坪本 篤朗(つぼもと あつろう、1949年7月 - )は、日本言語学者。専門は、意味論語用論英語対照言語学文法学位は、博士(言語学)筑波大学2001年)。

つぼもと あつろう
坪本 篤朗
生誕 1949年7月
居住 日本の旗 日本
国籍 日本の旗 日本
研究分野 言語学
研究機関 東海大学
兵庫教育大学
静岡大学
静岡県立大学
出身校 神戸大学教育学部卒業
筑波大学大学院
文芸言語研究科
博士課程単位取得退学
主な業績 文法認知研究
語法と語用論の研究
言語哲学の研究
影響を
受けた人物
西田幾多郎
主な受賞歴 日本英文学会新人賞
1982年
プロジェクト:人物伝
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東海大学文学部助教授兵庫教育大学学校教育学部助教授、静岡大学人文学部教授、静岡大学大学院人文社会科学研究科教授、静岡県立大学大学院国際関係学研究科教授などを歴任した。

来歴 編集

生い立ち 編集

1949年7月生まれ[1]神戸大学に進学し、教育学部の英語学科にて学んだ[2]1976年3月、神戸大学を卒業した[2]。その後は筑波大学大学院に進学し、文芸言語研究科にて学んだ[2]1980年3月、筑波大学大学院の博士課程を単位取得退学した[2]。なお、2001年になって、筑波大学より博士(言語学)学位を授与されている[3]

研究者として 編集

1984年4月より、東海大学にて文学部助教授を務めた[4]1987年1月兵庫教育大学に転じ、学校教育学部の助教授として着任した[4]1992年4月静岡大学に転じ、人文学部教授に就任した[4]1997年4月、静岡大学の大学院に人文社会科学研究科が新設されたことにともない[5]、人文社会科学研究科の教授が本務となった[4]1999年4月静岡県立大学に転じ、大学院の国際関係学研究科にて教授に就任した[4]。国際関係学研究科では、主として比較文化専攻の講義を担当した。なお、静岡県立大学では大学院国際関係学研究科の教授が本務であるが、国際関係学部の教授も兼務した[1]。国際関係学部では、主として国際言語文化学科にて英米文化コースの講義を担当した[1][6]2015年3月31日定年により静岡県立大学を退職した[7][8]。同年4月1日からは、静岡県立大学に再雇用され、大学院の国際関係学研究科にて特任教授として教鞭を執っている[7]。また、国際関係学部の特任教授も兼務している。2020年3月31日、静岡県立大学の特任教授を退任した[9]

研究 編集

専門は言語学であり、特に意味論語用論英語対照言語学文法といった分野の研究に取り組んでいる[10]。具体的には、文法認知の研究に従事しており、特に知覚存在についての研究を行っている[11]。また、語法と語用論の研究にも従事している[11]。さらに、言語哲学の研究にも従事しており、特に西田幾多郎の提唱した哲学体系と認知言語学についての研究を行っている[11]

得られた研究成果を纏めた論文を多く発表しているが、1982年に著した「名詞性と島の制約――補文化辞の意味と統語的性質」は高く評価され、日本英文学会新人賞が授与されている[12][13][14]赤塚紀子との共著書や、早瀬尚子和田尚明との共編書など、学術書も幾つか著している[14][15][16]。また、辞典事典などの項目執筆も多く手掛けており、『例解新国語辞典』のような国語辞典、『小学館ランダムハウス英和大辞典』のような英和辞典、『英語正誤辞典』、『例解現代英文法事典』、『現代英文法辞典』、『コンサイス英文法辞典』のような英語の文法に関する辞典や事典、『日本語教育事典』のような日本語教育に関する事典などで執筆を担当している[14][17][18][19][20][21][22][23]

学術団体としては、日本英語学会日本英文学会日本言語学会、日本中部言語学会、英語語法文法学会などに所属している[24]。日本英語学会では、1989年より評議員を務めるとともに、2008年から2011年まで編集委員を務めた[24][25][26]。また、日本中部言語学会では、編集委員や理事を務めた[24][27]

人物 編集

2015年に静岡県立大学を定年退職すると[7][8]、それを記念して坪本と関わりのある研究者らが寄稿した論文集『言語研究の視座』が出版されている[8][28]

略歴 編集

賞歴 編集

著作 編集

共著 編集

編纂 編集

分担執筆、寄稿、等 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c 「教員情報詳細」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース静岡県立大学
  2. ^ a b c d 「学歴」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース静岡県立大学
  3. ^ 「学位」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース静岡県立大学
  4. ^ a b c d e 「主な経歴」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース静岡県立大学
  5. ^ 「静岡大学のあゆみ」『静岡大学のあゆみ│静岡大学:大学紹介 大学の概要静岡大学
  6. ^ 「教員紹介」『英米文化コース|国際言語文化学科|学科紹介|静岡県立大学 国際関係学部 大学院国際関係学研究科静岡県立大学国際関係学部・大学院国際関係学研究科
  7. ^ a b c 「教員人事」『はばたき』129号、静岡県立大学広報委員会2015年6月1日、18頁。
  8. ^ a b c 「内容」『言語研究の視座 株式会社開拓社』開拓社。
  9. ^ 「教員人事」『はばたき』141号、静岡県立大学広報委員会2020年8月7日、18頁。
  10. ^ 「専門分野」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース静岡県立大学
  11. ^ a b c 「主要研究テーマ」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース静岡県立大学
  12. ^ 坪本篤朗「名詞性と島の制約――補文化辞の意味と統語的性質」『英文學研究』59巻2号、1982年12月1日日本英文学会、245-263頁。
  13. ^ 「新人賞歴代受賞論文一覧」『ELSJ Young Scholar Awardees日本英文学会
  14. ^ a b c 「主要研究業績」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース静岡県立大学
  15. ^ 赤塚紀子・坪本篤朗『モダリティと発話行為』研究社出版1998年
  16. ^ 坪本篤朗・早瀬尚子・和田尚明編『「内」と「外」の言語学』開拓社、2009年
  17. ^ 林四郎ほか編著『例解新国語辞典』三省堂1984年
  18. ^ 荒木一雄編『英語正誤辞典』研究社出版1986年
  19. ^ 安井稔編『例解現代英文法事典』大修館書店1987年
  20. ^ 荒木一雄・安井稔編『現代英文法辞典』三省堂1992年
  21. ^ 小学館ランダムハウス英和大辞典第2版編集委員会編『小学館ランダムハウス英和大辞典』2版、小学館1994年
  22. ^ 安井稔編『コンサイス英文法辞典』三省堂1996年
  23. ^ 日本語教育学会編『日本語教育事典』新版、大修館書店2005年
  24. ^ a b c 「所属学会」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース静岡県立大学
  25. ^ 「評議員・監事」『日本英語学会 役員一覧日本英語学会
  26. ^ 「歴代編集委員」『歴代役員日本英語学会
  27. ^ 「役員名簿」『日本中部言語学会について』日本中部言語学会。
  28. ^ 深田智・西田光一・田村敏広編『言語研究の視座』開拓社、2015年

関連人物 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集