天使経[1](てんしきょう、: Devadūta-sutta, デーヴァドゥータ・スッタ)とは、パーリ仏典経蔵中部に収録されている第130経。

類似の伝統漢訳経典としては、『中阿含経』(大正蔵26)の第64経「天使経」や、『鉄城泥犁経』(大正蔵42)、『閻羅王五天使者経』(大正蔵43)等がある。

釈迦が、比丘たちに、天使(真理の気付きのきっかけ)を見落とし、地獄に落ちる悪人について説いていく。

構成 編集

登場人物 編集

場面設定 編集

ある時、釈迦は、サーヴァッティー舎衛城)のアナータピンディカ園(祇園精舎)に滞在していた。

釈迦は比丘たちに、人には三業(身口意)による善人と悪人の二門があり、悪人は地獄に行くことが説かれる。

そこでは、閻魔に生前に生老病肥死といった天使(気付きのきっかけ)を見なかったか問われ、それらを見落とし、善を積むことを怠っていたことを自覚させられた上で、地獄の責め苦を受けることになるという。そして、閻魔はその様を見ながら、人間界に生まれ変わり、仏陀に習って輪廻を越えたいと考えたという。

日本語訳 編集

  • 『南伝大蔵経・経蔵・中部経典4』(第11巻下) 大蔵出版
  • 『パーリ仏典 中部(マッジマニカーヤ)後分五十経篇II』 片山一良訳 大蔵出版
  • 『原始仏典 中部経典4』(第7巻) 中村元監修 春秋社

脚注・出典 編集

  1. ^ 『南伝大蔵経』、『原始仏典』中村、『パーリ仏典』片山

関連項目 編集

外部リンク 編集