沿岸特有の「」や、四国山地越えのフェーン現象に伴う気流の影響で、猛暑日熱帯夜になる日も少なくない。春には中国大陸から流入する黄砂がしばしば観測される。

年間を通して降水量が少ない(特に冬と盛夏はかなり降水量が少ない)温暖な気候であるため、オリーブミカンの栽培が盛んである。その反面、大規模な河川太平洋紀伊水道に流れ込む形となっているため、水資源に恵まれず、過去幾度かの渇水に見舞われてきた。このため、満濃池を初めとするため池が多数造られている。その中でも特に、香川県は古来から水不足に悩まされ続けており、渇水対策として吉野川の水を送水するための香川用水が建設されている。冬は小雨小雪みぞれ)の降る日もあるが、基本的に晴天が多い。平野部では大雪になることはほとんどないが、山間部では気温が低く冬は積雪も多い。なお、台風等の直撃は比較的少ない。

太平洋側

徳島県のほとんどの地域や、愛媛県南予地方・高知県全域の太平洋に面した南側は、太平洋側気候に属している。春の訪れが早く本土で最初のの開花宣言が高知市または宇和島市となることも少なくない。そのため、特に高知県では促成栽培が盛んであったり、プロ野球チームのキャンプ地になったりと、温暖な気候を生かした産業や行事が発達している。また、太平洋沖合を流れる黒潮の影響を受けて冬でも温暖で、一部で無霜地帯が存在する。

夏季の降水量が多いことから林業も盛んである。また、愛媛県南予地方および高知県幡多地方では、冬は関門海峡からの季節風の影響で曇りや雨、雪の日が他の太平洋側の地域に比べると多くなっている。高知県の室戸岬足摺岬では、夏から秋にかけては台風が来襲しやすいことから「台風銀座」と呼ばれている。このため「室戸台風」などの大型台風が直撃し、洪水などの被害を受けている。なお「室戸台風」では、室戸岬上陸時の中心気圧は911.6hPaであり、日本本土に上陸した台風のなかで観測史上最も上陸時の中心気圧が低い台風だった。これは同緯度の台風における中心気圧の最低記録(台風の正式な統計は1951年昭和26年)から開始されたため、この記録は参考記録扱い)として、いまだに破られていない。

歴史 編集

 
四国の覇者、長宗我部元親

古代 編集

四国は、畿内から南西側に位置しており、海路で移動するために、五畿七道では南紀淡路島と一緒に南海道に含まれていた。近畿九州航路の要所であった四国の西北部に位置する伊予国道後温泉などは、舒明天皇斉明天皇の入浴記録(日本書紀)があるほか、山部赤人額田王の来浴記録(万葉集)もあるなど、古くから栄えていたと思われる。

中世 編集

平氏が都落ちした際、安徳天皇を擁して屋島を一時的な本拠地としたため、この地で源平両軍が争った。室町時代細川氏が讃岐・阿波・土佐の三国を、河野氏が伊予をそれぞれ守護した。

戦国時代の四国の大名としては、三好を拠点とし阿波国から山城国にわたる8国を支配圏に収めた三好長慶、「土佐の小京都」とも呼ばれている中村を拠点とした土佐一条氏伊予国道後湯築城を本拠とした水軍を有する河野氏、讃岐の香川氏土佐国の四国の覇者である長宗我部元親などが高名であるが、長い騒乱の末に収束に向かい、一時は長宗我部氏が四国を統一したものの、やがて豊臣秀吉により平定された。土佐の大名であった長宗我部盛親関ヶ原の戦いで西軍につき改易された。

近世 編集

 
高知城(国の史跡

江戸時代になると、それまで四国各地を治めていた戦国大名は四国から駆逐され、幕府徳川氏の信任厚い諸将がこの地に封じられることになった。初め、讃岐に生駒氏、阿波に蜂須賀氏、土佐を山内氏と一国一円支配を許したが、のちに生駒氏が騒動を起こして改易されると讃岐は二分割統治された。伊予は初めから小大名が配置され、一国統治はされなかった。なお、瀬戸内海の小豆島と塩飽諸島は天領として倉敷代官所の支配下に置かれた。 四国の代表的な藩には、阿波国淡路国を稲田氏の知行地とする蜂須賀氏徳島藩水戸徳川家の分家の高松藩山内氏が治める土佐藩加藤氏久松松平家(親藩)などが領した伊予松山藩仙台伊達氏の分家が治める宇和島藩などであった。

近代 編集

幕末維新において土佐藩が終始政局に関わり続け、土佐藩出身の坂本龍馬らの仲介で薩長同盟がなった。戊辰戦争においても土佐藩は官軍として各地を転戦し功を挙げた。明治期の自由民権運動も元土佐藩士板垣退助らが中心として起こった。それ以前に金陵会議(四国会議)が土佐藩から提唱され、四国をまとめ上げる力となったが、わずか数年で解散を命ぜられた。愛媛県から正岡子規なる文豪が輩出され、明治文化に貢献した。

経済 編集

歴史的には全県が畿内との繋がりの強い地域であったが、陸路交流の活発化と海路交流の衰退により徳島県は近畿地方と、香川県は岡山県と、愛媛県は広島県との経済活動も多くなっている。特に徳島県沿岸部は、日常的に京阪神との経済交流が盛んであり、影響が大きい。太平洋に面し三方を山に囲まれる高知県は特に対外的経済交流が活発な地域はなかった。

近年は高速道路網の整備により島内での交流が高知県を含め各県大幅に増加し、2010年現在では本州ではなく島内での経済的交流が最も盛んとなっている[12]

域内総生産 編集

2017年平成29年度)の四国四県の域内総生産は、名目で14兆5820億5000万円であり[13]、全国の総生産(日本のGDP)に占める経済規模は2.60%だった。これを他の都道府県と比べると、茨城県(13.8兆円)より大きく、静岡県(17.3兆円)より小さい。また、1人当たり県民所得は四県全てにおいて日本の1人当たり平均所得を下回っていた。

平成29年度(2017) 四国各県の県民経済計算
地域 県内総生産(千円) 県民所得(千円) 1人当たり県民所得(千円)
  徳島県 3,156,884 2,297,253 3,091
  香川県 3,845,915 2,919,952 3,018
  愛媛県 5,149,797 3,739,076 2,741
  高知県 2,429,454 1,891,510 2,650
四国 14,582,050 10,847,791 2,863
全国 561,523,371 418,620,499 3,304

工業 編集

四国瀬戸内海側は太平洋ベルト地帯に位置しており、坂出市丸亀市四国中央市新居浜市西条市今治市および松山市などを中心に、瀬戸内工業地域が形成されている。徳島市西条市は、新産業都市建設促進法に基づいて指定される新産業都市(工業開発の拠点地域)であった。

製造品出荷額等
(2020年工業統計)[14]
地域 製造品出荷額等
(万円)
四国 951,405,331
  愛媛県 430,881,751
  香川県 271,158,324
  徳島県 190,812,585
  今治市 105,397,628
  新居浜市 85,002,404
  西条市 79,470,089
  四国中央市 66,913,950
  高知県 58,552,671
  阿南市 49,126,650
  松山市 44,038,026
  徳島市 41,907,259
  香川郡直島町 41,627,305
  坂出市 40,527,486
  高松市 37,131,277
  丸亀市 29,500,730
  鳴門市 25,312,328
  三豊市 24,925,452
  観音寺市 20,364,189
  高知市 17,781,694
  南国市 10,592,009
  板野郡松茂町 9,462,325

人口 編集

各県の人口 編集

都道府県名 ISO 3166-2 全国順位 人口 全国割合 四国割合
  徳島県 JP-36 44 719,559 0.57% 19.47%
  香川県 JP-37 39 950,244 0.75% 25.71%
  愛媛県 JP-38 28 1,334,841 1.05% 36.11%
  高知県 JP-39 45 691,527 0.54% 18.71%
合計 3,696,171 2.93% 100.00%

※順位・人口・割合は令和2(2020)年国勢調査による[15]

年齢構成 編集

年齢5歳階級別人口
2004年10月1日現在推計人口
総計 [単位 千人]

年齢 人口
0 - 4歳      176
5 - 9    186
10 - 14     190
15 - 19     212
20 - 24     223
25 - 29       242
30 - 34      273
35 - 39     237
40 - 44      234
45 - 49      258
50 - 54      312
55 - 59     325
60 - 64      271
65 - 69      249
70 - 74      247
75 - 79      213
80歳以上       262

年齢5歳階級別人口
2004年10月1日現在推計人口
男女別 [単位 千人]

年齢
90      0 - 4歳     86
95      5 - 9     91
98       10 - 14     92
107       15 - 19       105
112    20 - 24   111
120    25 - 29    122
134      30 - 34     139
114    35 - 39     123
114    40 - 44    120
126     45 - 49     132
154      50 - 54     158
161      55 - 59     164
128    60 - 64      143
114    65 - 69      135
108       70 - 74     139
88      75 - 79     125
83      80歳以上       179


人口の増減 編集

2010年国勢調査時の四国における自治体は95市町村であるが、そのうち2005年国勢調査と比べ人口が増加したのは8市町のみでそれ以外の87市町村は全て減少している。そのため四国全体はもとより、県単位でも4県全てで減少となっている。県別にみると最も減少率が高いのは高知県の▽4.00%で、以下、徳島県▽3.02%、愛媛県▽2.47%、香川県▽1.64%と続く。逆に、増加した自治体は香川県の3市町、徳島県の3町、愛媛県および高知県のそれぞれ1市である。県庁所在地別では増加したのが高松市松山市のみで北四国南四国で明暗が分かれる形になったが、徳島県の増加3町はいずれも徳島市に隣接したベッドタウンである。県庁所在地以外では徳島県の上記3町のほか、香川県第二の都市である丸亀市とそこに隣接する綾歌郡宇多津町、高知県香南市で人口が増加した。愛媛県では県庁所在地である松山市以外で人口が増加した市町村は存在しなかった。

最も減少率が高い高知県土佐郡大川村は唯一の▽20%越えとなっているほか、上位6位までが全て高知県の自治体となっている。その他の減少率が高い自治体には、概ね南四国の太平洋沿岸や中央部の四国山地に位置する自治体が多い。

増加自治体
減少自治体(▽20%以上)
減少自治体(▽10%-▽19%)
減少自治体(▽5%-▽9%)
減少自治体(▽4%以下)

将来展望 編集

厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所が発表した『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』で、2045年の四国4県の総人口は282万3千人で、15年に比べて102万3千人(26%)減少することがわかった。ただ40年時点では前回推計を上回り300万人台を維持するなど減少ペースに緩和傾向も見られる。

同研究所は人口推計を5年ごとにまとめて公表している。全国の総人口に占める四国4県の比率は15年の3.0%から45年には2.7%に低下する。4県では高知県が鳥取県に次いで全国で下から2番目(15年時点は同3番目)になる。近年の出生率の改善傾向を背景に、前回調査時より人口減少ペースが鈍化する傾向が見られた。四国全体では40年時点の人口は前回調査の295万5千人よりも5万1千人多かった。香川が4万2千人、愛媛が6千人、徳島が3千人それぞれ上回った。一方、高知は71人とわずかながら前回を下回った。

地域による格差も目立つ。45年と15年の人口を比べると、高松市が1割減にとどまるほか、瀬戸大橋周辺の自治体の減少率は小さい。徳島市のベッドタウンである徳島県北島町は四国で唯一増加する見通し。一方、中山間地では高知県大豊町が7割減、愛媛県久万高原町が6割強の減少を見込む[16]

地域 編集

四国には突出して大きな都市がなく、地形的制約から各県に独立した都市圏が存在する。また、古くから海上交通が盛んであったため、各地ともに対岸との交流も盛んである。

四国地方を便宜的に2つの地域に分ける場合がある。

  • 北四国(瀬戸内海側。香川県・愛媛県)と南四国(太平洋側。徳島県・高知県)
  • 東四国(東部。徳島県・香川県)と西四国(西部。高知県・愛媛県)

各地域とのつながり 編集

どの出発地からも対四国内への流動が最も多く、全体の流動数に占める割合は最低でも50%、最高で95%を占めている。四国内の県庁所在地別では、特に高松市が位置する香川東部が目的地として全てで首位となっているほか、四国外との流動では、徳島は神戸、香川東部は岡山県南、松山および高知は東京23区が最も多くなっている。全ての出発地別からは5位以内に香川東部・高知中央、6位以内に香川西部、8位以内に新居浜、11位以内に松山、12位以内に東京23区・大阪・岡山県南、14位以内に徳島を四国内全ての出発地が目的地としている。

かつては、「徳島近畿大阪神戸)を向き、高松岡山を向き、松山広島を向き、そして高知太平洋(または東京)を向いている」と言われ、「四国は一つ一つ」などと風刺されることもあった。しかし、20世紀末から高速道路網の整備によって四国内の相互交流が深まり、21世紀初頭にはそれまで盛んだった本州の都市を凌駕するに至った。

1990年(平成2年)時点での状況は徳島、高松、松山とも四国外との交流人口の方が多く、高知のみ四国内との交流の方が多かったが、流動数自体が非常に少なかった。四国外との繋がりでは徳島は京阪神、香川東部は岡山県南、松山は広島・大阪、八幡浜は大分といった地域と強く、特に香川東部と岡山県南との流動数は他に突出して多かった。

1990年(平成2年)と2010年(平成22年)の変化では、四国全域で四国内の相互交流が非常に活発になったこと、目的地としての流動が香川東部に集中することにより同地域が交流の中心としての性格を強めたことが挙げられる。また大きな変化として香川東部における徳島と岡山県南の関係性が逆転し、さらにその数も1990年の岡山県南よりも2010年の徳島の方が多く、圧倒的な差がついている。

2010年(平成22年) 全交通機関の生活圏別年間流動先の順位(県境を越えた移動)(単位:千人)[17]
出発地→
↓目的地
順位
徳島県 香川県 愛媛県 高知県
徳島 三好 南部 東部 西部 松山 新居浜 今治 宇和島 八幡浜 中央 幡多 高幡 安芸
1 香川東部
405万7
香川西部
99万2
高知安芸
24万6
徳島
390万3
新居浜
182万8
香川東部
73万7
香川西部
199万2
香川東部
13万6
高知幡多
98万5
香川東部
12万4
香川東部
73万7
宇和島
119万5
宇和島
29万6
徳島南部
28万3
2 香川西部
92万1
香川東部
33万3
香川東部
22万2
岡山県南
138万5
徳島三好
93万6
高知中央
61万3
香川東部
81万2
香川西部
11万4
高知高幡
29万8
高知高幡
9万8
松山
68万0
香川東部
5万8
八幡浜
6万3
香川東部
6万1
3 高知中央
54万1
高知中央
31万5
高知中央
16万8
新居浜
79万2
徳島
88万1
香川西部
48万9
高知中央
54万4
広島備後
11万2
高知中央
13万5
香川西部
8万1
徳島
56万8
松山
4万1
新居浜
5万7
新居浜
5万6
4 新居浜
37万6
新居浜
26万7
香川西部
2万6
高知中央
66万7
岡山県南
70万3
東京23区
28万1
徳島三好
30万1
高知中央
7万0
香川東部
2万1
高知中央
8万1
香川西部
51万8
徳島
2万8
徳島
4万8
香川西部
1万7
5 松山
29万9
松山
6万6
大阪
2万1
松山
63万9
高知中央
52万6
徳島
25万8
徳島
28万4
徳島
6万1
香川西部
1万8
大分
6万2
新居浜
51万5
香川西部
2万0
香川東部
4万7
徳島
1万6
6 神戸
23万4
岡山県南
1万7
東京23区
1万8
徳島三好
49万4
松山
49万2
広島
25万1
岡山県南
12万5
東京23区
5万3
大分
1万5
徳島
4万4
徳島三好
26万6
八幡浜
1万6
香川西部
4万3
宇和島
1万5
7 岡山県南
22万5
今治
1万5
神戸
1万7
東京23区
36万7
今治
17万1
大阪
14万6
東京23区
8万4
広島
2万8
東京23区
1万3
岡山県南
1万9
東京23区
19万1
東京23区
1万3
松山
1万6
東京23区
1万1
8 大阪
21万7
大阪
1万3
新居浜
1万7
徳島南部
31万9
東京23区
12万1
岡山県南
13万9
高知高幡
5万4
岡山県南
2万0
広島
1万2
東京23区
1万8
岡山県南
13万4
新居浜
9
東京23区
1万2
岡山県南
1万1
9 東京23区
20万9
広島
8
東大阪
1万3
大阪
24万3
大阪
10万2
徳島三好
10万2
高知安芸
5万3
大阪
1万8
高知安芸
1万2
大阪
1万6
徳島南部
12万3
今治
9
徳島南部
8
松山
1万1
10 淡路
12万9
八幡浜
8
兵庫尼崎
1万3
広島
17万4
広島
8万1
横浜
9万9
大阪
4万8
神戸
1万4
福岡
9
広島
1万6
宇和島
11万0
岡山県南
8
岡山県南
6
大阪
7
11 兵庫尼崎
10万0
高知安芸
6
松山
1万2
神戸
14万8
神戸
7万3
福岡
7万7
広島
3万8
徳島三好
1万3
大阪
8
福岡
1万1
八幡浜
9万7
大阪
4
大阪
5
神戸
7
12 京都
9万6
東京23区
5
岡山県南
1万1
今治
13万2
八幡浜
6万2
千葉
7万5
神戸
2万7
埼玉浦和
1万2
岡山県南
8
静岡西部
9
大阪
9万1
大阪豊中
4
京都
4
東大阪
3
13
8万6
東京多摩
5
高知高幡
1万1
八幡浜
11万1
大阪豊中
4万8
高知幡多
7万2
東大阪
2万1
横浜
1万0
神戸
7
高知幡多
8
広島
7万0
埼玉浦和
3
大阪豊中
4
徳島三好
3
14 大阪豊中
7万6
兵庫尼崎
4
沖縄南部
1万0
京都
9万9
広島備後
4万8
神戸
6万9
愛知豊田
1万8
東大阪
8
徳島
7
東京多摩
7
横浜
6万0
東京多摩
3
兵庫播磨
4
今治
3
15 東大阪
6万4
高知幡多
4
京都
8

9万5
東大阪
4万4
京都
5万4
兵庫尼崎
1万7
東京多摩
6

4
徳島三好
7
今治
5万3

3
今治
3
その他
3以下
合計 873万8 210万5 90万0 1118万5 677万4 448万5 473万9 79万9 161万8 68万0 502万4 145万6 64万6 53万7
人口当たり 13.8 46.8 8.3 18.8 16.8 6.9 14.6 4.6 13.0 4.3 9.1 15.4 10.5 10.0
うち
対四国内
638万6 201万1 70万8 724万8 499万2 231万1 406万2 40万2 147万6 44万5 366万7 138万0 58万2 46万7
73.1% 95.5% 78.7% 64.8% 73.7% 51.5% 85.7% 50.3% 91.2% 65.4% 73.0% 94.8% 90.1% 87.0%
うち
対大都市
172万9 5万4 13万4 184万5 74万5 124万8 42万1 18万2 7万1 9万3 90万6 5万2 4万2 4万6
19.8% 2.6% 14.9% 16.5% 11.0% 27.8% 8.9% 22.8% 4.4% 13.7% 18.0% 3.6% 6.5% 8.6%
うち
対他地方
61万8 3万9 5万2 208万6 103万4 92万1 25万5 20万9 6万6 13万8 44万4 2万0 1万7 2万0
7.1% 1.9% 5.8% 18.6% 15.3% 20.5% 5.4% 26.2% 4.1% 20.3% 8.8% 1.4% 2.6% 3.7%
徳島 三好 南部 東部 西部 松山 新居浜 今治 宇和島 八幡浜 中央 幡多 高幡 安芸
徳島県 香川県 愛媛県 高知県
  • 「合計」は生活圏間ではなく県境を越えた人数。
  • 「人口当たり」は合計を人口で割った数で、この数値が高いほど日常的に県境を越えた交流が多いことを示す。
色分け
生活圏区分 - 2010年(平成22年)国勢調査

この他にも、高速道路の最大志向先(最も多くの車両が目指す目的地)は四国各県とも高松であり、四国地方では高松を中心とした相互交流が根付いている。このように地域ブロックの代表的な都市に人の流れが集中し、中心性を高める傾向は年々顕著になっている[19](詳細は#高速道路を参照)。

四国島内の交流に関して、高速道路のエックスハイウェイ化以後は四国アイランドリーグ(現・四国アイランドリーグplus)の発足などによって、より一体感を強める傾向にあり、各県それぞれの歴史や役割を生かした連携を深める段階に入っている。今後、四国4県が一つの地域として一体となった文化・経済活動や観光誘致が進んでいくと予想されている(「青い国四国」キャンペーンなどの実績もある)。

都市圏 編集

都市雇用圏に拠る「都市圏」は以下の通り[20]。※2010年(平成22年)国勢調査基準

  1. 高松都市圏人口799,712人、面積1,360.31km²、人口密度588人/km²。(2024年3月1日、推計人口
  2. 松山都市圏人口617,818人、面積957.05km²、人口密度646人/km²。(2024年3月1日、推計人口
  3. 徳島都市圏人口553,618人、面積2,160.11km²、人口密度256人/km²。(2024年2月1日、推計人口
  4. 高知都市圏人口485,968人、面積1,918.69km²、人口密度253人/km²。(2024年3月1日、推計人口
  5. 新居浜都市圏人口212,511人、面積744.51km²、人口密度285人/km²。(2024年3月1日、推計人口
  6. 今治都市圏人口144,352人、面積419.21km²、人口密度344人/km²。(2024年3月1日、推計人口
  7. 宇和島都市圏人口78,239人、面積808.49km²、人口密度96.8人/km²。(2024年3月1日、推計人口
  8. 四国中央都市圏人口78,978人、面積421.24km²、人口密度187人/km²。(2024年3月1日、推計人口
  9. 四万十都市圏人口63,877人、面積1,295.02km²、人口密度49.3人/km²。(2024年3月1日、推計人口
  10. 八幡浜都市圏人口37,286人、面積226.48km²、人口密度165人/km²。(2024年3月1日、推計人口

国勢調査において総務省統計局の定義する都市圏としては松山都市圏が四国で唯一掲載されている。その他、東瀬戸経済圏(瀬戸内をはさむ地域を経済的に一体としてみる統計上の呼称)などがある。

2000年(平成12年)調査から2005年(平成17年)調査では各都市圏の枠組みが変化する事例が見られた。具体的には、平成の大合併によって郊外自治体が中心市に編入されたり、丸亀都市圏のようにモータリゼーションの浸透による他都市の郊外化で都市圏自体が消滅したり、逆に西条都市圏のように既存の都市圏から離脱して新たな都市圏を形成する自治体も見られた。

主要都市 編集

四国地方4県の主要都市を掲載する。
四国地方の主要都市

 
  松山市
 
  高松市

# 都市名 県名 人口 # 都市名 県名 人口

 
  高知市
 
  徳島市

1   松山市   愛媛県 500878人 11   阿南市   徳島県 66419人
2   高松市   香川県 410574人 12   三豊市   香川県 58670人
3   高知市   高知県 316676人 13   観音寺市   香川県 55038人
4   徳島市   徳島県 246801人 14   鳴門市   徳島県 52220人
5   今治市   愛媛県 144352人 15   坂出市   香川県 48622人
6   新居浜市   愛媛県 111660人 16   さぬき市   香川県 44555人
7   丸亀市   香川県 108062人 17   南国市   高知県 45724人
8   西条市   愛媛県 100851人 18   大洲市   愛媛県 38164人
9   四国中央市   愛媛県 78978人 19   吉野川市   徳島県 36648人
10   宇和島市   愛媛県 65819人 20   小松島市   徳島県 34413人

四国には飛び抜けて大きな都市はないが、4つの県庁所在地に人口がある程度集中し、各県におけるプライメイトシティとなっている。 その他は中規模な都市であり、人口10万人を超える市でさえ長らく新居浜市と今治市の2都市しかなかった。

平成の大合併の結果、松山市が50万人、高松市が40万人の大台に乗り、新たに西条市と丸亀市が10万人を超え、今治市も17万人に増大した。 しかし、人口動態は松山市と高松市と丸亀市が横ばいであるものの、その他の都市は、大きく減少してしまっている。

政令指定都市
  • 該当市無し
中核市
施行時特例市
  • 該当市無し
その他

上記以外の県庁所在地

各県の表示順 編集

各県の表示順は以下のようにさまざまな表示順が存在する。(当事典では地方公共団体コードの表示順を使用)

  • 全国地方公共団体コードでの表記。これが主に公式に用いられる。
    • 徳島県 (36), 香川県 (37), 愛媛県 (38), 高知県 (39) の順。
  • 宇高連絡船開設以降、長年に亙って香川県が四国の玄関口であったという理由で、香川始まりの表記
    • 香川県、徳島県、高知県、愛媛県の順。- 時計回り(郵便番号上二桁が順に76〜79)
    • 香川県、愛媛県、高知県、徳島県の順。- 反時計回り(エヌ・ティ・ティ・ドコモ四国など)
    • 香川県、徳島県、愛媛県、高知県の順。- 北から
    • 香川県、愛媛県、徳島県、高知県の順。- 北からを意図したが、愛媛県と徳島県の位置関係を誤解したのかもしれない。
  • 4県庁所在地の人口規模順
    • 愛媛県、香川県、高知県、徳島県の順。
  • その他
    • 愛媛県、香川県、徳島県、高知県の順。- 時計回り(NHK松山放送局の天気予報)

四国の「中心」 編集

高松市松山市の間では以前から「四国の中心都市」という座を巡って論争が繰り返されているが、特に近年は道州制に伴う州都(道都。以下では「道都」と表記する)の誘致に関連した論争が激化している。以下の都市がそれぞれ中心とされ、競合している。(→四国の道州制論議日本の道州制論議

四国の中央 編集

徳島県三好市
昔から交通の要衝であったことから「四国のへそ」と呼ばれる。三好市池田町を縦断する吉野川には、それに因んだ名称のが架かっている(池田へそっ湖大橋四国中央橋など)。三好市山城町では、高知県から流れてきた吉野川に、愛媛県から流れて来た銅山川が合流する。昭和初期にはタバコ産業で繁栄しており、四国を代表する都市の一つであった。
愛媛県四国中央市
 
四国中央市(旧川之江市地区)の市街地
四国4県庁所在地を結ぶ高速道路網・エックスハイウェイのX字が交差する位置に当たる点、徳島と松山から等距離に位置する点、また合併当時、愛媛県を含む4県と接する唯一の自治体であった点から、合併の際に命名された(現在は三好市も同様に四国4県と接する自治体である)。将来、道州制が施行された際の道都を目指している。また、四国中央市に隣接し、より大きな人口を持つ愛媛県新居浜市も州都を目指している。

四国の玄関 編集

徳島県鳴門市
 
大鳴門橋
明石海峡大橋開通後、鳴門海峡に架かる大鳴門橋の交通量は瀬戸大橋を上回るようになり、新たな四国の玄関としての側面を持ち始めているが、徳島と和歌山を結ぶフェリーの人気も衰えるところを知らない。
3ルートから四国入りする場合、兵庫以西(中国・九州)と兵庫以東(前者以外)の人口を比べると17%:83%であり、圧倒的に神戸鳴門ルートを選択する場面が多くなる。神戸淡路鳴門自動車道の全通直後では、鳴門IC付近にある徳島トラックステーションを利用するトラックの増加が目立った。
また京阪神方面への高速バスは一端は年々増加、屈指のドル箱路線までに成長していたが、近年はETC大幅割引の影響で減便・廃止が出始めている[21][22][23]。近年では、四国の高速道路網が充実してきたことから、松山市、高知市や高松市を出発して京阪神首都圏へ向かう高速バスや農産物を積んだトラックが、鳴門を通過するケースが顕著になってきた。今後、徳島県内の高速道路の整備や4車線化が進めば、鳴門が四国の玄関口としてさらに重要な場所になる可能性もある。なお、宇高連絡船が開設される以前の本四間の移動は、大阪府深日から船で淡路島洲本市へ渡り、淡路鉄道などを利用して洲本から福良まで淡路島内を移動、福良から船やフェリーで鳴門へ渡るというのが最も一般的なルートであった(福良・鳴門間は日本最古のフェリー航路)。そういう意味では「鳴門が新たな四国の玄関口になった」というよりも、「鳴門が再び四国の玄関口になった」といえる。

尚、九州地方の東端にある大分県は、四国地方の影響を受けており、鳴門うどんのような四国文化の影響も強いが、四九フェリーの接続により、海路による九州大陸と四国大陸の往来は、非常に容易であるため、将来的に建設が予定されている第二本州新幹線ルート沿いに、海路を用いた往来が、山陽道と並行して、今後は増加することが期待されています。

本州四国連絡橋公団の交通量のページ

香川県坂出市宇多津町
 
瀬戸大橋と、袂に広がる番の洲工業地帯(坂出市)
瀬戸大橋開通で、高松に代わる新たな四国の玄関口として注目された。橋の開通と併せて、新宇多津都市などの大規模開発が当時のバブル景気の中で進められたが、その後の明石海峡大橋の開通で、自動車による流動が神戸鳴門ルートに移動する傾向が見られている。しかし鉄道では現在も四国の玄関として、車窓では高層ビルも姿を見せている。
愛媛県今治市
上記2ルートに比べ本四間県境断面での交通量は劣るが、瀬戸内しまなみ海道によって本州と接続している。また、しまなみ海道以外にも安芸灘とびしま海道が広島県との県境断面を有しており、四国で唯一本州に至る道路を複数持つ。古くは瀬戸内海の航路の中心地として栄えたが、本四架橋の建設、航路の再編などにより港の付近が活力を失っている。また、大規模な合併により、周辺部は過疎の進行が激しい。人口は四国内では大きい方で、県庁所在地を除く自治体としては最大、また工業出荷額も四国最大である。海運造船業は国内有数の規模がある。

四国最大の都市 編集

香川県高松市
 
旧高松桟橋駅構内を再開発した高松市のサンポート地区
本州と近距離にあることや、かつて宇高連絡船が運航していたことから、現在でも高等裁判所高等検察庁などの官庁地方支分部局(四国を管轄する出先機関)のほとんどが集まっている(一部松山市高知市に所在する)。また、四国全域を営業区域とする四国電力JR四国などの企業の本社や、全国的な大企業の四国本社・支社・支店なども高松市に立地することが多い。しかし、1988年(昭和63年)4月10日瀬戸大橋開通や1998年(平成10年)4月5日明石海峡大橋の開通による物流網の変化で、四国の玄関口としての機能は変化しつつあり、官庁や企業の管轄エリアが中国・四国地方に拡大した結果、高松における拠点が縮小傾向にある。
近年[いつ?]では、サンポート高松建設や丸亀町商店街再開発事業での『丸亀町グリーン』の建設、道州制施行後の州都の誘致によって、拠点都市の座を確固たるものにしようとしている。平成の大合併時には周辺の町を編入し人口42万を抱える都市となり、都市雇用圏における都市圏人口も四国最大の84万人である(中四国においても第3位の人口規模)。また、栗林公園『ミシュラン・グリーン・ガイド・ジャポン』に最高評価の3つ星に選定されている。
愛媛県松山市
 
松山市の中心部(一番町)
夏目漱石の小説「坊っちゃん」の舞台である松山市は、元より四国最大の人口を抱える都市であったが、平成の大合併により人口51万人を突破しており四国で唯一、総務省統計局により都市圏と規定された松山都市圏(72万人)を形成している(中四国においても第3位の人口規模)。国の出先機関としては四国総合通信局が存在し、これに関連して企業分野においてもNTTグループの四国支店、日本郵便グループの四国支店、NHK松山放送局(四国地方の基幹局)などが立地している。
松山空港の旅客利用者数・貨物取扱数・運航路線数は最多であり、中四国地方で見た場合も最多となっている[24]。鉄道駅における利用者数もJR四国・私鉄を含めて伊予鉄道松山市駅が四国最多となっており、松山市における明確な拠点を形成している。海上交通も盛んで、松山港には、広島・九州各地から旅客船が就航している[25]
また観光面においては、『ミシュラン・グリーン・ガイド・ジャポン』において最高評価の3つ星に選定された、日本最古の道後温泉本館[26][注 7]や、2つ星に選定されている現存12天守の一つである松山城などで有名な観光都市があり、国からは法令で国際観光文化都市の指定を受けている。
2010年代になってからは市街地の再開発が行われ、ホテルの建設[27]JR松山駅周辺の高架整備[28]外環状道路の延伸[29]が進んでいる。また、路面電車の松山空港方面への延伸計画[30]が本格化するなど四国最大の観光都市としての都市機能充実が図られている。

教育 編集

国立大学 編集

公立大学 編集

私立大学 編集

高等専門学校 編集

交通 編集

四国は、古くから、畿内から地理的には比較的近距離に位置しながら、での移動を余儀なくされていた。かつては大阪府深日から船で淡路島洲本市へ渡り、淡路鉄道などを利用して洲本から福良まで淡路島内を移動、福良から船やフェリーで、鳴門へ渡るというのが最も一般的なルートであった[要出典]。これに関連して、淡路島の名の由来の一説に、阿波へ行くみちの意味で「阿波路島」だとする説もある[要出典]

島民が本州と往来する場合は、瀬戸内海に架橋されるまで、船舶を用いるのが常であった(昭和に入ってからは航空路も)。

が本州との往来を不便にしていた一方で、においてはこの島の地形が島内の往来を阻んだ。四国を横断するように四国山地が走っており、長大トンネルの土木技術が確立するまで鉄道や道路の整備は困難を極めた。

鉄道交通は当初本州山陽本線に連絡する形で伊予鉄道讃岐鉄道などが建設され、その後各県ごとに土佐電気鉄道徳島鉄道などの路線が整備されてゆき、各県の県庁所在地がお互いに鉄道で移動できるようになったのは昭和初期になった頃である[要出典]

20世紀に入って鉄道が整備されるにつれ、四国内・本州双方に対する交通至便性から高松市に企業の四国支店等が置かれた。20世紀末頃からは四国内の高速道路網の急速な進展や3本の本州四国連絡橋が架けられたこともあってモータリゼーションが進行し、長距離移動手段の中心がそれまでの鉄道から自家用車高速バスへ変化した。このことにより京阪神・淡路島に近い鳴門市が再び交通の要衝となりつつある。一方で、フェリーは高速バスに客を取られたために21世紀に入ってからは縮小や廃止が相次いだ。

 
都道府県別の軽自動車保有比率(2016年3月末)

なお、四国4県の「全自動車に対する軽自動車の保有シェア」(2016年3月末現在、全国平均39.0%)は51.0%と、地方別では唯一半数を超えている[31]軽自動車は、普通車と比べて安価な料金設定になっており、おおむね普通車よりも燃費も良いため、四国ではマイカー移動が交通手段として定着している。

四国および周辺県の県庁所在地における通勤・通学に用いる交通手段(2010年国勢調査)
都市名 人力系 公共交通機関 自家用車系 その他 出典
徒歩 自転車 鉄道 乗合バス 貸切バス タクシー 自家用車 オートバイ
徳島市 5.51% 26.13% 31.64% 1.54% 2.58% 0.40% 0.24% 4.76% 57.31% 6.21% 63.52% 5.06% [32]
高松市 5.44% 23.43% 28.87% 7.95% 1.82% 0.41% 0.16% 10.34% 57.45% 6.60% 64.05% 3.17% [33]
松山市 6.31% 27.80% 34.11% 5.59% 2.36% 0.34% 0.29% 8.58% 45.14% 15.03% 60.17% 3.54% [34]
高知市 4.98% 27.24% 32.22% 3.42% 2.81% 0.37% 0.38% 6.98% 52.30% 10.83% 63.13% 4.28% [35]
岡山市 5.02% 24.85% 29.87% 7.45% 4.63% 0.43% 0.23% 12.74% 56.91% 4.43% 61.34% 3.76% [36]
広島市 8.60% 21.20% 29.80% 17.16% 13.54% 1.06% 0.44% 32.20% 35.61% 8.86% 44.47% 5.53% [37]
全国 6.88% 15.98% 22.86% 24.82% 7.40% 1.14% 0.22% 33.58% 47.51% 3.87% 51.38% 4.38% [38]

全国平均と比較した四国全体の傾向として、公共交通機関鉄道電車バスハイヤータクシー)の割合が極端に低く、相対的に人力系(徒歩自転車)と自家用車系(自家用自動車オートバイ)の占める割合が高くなっている。徳島市はその傾向が最も顕著で、高知市は四国の平均値に近似している。松山市は人力系の割合が比較的高く、公共交通機関の割合も平均よりは高いほか、自家用車系に関してはオートバイの割合が突出して高い一方で、自家用車割合の低さがそれを相殺しているため、結果自家用車系の割合が4県中最も低くなっている。特徴的なのが高松市で、自家用車系の割合は四国各地と同様に高いばかりか最高値を示している一方、四国全体の傾向とは逆に公共交通機関の割合も高いばかりかこれも最高値を示し、人力系割合の低さを吸収する結果となっている。また、高松市の公共交通機関の割合は鉄道に大きく偏っており、バスおよびタクシーの割合は最低となっている。

鉄道 編集

 
松山 - 岡山・高松を結ぶ予讃線の特急しおかぜいしづち
 
土讃線高知駅のドームに覆われたホーム

JR四国は、高松と松山・高知・徳島の都市間を結ぶ各線と岡山を結ぶ瀬戸大橋線をメインルートとする。電化区間は予讃線の高松 - 松山 - 伊予市と瀬戸大橋線、土讃線の多度津 - 琴平。複線区間は予讃線の高松 - 多度津と瀬戸大橋線の一部のみである。

日本の主要4島の中で唯一新幹線が走行していない。

国鉄時代、比較的早期に無煙化(蒸気機関車からディーゼル車輌へ置換)し、自動信号化が推進されたが、その後は設備や施設の改善が後回しにされ、国鉄末期まで四国島内の国鉄線に電化区間が存在しなかった。2006年現在でも、香川県と愛媛県を結ぶ予讃線の一部など、積極的に電化・高速化促進した区間を除いて、島内のほとんどのJR線は未だ電化されていない。

また、電化区間の一部のトンネルでは車幅制限のため、本州規格の車両が使えず、本州線との直通運転に不都合が生じていたり、単線区間が多いにもかかわらず、過度の輸送量増加によって生じたダイヤの過密傾向の弊害で、多くの待避線に常に交換や優等待ちの列車を待避させており、これ以上のダイヤの過密化に拍車を掛ける高速化は好ましくないなど、解決しなければならない難問が山積していた。

民営化後、各都市間の路線は順次高速化されたが、山がちな地形による線形の悪さと、単線のために増発ができないことなどから、年々整備の進む高速道路網を利用した高速バスに対抗できなくなりつつある。また、もともと海運が盛んな上に、鉄道の本四連絡が1経路であるのに対し、道路は3経路あり、観光ルートが分散されたこともあり、各交通機関との競争は非常に激しい。

抜本的な高速化として四国新幹線計画があり、2011年以降、基礎調査の結果を受けて、整備計画への格上げを求める誘致活動が活発化している(詳細は四国新幹線のページを参照)。早ければ、37年にリニア中央新幹線新大阪駅延伸が実現し、三大都市圏が一体化した「スーパーメガリージョン」の形成が見込まれる。四国新幹線整備促進期成会では、これに合わせて2037年の四国新幹線開業を目指している。

香川・愛媛・高知の各県にある私鉄各線は県都の近郊輸送を担っている(徳島県には第三セクターではない純粋の民営鉄道路線は存在しない)。

四国旅客鉄道
私鉄・第三セクター線
 
四国初の鉄道路線である伊予鉄道高浜線を走る610系電車
 
伊予鉄道市内線(城南線)を走る2100形電車(左)5000形電車(右)
 
高松琴平電気鉄道の本線格である琴平線を走る1100形電車(元京王初代5000系
 
とさでん交通桟橋線はりまや橋付近を走る735形電車(元ドイツ・シュトゥットガルト市電)
未成線(計画中もしくは過去に計画のあった路線)

バス 編集

高速路線
本四架橋(後述)や島内の高速道路の整備により、各県都間や島内と本州を結ぶ路線が多数開設されている。
特に徳島や高松と京阪神を結ぶ高速バス路線は日本でも屈指のドル箱路線に成長しており、日中毎時3〜4本ほどの便が設定されている。
しかし、近年はETC大幅割引の影響で減便や廃止が出始めている[21][22][23]
一般路線
好調な高速バスに対して、香川県の多度津以西では全てのバス路線が廃止されるなど、各都市内の一般バス路線は厳しい状況に置かれていると言える。
しかしながら、愛媛県内と徳島近郊に限った場合は、東予やしまなみ海道沿いでは瀬戸内運輸(と子会社の瀬戸内海交通)が、中予では四国で唯一オムニバスタウンに指定されている松山市を中心に伊予鉄バスが、南予では宇和島自動車伊予鉄南予バスが、徳島近郊では徳島バス徳島市営バスなどがそれぞれ高頻度のサービスを展開している。
また他県でも自治体の補助によるコミュニティバス路線の開設など、少しずつではあるが四国の一般路線バス事情も改善されてきている。

本四架橋 編集

 
大鳴門橋
 
瀬戸大橋(岩黒島橋、櫃石島橋)
 
来島海峡大橋
 
岡村大橋

本州四国連絡橋として、鳴門市神戸市坂出市倉敷市今治市尾道市の3本のルートがある。このうち、瀬戸大橋が鉄道(複線直流電化)と高速道路の併用橋であり、大鳴門橋は将来的に併用できる設計になっている。その他は道路専用橋である。また、瀬戸内しまなみ海道(尾道・今治ルート)には、歩行者・自転車・原動機付自転車(125cc以下)の専用道路も併設されている[39]

当初は、最初に完成し、宇高連絡船(2019年休止)があったことなどから瀬戸大橋が本四間の基幹ルートとして位置付けられていたが、その後は全線完成した神戸鳴門ルートに本州・四国間の流動が移動しつつある。これは、日本の主要な大都市圏のほとんどが四国以東の地域に位置しており、大都市圏の一つである京阪神神戸淡路鳴門自動車道が最短距離で直結していることが、大きな要因として挙げられる。

なお、上記3ルート以外に本四間の県境断面を持つ道路として、広島・愛媛県境を跨ぐ岡村大橋が存在する。これは広島県の離島架橋事業である安芸灘諸島連絡架橋(安芸灘とびしま海道)の一部であり、本州へは接続されているものの、四国本土へは接続されていない。ただし、本州と四国地方を接続していることには違いないため、「裏しまなみ海道」や「第4の本四架橋ルート」と冗談交じりに呼ばれることがある。

道路網 編集

高速道路 編集

四国は、国内で高速道路の整備が特に遅れた地方であった。四国で最初に高速道路が計画されたのは徳島自動車道であり、最初の開通は1985年松山自動車道三島川之江IC土居IC間である(沿道には四国における高速道路発祥の地と書かれた看板がある)。その1986年度末における高速道路整備率は、全国が34%であったのに対し、四国は2%と非常に低い水準であった[40]

以後、急速に整備が進んだ結果、2000年には四国4県庁所在地が高速道路で結ばれる「エックスハイウェイ」が完成、2002年度末には整備率が66%に達し、遂に全国水準の63%を上回った[41]。現在は松山自動車道の南予方面への延伸、高知自動車道の高知県西部方面への延伸、四国横断自動車道の徳島県南部方面への延伸(鳴門JCT阿南IC)、そのほか高速道路空白地帯解消のため阿南安芸自動車道高知松山自動車道等の建設工事が順次進められており、「四国8の字ネットワーク」を目指している。

高速道路網の整備はモータリゼーションの進行と相まって、それまで沈黙状態であった四国内の相互交流を活発化させる結果となった。1990年時点における高松市と松山市を出発地とする最大流動先はそれぞれ四国外の都市(岡山市、広島市)であったが、1995年以降は四国内の都市(徳島市、高知市)に変わり、同様に徳島市と高知市も全体の流動数そのものが四国内に向けて増加している[18]

当初は、これら高速道路網充実の副作用としてストロー効果による大阪都市圏への経済流出の可能性が指摘され、実際に大阪圏へ直通する神戸淡路鳴門自動車道が開通した徳島県では、同圏への高速バスの利用が伸び、2008年2月時点で一日300便が運行されるなどしている[42]。しかし、この現象はフェリーと2002年に廃止された徳島飛行場伊丹便利用者が高速バスへ移行した結果であり[40]、大阪圏への流動数全体は横ばいか年々減少し、逆に香川県への流動が年々増加している[18]。これと同じ懸念は高松道板野IC高松中央IC開通した当時の香川県でも指摘され、実際に高速バスの神戸・大阪便が需要を高めているが、大阪圏への流動自体は横ばいであり、1990年まで圧倒的多数であった岡山県への流動が激減し、徳島県への流動が激増してそれを上回っている[18]

同時に発生している現象として、四国全体の人の流れが高松市へ集中し始めており、その中心性を年々高める傾向にある[19]。その理由としてはやはり高速道路網の充実とモータリゼーションの進行が挙げられ、例えば1990年の徳島における最大志向先は京阪神であったものが、1999年調査時には高松へと変化した[43]

  • 2022年3月末現在開通している区間
高速自動車国道(A路線)と高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路(A'路線)
営業路線名 構成するA路線またはA'路線(斜体) 供用区間
E11 高松自動車道 四国横断自動車道 鳴門IC川之江JCT

坂出JCT坂出IC(坂出支線)

E11/E32 徳島自動車道 四国横断自動車道、四国縦貫自動車道 鳴門JCT川之江東JCT
E32/E56 高知自動車道 四国横断自動車道、四国縦貫自動車道、須崎道路窪川佐賀道路中村宿毛道路 川之江JCT〜四万十町中央IC

四万十町西IC黒潮拳ノ川IC四万十IC宿毛和田IC

E11/E56 松山自動車道 四国横断自動車道、四国縦貫自動車道、大洲道路宇和島道路 川之江JCT〜津島岩松IC
E55 徳島南部自動車道 四国横断自動車道 徳島JCT徳島津田IC
一般国道の自動車専用道路(B路線)と本州四国連絡道路
路線名 事業箇所名または補足 供用区間
E76 今治小松自動車道一般国道196号 今治小松道路 今治湯ノ浦ICいよ小松JCT
E55 高知東部自動車道一般国道55号 高知南国道路南国安芸道路 高知JCT高知龍馬空港IC

香南のいちIC芸西西IC

E28 神戸淡路鳴門自動車道一般国道28号 (神戸・鳴門ルート) 垂水JCT〜鳴門IC[44]
E30 瀬戸中央自動車道一般国道30号 (児島・坂出ルート、瀬戸大橋 早島IC坂出IC[44]
E76 西瀬戸自動車道一般国道317号 (尾道・今治ルート、愛称:瀬戸内しまなみ海道) 西瀬戸尾道IC今治IC[44]
高速道路ナンバリングが振られている地域高規格道路
路線名 供用区間
E55 阿南安芸自動車道 小野IC日和佐出入口柏木IC芝崎IC

一般国道 編集

徳島松山高松高知の4県庁所在地を結ぶ国道11号国道32号国道33号国道55号国道56号などが道路網の中核を成す。また国道28号国道30号国道317号本州四国連絡橋を通じて本州と、国道197号国道九四フェリーを通じて九州との間を結んでいる。

山地を通る路線には未整備のものが多く、国道193号国道439号などのように国道とは思えない隘路・悪路を抱えた路線も残存している(しばしば「酷道」などと揶揄される)。山地が多いことや内陸部に人口が少ないことなどもあり、全般に四国の道路整備率は他の地方に比べ低い[要出典]

四国に一桁国道は存在せず、最も若い数字を持つ路線は国道11号である。二桁国道は11号と28号の他はすべて30番台と50番台、三桁国道はすべて190番台と300番台、400番台になっている。200番台の国道は1つも存在しない。

四国の一般国道一覧
国道名 起点 主な
経由地
終点 指定区間 総延長[45]
(km)
実延長[45]
(km)
実延長
割合
国道11号 徳島市 高松市 松山市 全線 272.7 272.7 100.00%
国道28号 神戸市 洲本市 徳島市 海上を除く全線 194.6 157.8 81.09%
国道30号 岡山市 玉野市 高松市 海上を除く全線 97.4 59.9 61.50%
国道32号 高松市 三好市 高知市 全線 143.5 139.7 97.35%
国道33号 高知市 仁淀川町 松山市 全線 129.3 126.2 97.60%
国道55号 徳島市 室戸市 高知市 全線 241.1 232.4 96.39%
国道56号 高知市 宇和島市 松山市 全線 336.2 332.5 98.90%
国道192号 西条市 三好市 徳島市 全線 140.1 96.8 69.09%
国道193号 高松市 美馬市 海陽町 重複区間 160.3 149.5 93.26%
国道194号 高知市 いの町 西条市 重複区間 88.9 76.9 86.50%
国道195号 高知市 那賀町 徳島市 重複区間 178.3 152.3 85.42%
国道196号 松山市 今治市 小松町 全線 81.7 81.7 100.00%
国道197号 高知市 大洲市 大分市 重複区間 275.7 204.7 74.25%
国道317号 松山市 今治市 尾道市 今治市-尾道市 192.1 175.1 91.15%
国道318号 徳島市 吉野川市 東かがわ市 重複区間 43.7 23.8 54.46%
国道319号 坂出市 三好市 四国中央市 坂出市-三好市 131.1 61.3 46.76%
国道320号 宿毛市 宇和島市 鬼北町 重複区間 90.6 36.1 39.85%
国道321号 四万十市 土佐清水市 宿毛市 なし 84.2 84.2 100.00%
国道377号 鳴門市 琴平町 観音寺市 重複区間 120.9 62.3 51.53%
国道378号 伊予市 八幡浜市 宇和島市 なし 123.5 117.8 95.38%
国道380号 八幡浜市 大洲市 久万高原町 重複区間 66.6 22.3 33.48%
国道381号 須崎市 四万十町 宇和島市 なし 113.6 71.1 62.59%
国道436号 姫路市 小豆島町 高松市 重複区間 99.8 33.6 33.67%
国道437号 松山市 周防大島町 岩国市 なし 87.5 62.0 70.86%
国道438号 徳島市 つるぎ町 坂出市 重複区間 175.0 172.0 98.29%
国道439号 徳島市 土佐町 四万十市 重複区間 348.1 242.3 69.61%
国道440号 松山市 久万高原町 檮原町 重複区間 89.3 35.3 39.53%
国道441号 大洲市 鬼北町 四万十市 なし 114.6 97.4 84.99%
国道492号 高松市 美馬市 大豊町 重複区間 133.5 30.7 23.00%
国道493号 高知市 奈半利町 東洋町 重複区間 112.6 49.5 43.96%
国道494号 松山市 仁淀川町 須崎市 重複区間 114.4 80.6 70.45%
太字は非重複の単独区間において指定区間が存在する路線。※斜線は四国外と結ばれている路線。
※指定区間項の「重複区間」とは他国道との重複区間のみが指定区間になっている路線で、単独区間に限れば「なし」と同義。

V字ルート 編集

昭和40年代の観光宣伝において、四国の主要観光地を効率よく回遊するルート提案として、松山市-高知市-高松市をつなぐルート(国道32号国道33号)が考えられ、ちょうどアルファベットの「V」字状であるため、V字ルートと呼ばれるようになった。

航路 編集

 
九州から松山を経由して大阪へ就航していた関西汽船。同社は四国が関わる多くの航路の運営に関わった。
 
徳島と東京・北九州航路に就航しているオーシャン東九フェリー
 
芸予航路に就航している高速船スーパージェット

律令時代には南海道の一角であり、船で移動する地方であった。近代以降も同様の状態が続いたが、本州四国連絡橋の供用により定期旅客航路は激減した。

主要航路

空港 編集

 
四国最多の旅客数である松山空港

本四架橋ができるまでは、本州との大量輸送手段は船舶しかなく、また、四国内のJRは単線区間が多く運行本数に限界があることや、新幹線へは岡山駅での乗り換えを強いられることもあり、従来から航空需要は高く、4県の県庁所在地近郊には中型機以上の航空機が離着陸できる空港が整備されている。国内線では、安定的に強い需要がある東京便は全空港から就航しているほか、特に周辺都市から地理的に遠距離である松山や高知では山陽新幹線高速バスを利用すると所要時間が大幅に伸びることから、三大都市圏や九州といった近距離便にも路線を持っている。一方国際線では、高知と徳島からの定期便は無いが、高松からソウル・上海・台湾、松山から上海・ソウルといったアジア便が就航している。なお、高松空港徳島飛行場の直線距離は約55km、徳島飛行場と関西国際空港は約65km、高松空港と岡山空港は約62kmと近接している。

2022年度 四国地方の旅客数別空港一覧[46]
空港 旅客合計 国内線 国際線
旅客数 定期便 旅客数 定期便
高松 1367786人 1330398人 羽田成田那覇 37388人 ソウル上海台湾
松山 2235579人 2231880人 羽田・成田・中部伊丹関西福岡鹿児島・那覇 3699人 ソウル・上海
高知 1309656人 1309656人 羽田・名古屋・伊丹・福岡 0人
徳島 839629人 839163人 羽田・福岡 466人

文化 編集

方言 編集

愛媛県西南部・高知県西南部は東京式アクセントだが、それ以外は四国の広域において京阪式アクセント垂井式アクセントが用いられ、香川県を中心に愛媛東部・徳島西部では讃岐式アクセントが用いられている。全体的に関西方言との共通点が多く、瀬戸内に面した地域では語彙・語法面で中国方言との共通点も多い。一方、愛媛県南予地方~高知県西部の渭南地域は関西色も薄く、四国の中でも独特な方言を有する。

  • 阿波弁:アクセント・言い回しとも四国方言の中でも最も関西方言の影響が強い(但し、アクセントは近世の関西で用いられていた昔の京阪式アクセントである)。徳島では大阪のテレビが広く受信できることも、関西との近接性を促進していると思われる。一方で池田など県西部では讃岐弁の影響が強く、讃岐式アクセントが用いられる。
  • 讃岐弁: アクセントに特徴があり、いわゆる京阪式の主流とは異なる。中世に上方で使用されていたアクセントが独自変化したものとされている(讃岐式アクセント)。語彙・語法は中国方言との共通点も多い。
  • 伊予弁:西条など東予地方は讃岐式アクセント、松山など中予地方は現代関西とほぼ共通する京阪式アクセント、宇和島など南予地方は東京式アクセントと、多様性に富んでいる。讃岐弁同様に語彙・語法は中国方言との共通点も多い。南予の方言は近畿的要素が薄くまた高知県西部の幡多弁との共通点が多い為、南予弁と幡多弁をまとめて渭南方言(四国西南部方言)と呼ばれる事もある。
  • 土佐弁:阿波弁と同様に近世の関西で用いられていた昔の京阪式アクセントを強く保持している。語彙・語法の面で他の四国方言とは異なり、特徴的な言い回しが多い。
  • 幡多弁東京式アクセントが用いられる。語彙なども土佐弁にはない独特なものも多い。高知県西部(幡多郡および四万十市などの旧幡多郡地域)に分布し、愛媛県南予地方の方言との共通点も多い為、両者の方言とまとめて扱われる事もある。

祭り 編集

 
阿波踊り
 
よさこい祭り
 
新居浜太鼓祭り

西条祭り金刀比羅例大祭などは神事が主体の祭り、阿波踊り、よさこい祭りなどは踊りが主体の祭りである。四国三大祭が有名であるが、踊りが主体の四国四大祭も知られている。

 
伊予絣

伝統工芸 編集

徳島県 香川県 愛媛県 高知県
 
讃岐うどん(生醤油)

食文化 編集

各県には固有の名産品や郷土料理が多数存在する。県域をまたぐ名産品はうどん和三盆などがある。また、全国で販売している食品としてはポカリスエットポンジュースなどが代表的である。各県の名産品・郷土料理等は各県の項を参照。

主な名所・史跡 編集

 
栗林公園
 
道後温泉本館

四国を代表する観光地の栗林公園特別名勝)と日本三古湯道後温泉道後温泉本館は重要文化財)はミシュランガイドで3つ星に選定されている。

神社仏閣では江戸時代以前より全国からの参拝者を集める金刀比羅宮(こんぴらさん)や四国八十八箇所霊場があり、地元住民によりお遍路さん(巡礼者)をもてなすお接待文化が根付いている。四国八十八箇所霊場と遍路道については近年、世界遺産としての登録を目指す活動が行われている[47]

では現存12天守のうち、丸亀城松山城宇和島城高知城の4つが四国にあり、この他にも日本三大水城の今治城高松城などがある。

日本百名城

鉄道では四万十川沿いを走る予土線3兄弟や、予讃線伊予灘ものがたり伊予鉄道の「坊っちゃん列車」などの観光列車が運行されている。この他自然が豊かな四国には祖谷渓など景勝地も多く存在する(自然景勝地については地理の項目も参照)。

スポーツ 編集

下記記載のうち、運営・所属選手ともプロフェッショナルのチームはサッカーのJリーグ、バスケットボールのBリーグ、野球の四国アイランドリーグplusに所属する各チーム。

アイスホッケー 編集

Jアイス・ウエスト・ディビジョン(西日本リーグ)

サッカー 編集

ソフトボール 編集

バスケットボール 編集

ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(Bリーグ)
男子地域リーグ(中四国九州リーグ)
  • 四国電力バスケットボール部(高松市)
  • 東レ愛媛バスケットボール部(松前町)
  • 小豆島ストーンズ(土庄町)
女子地域リーグ(西日本リーグ)
  • 今治オレンジブロッサム(今治市)

バドミントン 編集

日本リーグ女子2部

バレーボール 編集

チャレンジリーグ(女子)

ハンドボール 編集

女子実業団

ホッケー 編集

野球 編集

ラグビー 編集

トップウェスト

陸上競技 編集

出身者 編集

四国出身の著名人は以下のリストを参照。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 島国領土がすべてから成る国)である日本を構成する14,125に対する『国土交通省』による区分け ⇒ 14,125島本土5島離島14,120島[4][5][6]
    ただし、について地理学上はこのような分類・区分けはない。
  2. ^ 【参考】 島国一覧領土がすべてで構成される国)
  3. ^ 【参考】 日本のの面積順に上位10島本州北海道九州四国択捉島国後島沖縄本島佐渡島奄美大島対馬。 [出典] 国立天文台 (編)理科年表 平成19年版 P565、ISBN 4621077635
  4. ^ a b 世界のの面積順位より抜粋、出典 List of islands by areaオーストラリア大陸の面積未満で、四方を水域に囲まれる陸地)
    第1位 グリーンランド

    第6位 スマトラ島インドネシア共和国
    第7位 本州
    第8位 ビクトリア島カナダ* 人口1,707人(2001年)
    第9位 グレートブリテン島イギリスイングランドスコットランドウェールズ))

    第20位 アイルランド島アイルランド共和国およびイギリス北アイルランド))
    第21位 北海道
    第27位 デヴォン島カナダ* 世界最大の無人島

    第36位 スピッツベルゲン島ノルウェー
    第37位 九州

    第49位 バナナル島ブラジル* 世界最大の川の中の
    第50位 四国
  5. ^ 【参考】 国土地理院 四国地方の主な島の面積。なお、四国4県を四国地方とする見解もある。『日本地名大百科』小学館 1996年 p.554 ISBN 4-09-523101-7
  6. ^ 【参考】 四国4県の総人口は、おおむね、都道府県人口順位第10位静岡県の人口約358万人に相当する(都道府県の人口一覧#外部リンク)。
  7. ^ 道後温泉自体も2つ星に選定されている。

出典 編集

  1. ^ a b 平成28年全国都道府県市区町村別面積調 島面積” (PDF). 国土地理院 (2016年10月1日). 2017年2月27日閲覧。
  2. ^ 『日本統計年鑑 平成26年』(2013年)p.17 - 1986年昭和61年)、海上保安庁による計測。
  3. ^ 平成27年全国都道府県市区町村別面積調 都道府県別面積” (PDF). 国土地理院. p. 5 (2015年10月1日). 2016年2月29日閲覧。
  4. ^ 日本の島の数”. 国土地理院. 2024年1月5日閲覧。
  5. ^ 日本の島嶼の構成” (PDF). 国土交通省. 2024年1月5日閲覧。
  6. ^ 知る-基本情報-”. しましまネット. 公益財団法人日本離島センター. 2024年1月5日閲覧。
  7. ^ a b 平成25年10月1日時点の島面積より (PDF) 国土地理院(注:表中の「沖縄島 おきなわじま」は、通称名「沖縄本島」の正式名称)
  8. ^ a b 伊東ひとみ『地名の謎を解く』新潮社、2017年、10頁
  9. ^ 田中(2004年)p.294
  10. ^ 中央構造線の旅(4)-徳島県・愛媛県・高知県----山の自然学シリーズ(12)
  11. ^ 四国の地質(四国の一級水系) 国土交通省四国地方整備局河川部、2021年1月17日閲覧
  12. ^ Kakeda, Takeshi (2015年8月17日). “四国内の相互交流量を分析してわかった3つのこと”. いきてま@えひめ. 2020年5月28日閲覧。
  13. ^ 県民経済計算(平成18年度 - 平成29年度)(2008SNA、平成23年基準計数)
  14. ^ 工業統計調査 2020年確報 地域別統計表”. 経済産業省 (2021年8月25日). 2022年6月2日閲覧。
  15. ^ 令和2年国勢調査”. 総務省統計局. 2023年8月24日閲覧。
  16. ^ 四国4県人口 45年に26%減少 減少ペース 緩和傾向も 厚労省推計”. 2022年4月28日閲覧。
  17. ^ 国土交通省・第5回全国幹線旅客純流動データ
  18. ^ a b c d e 国土交通省・全国幹線旅客純流動データ
  19. ^ a b 国土交通省・圏域形成の動向 (PDF)
  20. ^ 地域経済の将来動向分析に関する調査研究”. 経済産業省 (2015年2月). 2018年3月17日閲覧。
  21. ^ a b 鳴門-阪神線21日廃止 高速バス路線で初、「1000円」影響[リンク切れ]徳島新聞 2010年1月15日
  22. ^ a b 高速バス廃止相次ぐ 「上限千円」が影響[リンク切れ]朝日新聞 2010年1月16日
  23. ^ a b 鳴門-阪神線が廃止 高速バス、他社も路線削減の動き, 徳島新聞, (2010-01-22), オリジナルの2010年1月26日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20100126095138/http://www.topics.or.jp/localNews/news/2010/01/2010_126412346131.html 
  24. ^ 管内空港の利用状況概況集計表(平成26年(2014年)度速報値)』(PDF)(プレスリリース)国土交通省大阪航空局https://ocab.mlit.go.jp/about/total/report/pdf/h26syuukei.pdf2017年10月31日閲覧 
  25. ^ 時刻表 >>松山観光港ターミナル”. 松山観光港. 2015年11月8日閲覧。
  26. ^ 道後温泉|歴史&文化|観光情報|公益財団法人 松山観光コンベンション協会 ~笑顔あふれるパワースポット松山へようこそ!~”. 公益財団法人 松山観光コンベンション協会. 2017年10月31日閲覧。
  27. ^ 松山・大街道ラフォーレ跡 新ホテル8月8日開業”. 愛媛新聞. 2015年11月8日閲覧。
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  29. ^ JR松山駅付近連続立体交差事業”. 愛媛県. 2015年11月8日閲覧。
  30. ^ 幹線道路・路面電車計画”. 松山市. 2015年11月8日閲覧。
  31. ^ 2016年3月末現在軽三・四輪車県別保有台数と保有シェア(社団法人全国軽自動車協会連合会)
  32. ^ 平成22年国勢調査、従業地・通学地による人口・産業等集計(人口の男女、年齢、就業者の産業(大分類))、都道府県結果、36徳島県”. 総務省統計局 (e-Stat) (2010年10月1日). 2014年3月10日閲覧。
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  35. ^ 平成22年国勢調査、従業地・通学地による人口・産業等集計(人口の男女、年齢、就業者の産業(大分類))、都道府県結果、39高知県”. 総務省統計局 (e-Stat) (2010年10月1日). 2014年3月10日閲覧。
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  41. ^ 四国を一つに結ぶ循環型ネットワークの構築を目指し整備が進む四国の高速道路”. 建設グラフ (2002年11月). 2008年2月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年12月8日閲覧。
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  43. ^ 国土交通省・交通からみた国土の現状と課題 (PDF)
  44. ^ a b c 便宜上四国外の部分についても表記している。
  45. ^ a b 道路統計年報2014 道路の現況”. 国土交通省. 2015年4月22日閲覧。
  46. ^ 暦年・年度別空港管理状況調書(H25~R4)” (xlsx). 国土交通省航空局. 2023年12月28日閲覧。
  47. ^ 協議会について|四国遍路 四国遍路世界遺産登録推進協議会

参考文献 編集

関連項目 編集

  ウィキトラベルには、四国地方に関する旅行ガイドがあります。

その他日本の主な島 編集

外部リンク 編集

座標: 北緯33度45分 東経133度30分 / 北緯33.750度 東経133.500度 / 33.750; 133.500