大木英夫 (神学者)

日本の神学者 (1928-2022)

大木 英夫(おおき ひでお、1928年10月28日[1] - 2022年10月12日)は、日本神学者東京神学大学名誉教授。学校法人聖学院前理事長。学生時代ラインホルド・ニーバーに師事。法学者の大木雅夫は実弟。

略歴 編集

福島県[1]会津出身。陸軍幼年学校在籍時に敗戦を迎える[2]。東京神学大学卒、同大学院修士課程修了。1960年、ニューヨークのユニオン神学校Ph.D.取得。神学博士ピューリタニズム研究)。

1962年、東京神学大学専任講師、1965年、助教授、1970年、教授、学長(1979-1983年)を歴任。1997年、定年退任、名誉教授となる。

1985年から2011年まで、学校法人聖学院理事長・院長を務めた。2010年キリスト教功労者を受賞[3]

2022年10月12日、老衰のため死去。93歳没[4]

著書 編集

  • ブルンナー』日本基督教団出版部 1962 人と思想シリーズ
  • 『ピューリタニズムの倫理思想 近代化とプロテスタント倫理との関係』私家版 1966
  • 『ピューリタン 近代化の精神構造』1968 中公新書 のち聖学院大学出版
  • 『終末論的考察』中央公論社 1970
  • 『終末論』1972 紀伊国屋新書
  • 『キリスト入門 福音の再発見』ヨルダン社 1976
  • 『現代人のユダヤ人化 現代文明論集』白水社 1976
  • 『歴史神学と社会倫理』ヨルダン社 1979
  • 『偶然性と宗教 現代の運命とキリスト教』ヨルダン社 1981
  • 『人類の知的遺産 72 バルト』講談社 1984
  • 『新しい共同体の倫理学 基礎論』教文館 1994
  • 『主の祈り キリスト入門』聖学院大学出版会 1995
  • 『「宇魂和才」の説 21世紀の教育理念』聖学院大学出版会 1998
  • 『ローマ人への手紙 現代へのメッセージ』教文館 1998
  • 『時の徴 第三ミレニアムとグローバリゼーション』教文館 2000
  • 『組織神学序説 プロレゴーメナとしての聖書論』教文館 2003
  • 『信仰と倫理 十戒の現代的意味』教文館 2004
  • 『人格と人権 キリスト教弁証学としての人間学』上 教文館 2011

共著 編集

  • 『響き出る神の言葉 第一テサロニケ,ヨハネ福音書の講解説教』山口隆康共著 聖文舎 1986
  • 『日本の神学』古屋安雄共著 ヨルダン社 1989
  • 『日本は変わるか?戦後日本の終末論的考察』(富岡幸一郎共著 教文館 1996年)

翻訳 編集

  • 『存在と意味 ティリッヒ著作集』白水社 1978
  • 『哲学と運命 ティリッヒ著作集』清水正[要曖昧さ回避]共訳 白水社 1979
  • ブルンナー『永遠 キリスト教的希望の研究』熊沢義宣共訳 新教出版社 1957
  • ブルンナー『我は生ける神を信ず 使徒信条講解説教』新教出版社・新書 1962
  • サム・H.フランクリン『キリスト教社会倫理概説 キリスト者の社会実践への道』日本基督教団出版部 1964
  • エバハルト・ユンゲル『神の存在 バルト神学研究』佐藤司郎共訳 ヨルダン社 1984
  • W.パネンベルク『キリスト教社会倫理』近藤勝彦共監訳 聖学院大学出版会 1992
  • ヴォルフハルト・パネンベルク編著『歴史としての啓示』朴憲郁共訳 聖学院大学出版会 1994
  • パウル・ティリッヒ『生きる勇気』1995 平凡社ライブラリー
  • ラインホルド・ニーバー『道徳的人間と非道徳的社会』白水社 1998 イデー選書
  • パウル・ティリッヒ『宗教の未来』相澤一共訳 聖学院大学出版会 1999
  • ニーバー『アメリカ史のアイロニー』深井智朗共訳 聖学院大学出版会 2002年)
  • ジョン・ウィッテ『自由と家族の法的基礎』高橋義文共監訳 聖学院大学出版会 2008
  • W.パネンベルク『現代に生きる教会の使命』近藤勝彦共監訳 聖学院大学出版会 2009

記念論集 編集

  • 『歴史と神学 大木英夫教授喜寿記念献呈論文集』古屋安雄,倉松功,近藤勝彦,阿久戸光晴編 聖学院大学出版会 2005-06

脚注 編集

参考文献 編集

  • 『キリスト教年鑑2015年版』キリスト新聞社、2015年。

外部リンク 編集