太陽の怪物』(たいようのかいぶつ、英語: The Hideous Sun Demon)は1958年に製作されたアメリカ映画であり、SF映画ホラー映画。製作、監督、脚本、主演はロバート・クラーク。1950年代に数多く製作された、放射能によって人間や生物が怪物化する映画の一つである。モノクロ、74分、スタンダード。日本では1962年大蔵映画にて劇場公開された。

太陽の怪物
The Hideous Sun Demon
監督 トム・ブートロス
ロバート・クラーク
脚本 ロバート・クラーク
フィル・ヒナー
E・S・シーレイ・Jr
ドーン・ホーグ
製作 ロバート・クラーク
出演者 ロバート・クラーク
パトリシア・マニング
ナン・ピーターソン
音楽 ジョン・シーレイ
撮影 ジョン・モリル
配給 アメリカ合衆国の旗 Pacific International Enterprises
日本の旗 大蔵映画
公開 アメリカ合衆国の旗 1958年8月29日
日本の旗 1962年6月13日
上映時間 74分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
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ストーリー 編集

二日酔いのせいで、実験中に誤って放射線を被曝してしまったギルバート・マッケンナ博士(ロバート・クラーク)は、太陽光線に5分以上晒されると醜悪な怪物に変身する体になってしまった。失意の彼は研究所を辞め、以前にも増して奔放な生活を送るようになる。周囲の心配もむなしく、彼はたびたび変身しては人を襲い、そのため警察に追われる羽目になる。太陽の怪物に変身した彼は、ガスタンクに追い詰められたところを、拳銃で撃たれて墜落死するのだった。

スタッフ・キャスト 編集

  • 製作、監督、原案、主演:ロバート・クラーク
  • 出演:パトリシア・マニング、ナン・ピーターソン
  • 原案:フィル・ハイナー
  • 脚本:E.S.シーレイ.Jr、ドーン・ホーグ
  • 撮影:ジョン・モリル
  • 美術:リチャード・カサリーノ[1]
  • 音楽:ジョン・シーレイ

制作 編集

俳優ロバート・クラークは、1957年に『女宇宙怪人OX英語版』に主演したさい、それが余りにひどい出来であったにもかかわらず、興行的には成功を収め歩合として相当のギャラ(利益の5%)を受け取る事が出来た。[2]その事から、彼は同種の映画を自ら製作すれば、より大きな利益が得られると確信し、自ら製作、主演を行うことを決心した。映画のスタッフは、主にクラークの家族や友人で、約5万ドルで撮影された。

怪物の造形は、リチャード・カサリーノが500ドルで製作した。潜水用のウェットスーツに重ねて造形したというが、非常に熱くなり、スーツアクターを兼ねたロバート・クラークを苦しめた。カサリーノは後年、『呪いの深海獣英語版』でも特徴的な半魚人風クリーチャーを製作した。[3]

公開・メディア展開 編集

この映画は、アメリカではロジャー・コーマンの『巨大カニ怪獣の襲撃英語版』と二本立てで公開された。また、イギリスではBlood on His Lipsという、内容にそぐわないタイトルで公開された。[4]

日本では、独立系の大蔵映画によって『沖縄怪談逆吊り幽霊 支那怪談死棺破り』と二本立てで公開されたが、この興行のポスターでは、「世界怪談集」と銘打ち、あたかも三本立てであるように見せかけた。本作は『米国(アメリカ)怪談太陽の怪物』とキャッチフレーズを付けて興行された。[5][6]

この映画の家庭用ビデオは、1993年にアメリカでVHSで発売され、のち2003年DVDが発売された。日本では2010年に廉価版DVDとして発売された。

脚注 編集

  1. ^ クレジットにはGianbattista Cassarinoと記載
  2. ^ Bill Warren; Bill Thomas (16 November 2009). Keep Watching the Skies!: American Science Fiction Movies of the Fifties, The 21st Century Edition. McFarland. ISBN 978-0-7864-4230-0.|pp=365
  3. ^ Warren(2009)pp=366
  4. ^ 『怪物の事典』ジェフ・ロヴィン著 鶴田文訳青土社1999年
  5. ^ 『映画秘宝Vol.7あなたの知らない怪獣マル秘大百科』洋泉社刊 p.283
  6. ^ 『幻の怪談映画を追って』山田誠二著 1997年洋泉社刊 p.6

関連項目 編集