大統領 (大韓民国)

韓国の旗 大韓民国の大統領
대한민국의 대통령(大韓民國의 大統領)
Presidential Standard of the Republic of Korea.svg
大統領旗
現職者
李明博이명박

就任日 2008年2月25日
官邸 青瓦台청와대
任期 5年(再任不可)
初代 李承晩이승만
創設 1948年
ウェブサイト 青瓦台(韓国語)
大韓民国の大統領
大統領章
大統領章
各種表記
ハングル 대통령
漢字 大統領
日本語読み: だいとうりょう
現地語読み: テトンニョン
アルファベット転写 Daetongnyeong
韓国の大統領官邸「青瓦台

大統領(だいとうりょう、テトンニョン)は、韓国国家元首である。韓国の政治体制は国民の直接投票で選ばれる大統領の権限が非常に強力な大統領制である。

概要

現在の大韓民国憲法第六共和国憲法、1987年採択)の規定では、大統領は国家元首(第66条1項)かつ韓国三軍空軍)の統帥権保有者(第74条1項)であり、行政権を有する政府首班という地位にある(第66条4項)。また、大統領には非常措置権が与えられているが、その発動には制約が加えられている。また、大統領に国会の解散権は無く、公民権の停止もできないよう定められている。

国会が大統領の弾劾訴追を発議するには国会議員の過半数の賛成が必要。弾劾訴追が発議されると24時間以降72時間以内に無記名投票を行わなければならず、これを過ぎると発議は無効となる。投票の結果、国会議員の3分の2以上の賛成があれば弾劾が可決され、大統領の職務は停止され、国務総理首相)が代行を行う。この後、180日以内に憲法裁判所にて弾劾審判がなされ、裁判官の3分の2以上の支持があれば弾劾が成立する。

なお、在職中は内乱又は外患の罪を犯した場合を除いて、大統領は刑事上の訴追を受けない。

過去の大韓民国大統領は、在任中の暗殺や退任後に国外亡命・自身又は身内が拘束や有罪判決が出るなどしており、退任後も政治生命を維持し続けた例がない。

大統領の選出と任期

韓国の大統領選挙には、国会議員の被選挙権があり、選挙日の時点で満40歳に達している者が立候補することができ、国民の普通・平等・直接及び秘密の選挙によって選出される。投票の結果、最高得票者が2人以上いる場合は、国会の在籍議員の過半数が出席した公開の会議において多数票を得た者が当選者となる。また、大統領候補者が1人しかいない場合は、その得票数が選挙権者総数の3分の1以上でなければ、大統領として当選することは出来ない。

選挙は、前大統領の任期満了の70日前から40日前までの間に実施されるほか、大統領が欠位となったとき又は大統領当選者が死亡もしくは判決その他の事由によりその資格を喪失したときは、60日以内に後任の大統領を選挙しなければならない。

大統領の任期は5年で、重任(再選)は出来ない(第70条)。仮に、憲法改正により任期延長や重任解禁がなされたとしても、改憲提案時の現職大統領には適用されない(第128条第2項)。重任禁止規定は、長期独裁を許した李承晩時代の第一共和国憲法(1948年採択)、朴正煕政権時代の第四共和国憲法(1972年採択)への反省から、全斗煥政権時の第五共和国憲法(1980年採択)で導入された。これを受け継いだ第六共和国憲法により、盧泰愚以降の歴代大統領はいずれも1期限りで退任している。

大統領の権限および義務

主な権限

宣誓と義務

大統領は、就任に際して「私は、憲法を遵守し、国家を保衛し、祖国の平和的統一並びに国民の自由及び福利の増進並びに民族文化の暢達に努力し、大統領としての職責を誠実に遂行することを国民の前に厳粛に宣誓します」と宣誓をし、在任中は以下のような義務を負う。

韓国大統領一覧

以下表中、 は歴代大統領、 は何人目の大統領。

大統領の氏名 党派 在任期間 備考 政体
1 1 李承晩
イ・スンマン
이승만
Rhee Syng-man
李承晩 韓国民主党

自由党
1948年7月20日
- 1952年8月15日
国会議員による間接選挙にて選出
大統領選挙に直接選挙制を導入




2 1952年8月15日
- 1956年8月15日
憲法改正により三選禁止を撤廃
四捨五入改憲
3 1956年8月15日
- 1960年4月26日
再選の為に大規模な不正選挙を強行。4・19革命失脚し、亡命
4・19革命の後、許政허정)が大統領権限を臨時代行(1960年4月27日 - 1960年8月12日



4 2 尹潽善
ユン・ボソン
윤보선
Yun Bo-seon
尹潽善 韓国民主党

新民党
1960年8月13日
- 1961年5月19日
国会議員による間接選挙によって選出。憲法改正により議院内閣制に移行した為、政治的な実権は国務総理張勉が握っていた。
1961年5月19日
- 1962年3月22日
5・16軍事クーデター国家再建最高会議が政権掌握。憲法停止。
国家再建最高会議議長・朴正煕박정희)による軍政(1962年3月22日 - 1963年12月16日
5 3 朴正煕
パク・チョンヒ
박정희
Park Chung-hee
朴正煕 民主共和党 1963年12月17日
- 1967年7月1日
新憲法の下で民政に復帰
直接選挙により選出




6 1967年7月1日
- 1971年7月1日
直接選挙により選出
7 1971年7月1日
- 1972年12月26日
1972年10月17日に非常戒厳令
十月維新
8 1972年12月27日
- 1978年12月26日
維新体制」を標榜し独裁を強化
統一主体国民会議による間接選挙



 
9 1978年12月27日
- 1979年10月26日
統一主体国民会議による間接選挙
在任中に暗殺(朴正煕暗殺事件
朴正煕暗殺の後、崔圭夏최규하)が大統領権限を臨時代行(1979年10月26日 - 1979年12月7日



10 4 崔圭夏
チェ・ギュハ
최규하
Choi Kyu-hah
崔圭夏 無所属 1979年12月8日
- 1980年8月16日
粛軍クーデターで軍内部の実権を奪取した全斗煥盧泰愚らによる5・17クーデターによって、軍部に政権を掌握され、辞任。
崔圭夏の辞任後、朴忠勳박충훈)が大統領権限を臨時代行(1980年8月16日 - 1980年9月1日
 
11 5 全斗煥
チョン・ドゥファン
전두환
Chun Doo-hwan
全斗煥 民主正義党 1980年9月1日
- 1981年3月2日
統一主体国民会議による間接選挙
第五共和国憲法制定
12 1981年3月3日
- 1988年2月24日
大統領選挙人団による間接選挙にて選出。第六共和国憲法制定。粛軍クーデターや光州事件等により、退任後に死刑判決(高裁で無期懲役に減刑され、後に特赦)。



13 6 盧泰愚
ノ・テウ
노태우
Roh Tae-woo
盧泰愚 民主正義党

民主自由党
1988年2月25日
- 1993年2月24日
粛軍クーデター・光州事件及び大統領在任中の不正蓄財により、退任後に軍刑法違反で懲役刑(後に特赦)。



14 7 金泳三
キム・ヨンサム
김영삼
Kim Young-sam
金泳三 新韓国党 1993年2月25日
- 1998年2月24日
直接選挙により選出
15 8 金大中
キム・デジュン
김대중
Kim Tae-jung
金大中 新政治国民会議

新千年民主党
1998年2月25日
- 2003年2月24日
太陽政策を推し進め、2000年6月北朝鮮金正日との南北首脳会談を実現。在任中にノーベル平和賞を受賞。
16 9 盧武鉉
ノ・ムヒョン
노무현
Roh Moo-hyun
盧武鉉 新千年民主党

開かれたウリ党
2003年2月25日
- 2004年3月12日
国会弾劾訴追により、大統領権限停止。
権限停止期間
(3月12日5月14日)
国務総理首相)の高建が、大統領権限を臨時代行。
2004年5月14日
- 2008年2月24日
弾劾訴追の棄却により、職務に復帰。在任中の収賄疑惑により退任後に捜査を受け、自殺
17 10 李明博
イ・ミョンバク
이명박
Lee Myung-bak
李明博 ハンナラ党 2008年2月25日
- 在任中
(2013年2月24日
任期満了)
直接選挙により選出

副大統領

第一共和国時代には、副統領(ふくとうりょう、부통령、プトンニョン)と呼ばれる副大統領職が設置されていた。当初は国会議員の無記名投票によって選出されていたが、第1次憲法改正1952年7月7日)によって国民普通・平等・直接秘密選挙による選出となった。しかし、四月革命後の第3次憲法改正第二共和国体制の発足)によって、副統領職は廃止された(韓国憲法の改正については、大韓民国憲法#沿革参照)。

副統領の氏名 在任期間 党派 備考
漢字 カタカナ ハングル 就任年月日 退任年月日
1 李始栄 イ・シヨン 이시영 1948年7月24日 1951年5月9日 韓国民主党 国会議員による間接選挙国民防衛軍事件発生により辞任。
2 金性洙 キム・ソンス 김성수 1951年5月17日 1952年5月29日 韓国民主党 釜山政治波動の政府対応に抗議しての辞任。
3 咸台永 ハム・テヨン 함태영 1952年8月15日 1956年8月14日 無所属 直接選挙で選出
4 張勉 チャン・ミョン 장면 1956年8月15日 1960年4月23日 民主党

関連項目

脚注

外部リンク