大橋武尊

日本のプロ野球選手 (2001-)

大橋 武尊(おおはし たける、2001年5月16日 - )は、東京都港区出身[2][3][注 1]プロ野球選手外野手)。左投左打。メキシカンリーグアグアスカリエンテス・レイルロードメン所属。

大橋 武尊
アグアスカリエンテス・レイルロードメン
横浜DeNAベイスターズ時代
(2023年4月8日、ヤクルト戸田球場にて)
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 東京都港区[注 1]
生年月日 (2001-05-16) 2001年5月16日(22歳)
身長
体重
178 cm
74 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 外野手
プロ入り NPB / 2021年 育成選手ドラフト3位
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

プロ入り前 編集

会社経営者の父とキャビンアテンダントの母を持ち[2][4]、当時東京都港区南麻布にあった愛育病院で生まれた。3歳まで六本木高層マンションに暮らし、その後は高輪中央区勝どきで育った[4]

中央区立豊海小学校1年生の時に月島ライオンズで野球を始める。中央区立銀座中学校では野球部に所属せず、個人トレーナーを付けて練習していた[2]

その後、日本の高校ではなくアメリカ合衆国IMGアカデミーに進学[2][3]。幼少期にアメリカ合衆国ロサンゼルスに行ってメジャーリーグベースボール(MLB)の試合を観戦したときに自分もアメリカでプレーしたいと思ったのがきっかけだった[2][3]。アカデミーのチームメイトにはバリー・ボンズ上原浩治の息子がいた[2]

茨城時代 編集

MLB入りの夢は果たせず、3年でアカデミーを卒業した後も1年間IMGで過ごした[5]後に帰国した。2021年2月にアレックス・ラミレスの紹介でルートインBCリーグ茨城アストロプラネッツのトライアウトを受験して合格し、入団[6]。シーズン開始直後は安打と盗塁を量産したものの、同年8月以降は15試合で25打数2安打と極端な打撃不振に陥り[7]、最終的には55試合に出場して打率.217、13打点、28盗塁を記録した[8]。その一方、投手としても1試合に登板し、打者1人を抑えている[7]。茨城時代のチームメイトには山中尭之と、のちに再び同僚となる渡辺明貴がいた。

DeNA時代 編集

2021年10月11日に行われたNPBドラフト会議にて、横浜DeNAベイスターズから育成選手ドラフト3位指名を受けた[9]。12月1日に支度金300万円、年俸340万円で仮契約した[10]。背番号は105。IMGアカデミー出身の選手としては初のドラフト指名選手となった[11]

2022年オープン戦は一軍帯同し、3月3日の対広島東洋カープ戦(横浜スタジアム)では代走で登場し、二盗と三盗を決めた上に、初打席でも安打を放つなど、2打数2安打2盗塁と躍動した[12]。シーズン中は二軍で過ごす。9月4日のスクリーニングPCR検査新型コロナウイルスの陽性判定を受け、発熱頭痛喉痛倦怠感の症状があり、一時隔離療養してたが[13]、12日に復帰した[14]イースタン・リーグ公式戦58試合に出場し、14打点、12盗塁、打率.280の成績を残した[15]

2023年は前年を上回るイースタン・リーグ公式戦81試合に出場し、打率.226、13打点、11盗塁と前年より成績を落としたものの[16]、7月頃から打撃で掴めたものがあったといい、翌年の支配下登録を志していた[12]。しかし、公式戦日程終了直後の10月3日、育成選手制度の3年の期間を待たずに翌年の契約を結ばないことが発表された[17]。大橋自身は来季の志を上に見据えていたこともあり、まさかの出来事だったといい、寮の自室に戻ると号泣してしまった。親には泣きながら「こんなことでやめられない。もっと上にいって、もっと楽しく野球をするから、それまで待っていて」と伝えたという[12]

メキシカンリーグ時代 編集

2023年11月1日、リーガ・メヒカーナ・デ・ベイスボル(メキシカンリーグ)のアグアスカリエンテス・レイルロードメンと契約合意したことが発表された[18]。前述のDeNAから戦力外通告を受けた10月3日の夜には気持ちを切り替えてエージェントに相談し、同月初旬にはメキシコ入りを決めていたという。NPBの12球団合同トライアウトへ参加する前に次の所属先を決めたのは「待ちながら、というのが嫌いなんです」という理由からで、海外へ行くことにも抵抗はなかったという。2024年は実戦感覚を取り戻すため、2月に一度渡米し、トラベリングチーム「アジアンブリーズ」への参加を経てから、メキシコに渡ってチームに合流する予定[19]

詳細情報 編集

NPB年度別打撃記録 編集

  • 一軍公式戦出場なし

独立リーグでの年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
2021 茨城 55 193 157 28 34 5 1 0 41 13 28 8 4 0 29 - 3 46 2 .217 .349 .261 .610
BCL:1年 55 193 157 28 34 5 1 0 41 13 28 8 4 0 29 - 3 46 2 .217 .349 .261 .610

背番号 編集

  • 22(2021年)
  • 105(2022年 - 2023年)

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ a b 小中学校は中央区の学校に通っており、中央区出身とされることもある[1]

出典 編集

  1. ^ 中央区出身!茨城アストロプラネッツ所属・大橋武尊選手”. 中央エフエム (2021年11月16日). 2023年11月28日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 米国仕込みの異色すぎる新人 DeNA育成3位・大橋武尊って何者?”. サンスポ (2021年10月23日). 2021年12月4日閲覧。
  3. ^ a b c 大木穂高「異色の経歴、DeNA・育成3位大橋が未開の道を切り開く!」『Sponichi Annex』、2021年10月23日。2023年11月28日閲覧。
  4. ^ a b 渡辺芳枝「DeNA戦力外なのに笑顔、理由は母の教えに 大橋武尊の異色幼少期」『朝日新聞デジタル』、2023年11月16日。2023年11月28日閲覧。
  5. ^ 大橋武尊 [@takeru5161227] (2023年11月28日). "色んな人がIMG在籍3年で卒業後に1年アメリカに残ってるって書いてるけど IMGを3年で卒業した後にいたのはIMGで1年残ってるから、IMGの合計は4年です笑". X(旧Twitter)より2023年12月1日閲覧
  6. ^ 新入団選手(球団トライアウト合格者)のお知らせ”. 茨城アストロプラネッツ|茨城県民球団BCリーグ (2021年3月1日). 2021年12月4日閲覧。
  7. ^ a b 大橋武尊 - 選手プロフィール一球速報.com 2023年5月1日閲覧
  8. ^ NPBドラフト指名選手のお知らせ”. 茨城アストロプラネッツ|茨城県民球団BCリーグ (2021年10月11日). 2021年12月4日閲覧。
  9. ^ 山中尭之・大橋武尊 茨城の2選手が活躍誓う/BCLリポート | 野球コラム”. 週刊ベースボールONLINE (2021年10月30日). 2021年12月4日閲覧。
  10. ^ DeNA育成3位大橋武尊が仮契約、ラミレス前監督紹介で茨城入団しプロへ”. 日刊スポーツ (2021年11月30日). 2021年12月4日閲覧。
  11. ^ DeNA・育成ドラ3大橋武尊 超異色!米国「IMGアカデミー」出身初のNPB入り”. デイリースポーツ (2022年1月19日). 2022年3月4日閲覧。
  12. ^ a b c まさかの戦力外に呆然「素行ですか?」 号泣しながら親に電話…SNSも開けない失意の日々」『Full-Count』、2023年11月28日。2023年11月28日閲覧。
  13. ^ 【DeNA】東妻純平と大橋武尊がコロナ陽性判定、濃厚接触者おらずチーム活動は予定通り継続」『日刊スポーツ』、2022年9月5日。2023年10月3日閲覧。
  14. ^ DeNA、若手4選手が合流 陽性判定受け隔離療養」『カナロコ』、2022年9月12日。2023年10月3日閲覧。
  15. ^ 2022年度 横浜DeNAベイスターズ 個人打撃成績(イースタン・リーグ)”. NPB.jp 日本野球機構. 2022年10月12日閲覧。
  16. ^ 2023年度 横浜DeNAベイスターズ 個人打撃成績(イースタン・リーグ)”. NPB.jp 日本野球機構. 2023年10月3日閲覧。
  17. ^ DeNAが田中健二朗、平田真吾ら10人の戦力外を発表 現役ドラフトで加入の笠原祥太郎も」『Full-Count』、2023年10月3日。2023年10月3日閲覧。
  18. ^ “DeNA戦力外の大橋武尊、メキシカンリーグと契約合意 今季はファームで81試合出場”. 日刊スポーツ. (2023年11月1日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/202311010000141_m.html 2023年11月1日閲覧。 
  19. ^ 町田利衣「戦力外通告に号泣も「待つのが嫌い」 トライアウト見送り…即決だったメキシコ行き」『Full-Count』、2023年11月29日。2023年11月29日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集