塩化ベンジル(えんか—、benzyl chloride)は、有機合成で用いられる芳香族化合物の一種。トルエンメチル基の水素をひとつを塩素に置き換えた構造を持ち、α-クロロトルエンクロロメチルベンゼンと呼ぶこともできる。

塩化ベンジル
塩化ベンジルの構造式
識別情報
CAS登録番号 100-44-7
KEGG C19167 チェック
特性
化学式 C7H7Cl
モル質量 126.59
示性式 C6H5CH2Cl
外観 無色液体
密度 1.100, 液体
融点

−39

沸点

179

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

塩化ベンジルは強い催涙性と不快な刺激臭を持つため、使用する際は確実な排気のもとに取り扱わなければならない。目の粘膜や皮膚を刺激する。かつて催涙ガスとして戦争で用いられたことがある。

その強い毒性から日本では平成28年7月1日の毒物及び劇物取締法の改正により、新たに医薬用外毒物の指定を受けた。

塩化ベンジルは、有機合成において、アルコールカルボン酸の OH 基の水素をベンジル基で置き換えるために用いられる。

前者は、アルコールやフェノール類ヒドロキシ基をベンジル基により保護(ベンジル保護)する場合の一手法である。ウィリアムソン合成の一形式にあたる。

強アルカリで加水分解すると、ベンジルアルコールに変わる。

関連化合物 編集

外部リンク 編集