国立古美術館

リスボンにあるポルトガルの国立美術館

国立古美術館またはムゼウ・ナシオナル・デ・アルテ・アンティガ: Museu Nacional de Arte Antiga)は、ポルトガルリスボンにある国内で最も重要な美術館。頭文字をとってMNAAと呼ぶのが一般的である。

国立古美術館
Museu Nacional de Arte Antiga
入口
地図
施設情報
正式名称 Museu Nacional de Arte Antiga
愛称 MNAA
開館 1884年
所在地 リスボン
外部リンク 公式ウェブサイト
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歴史 編集

国立古美術館は、1884年にテージョ川近くに誕生した。建物は18世紀からあるアルヴォル伯の住居を利用した物で、かつてはサント・アルベルト修道院の古い建物があった。修道院の礼拝堂は18世紀ポルトガル・バロック美術と建築の秀でた例で、展示品の中に編入されている。

収蔵品 編集

美術館には、絵画彫刻、金属細工、織物、家具、デッサン、その他に中世から19世紀初期までの装飾芸術を含むコレクションがある。収蔵品は特に15世紀から16世紀にかけてのポルトガルの絵画、彫刻、金属細工の歴史として特に重要とされている。

絵画 編集

おそらく収蔵品で最も有名な作品は、1470年より以前にアフォンソ5世宮廷画家ヌーノ・ゴンサルヴェスが描いたといわれる『サン・ヴィセンテの祭壇画』であろう。

6枚の大きな衝立には、聖ヴィセンテを中心に、中世後期のポルトガル社会の人々の顔が描かれている。絵の中には60名の肖像が描かれている。

美術館にはポルトガルで活躍した16世紀初頭の画家の重要な作品がある。ジョルジェ・アフォンソヴァスコ・フェルナンデスガルシア・フェルナンデス英語版フランシスコ・デ・ホランダ英語版クリストヴァォン・ロペス英語版グレゴリオ・ロペス英語版クリストヴァォン・デ・フィグエイレド英語版フランシスコ・エンリケス、フレイ・カルロスらの作品である。

 
ジョルジェ・アフォンソ聖母マリアを訪問するキリスト』1515年頃。
 
ヒエロニムス・ボス聖アントニウスの誘惑』1501年頃。

17世紀から19世紀初頭までの仕事も同様に、ジョゼファ・デ・オビドス、ベント・コエーリョ・ダ・シルヴェイラ、ヴィエイラ・ポルトゥエンセドミンゴス・セルグエイラ、モルガード・ド・セトゥーバルらに代表される。

ポルトガルの金属細工は、美術館のもう一つのハイライトである。コレクションは12世紀から18世紀までの傑出した作品である。最も知られる物の一つは、有名なベレン聖体顕示台である。それは、劇作家・俳優・詩人であるジル・ヴィセンテにより作られたのではないかと言われている。聖体顕示台の銘によれば、ヴァスコ・ダ・ガマよりインドから持ち帰られた最初の金でつくられたという。

ヨーロッパ絵画の区画は目を奪われる華麗な場所である。以下の作者の作品を収蔵する。ヤーコプ・アドリアンスゾーン・バッケルバルトロメ・ベルメホヒエロニムス・ボスピーテル・ブリューゲルヘラルト・ダヴィトアルブレヒト・デューラールーカス・クラナッハピエロ・デラ・フランチェスカヤン・ホッサールトハンス・ホルバインピーテル・デ・ホーホアードリアン・イーゼンブラント英語版クエンティン・マサイスハンス・メムリンクアントニス・モルヨアヒム・パティニールヤン・プロフォーストラファエロ・サンティホセ・デ・リベーラアンドレア・デル・サルトダフィット・テニールス (子)ティントレットアンソニー・ヴァン・ダイクディエゴ・ベラスケスダーフィット・フィンクボーンスヘンドリック・コルネリスゾーン・フロームフランシスコ・デ・スルバランなどである。

ギャラリー 編集

外部リンク 編集