天空シリーズ

ドラゴンクエストシリーズの中で第4作目と世界観を共有する作品の呼称

天空シリーズ(てんくうシリーズ)は、『ドラゴンクエストシリーズ』の中で第4作目と世界観を共有する作品の呼称。「天空三部作」とも呼ばれている。

天空シリーズ
ジャンル ロールプレイングゲーム
開発元 スクウェア・エニックス(旧・エニックス
発売元 スクウェア・エニックス(旧・エニックス)
1作目 ドラゴンクエストIV 導かれし者たち
1990年2月11日
最新作 ドラゴンクエストVI 幻の大地
1995年12月9日
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概略 編集

前作までと変わってロトシリーズの世界観ではなくなったため、序曲のイントロやタイトル画面のBGMが新しいものに変更された。

天空シリーズ通史 編集

「レイドック王国」の王子は、魔王「ムドー」を討伐しようと、仲間たちと共にその居城に乗り込んだ。しかし、彼らは戦わずして敗北してしまうのであった。

目が覚めるとそこは「ライフコッドの村」。先程のことは夢だったのか。自分は妹の「ターニア」と一緒に暮らす村の少年である。それから間もなく、少年はレイドックの城の兵士に志願する(『ドラゴンクエストVI 幻の大地』)。

それから数百年の時が流れた。ひとりの天空人の娘が地上に降りた。娘は木こりの男と恋に落ち、ひとりの子供を授かった。しかし、天空人と人間は夫婦になれぬのが定めであった。木こりの若者は裁きの雷に打たれて死に、娘は悲しみに打ちひしがれたまま天空城へ連れ戻された。二人の間に産まれた子供は地上に残され、とある山奥の村の人々の手によって立派な「勇者」になるように育てられていた。かつて地の底に封印された地獄の帝王「エスターク」が復活し、それを倒すことができるのは天空の血を引く勇者のみ、と予言されていたからである。

やがて勇者は、7人の仲間たちと出会う。王宮戦士、姫とその付き人たち、武器商人、踊り子の姉妹…。本来ならお互いに接点がないはずの彼らであったが、運命に導かれて勇者のもとに集まったのだ。そして力を合わせてエスタークを倒し、魔族の王「デスピサロ」を正気に戻し、真の元凶「エビルプリースト」を倒すのであった(『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』)。

それからさらに数百年後のこと。天空の勇者の子孫を探して旅を続ける親子二人の姿があった。父親の名はパパス。その目的は達成されないでいたが、彼は息子である主人公と、数年ぶりに自宅のある「サンタローズの村」に帰ってきたのであった。そして主人公はしばらくの間、幼馴染の少女「ビアンカ」と一緒に廃城のお化け退治をしたり、妖精の世界を救ったりして過ごした。その後、パパスは「ラインハット王国」の王子「ヘンリー」の教育係として招かれる。主人公もパパスに同行するが、城内でヘンリー誘拐事件が起き、パパスは主人公を庇って命を落としてしまう。パパスの死後、主人公とヘンリーは共に連れ去られ、謎の宗教団体「光の教団」のもとで長く苦しい奴隷生活を強いられることとなった。

奴隷生活から逃れた後、主人公を待っていたのは「サラボナの町」の大富豪「ルドマン」の可憐なる令嬢「フローラ」とその姉である「デボラ」であった。フローラの花婿になった男には、伝説の「天空の盾」が与えられるという。フローラの花婿になるためには、火と水の2つのリングが必要だという。そのリング集めの途中に立ち寄った「山奥の村」では、美しく成長した幼馴染のビアンカとの再会を果たす。そして主人公は悩みぬいた末に、心に決めた女性と結婚する。花嫁を連れて旅を続けていくうちに、主人公が「グランバニア王国」の王族だと判明する。そしてその後、花嫁の産んだ男の子が、天空の血を引く新たな勇者なのであった(『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』)。

各作品の繋がり 編集

  • 天空城は世界を統治する竜の神「マスタードラゴン」の城である。中央の棟の東側には図書室が、西側には花畑と泉があるといった城内の構造は、3作品を通してほぼ変わりない[1]
  • 『IV』にてマスタードラゴンが初登場し、『V』では「プサン」という人間の姿で登場する。また、『V』の主人公の花嫁は『IV』の勇者の子孫である。
  • 『IV』において、デスピサロから発せられた邪悪な波動に当たり、天空城の土台となっている雲に小さな穴が開いてしまった。それから数百年が経った『V』の時代でも、この穴の存在を確認することができる。

リメイク作品 編集

ドラゴンクエストIV 導かれし者たち (PlayStation、2001年11月22日)
『IV』初期リメイク作品。
ドラゴンクエストV 天空の花嫁 (PlayStation 2、2004年3月25日)
『V』最初のリメイク作品。3Dグラフィックを使用。
ドラゴンクエストIV 導かれし者たち (ニンテンドーDS、2007年11月22日)
本編では初となる二度目のリメイク作品。基本的にPlayStation版を継承。
ドラゴンクエストV 天空の花嫁 (ニンテンドーDS、2008年7月17日)
『V』の二度目のリメイク作品。
ドラゴンクエストVI 幻の大地 (ニンテンドーDS、2010年1月28日)
『VI』最初のリメイク作品。
また、『IV』、『V』、『VI』のニンテンドーDS版はスマートフォンでもリリースされた。

関連作品 編集

ドラゴンクエストヒーローズシリーズ
ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』と『ドラゴンクエストヒーローズII 双子の王と予言の終わり』にて、それぞれ天空シリーズのキャラクターが参戦。『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』では該当作(『闇竜と世界樹の城』)の出来事を、『IV』のキャラクターなどから『V』の時代に物語として伝承されている。

出典 編集

  1. ^ 『ドラゴンクエスト25thアニバーサリー 冒険の歴史書』P.37『天空城の変遷』