小内巻込(こうちまきこみ)は、柔道投げ技横捨身技の一つである。講道館国際柔道連盟 (IJF) での正式名。IJF略号KUM。柔道川石メソッドでの読み方こうちまっこみ[1]。別名捨身小内(すてみこうち)[2]小内掛(こうちがけ)[2]小内落(こうちおとし)[2]抱小内刈(だきこうちがり)[2]

2018年ブエノスアイレスユースオリンピックでの相手の腕を一本背負投のように抱えながらの小内巻込

概要 編集

相手に上体を密着し、小内刈のように脚の内側を相手の脚の内から深く絡ませながら自ら体を捨て倒れ込みながら相手を後ろに倒す技。右組の場合、取は左手で受の右袖を引きつけながら右腋で受の右腿をはさみ、そのまま右脚で受の右脚を刈りながら、受の右袖と右脚を取の体に巻き付けるようにして倒れ込み、肩で相手を押し後方に倒す。また、腋で相手の腿や脚を挟まない、手で相手の脚を掴まない場合もあり、相手の腕を一本背負投のように抱えながら行う場合もある。

著名な試合では、リオデジャネイロオリンピック男子73 kg級決勝において、大野将平ルスタム・オルジョフに対して、この技で一本を取り、金メダルを獲得した。

踏み込んだ際に、小外刈小外掛大外刈大外落に比べると、遊びが出来てしまい、相手に反撃されやすい。

2009年のルール改正で帯より下をつかむことが禁止されたため、脚を手で取る小内巻込は試合での使用が制限されることになった。連続技、返し技として使うことはできたが、審判の判断が難しかった。のちにこれらも禁止となった。なお、講道館審判規定で行われる試合においては、制限はない[3]

分類 編集

かつて講道館では独立した技名と認められておらず、足技小内刈に包含されていた。しかしながら、多様化する技術への対応のために講道館技研究部で技名称の再検討を行った結果、2017年にこの技を正式に認めることになった[4]

脚注 編集

  1. ^ Mikinosuke KAWAISHI (1955). Ma méthode de judo. Jean Gailhat(仏訳、イラスト). フランス: Judo international. pp. 46-47. "KOUCHI-MAKKOMI" 
  2. ^ a b c d 嘉納行光川村禎三中村良三醍醐敏郎竹内善徳『柔道大事典』佐藤宣践(監修)、アテネ書房、日本(原著1999年11月21日)。ISBN 4871522059。"小内巻込"。 
  3. ^ 「タックル技」は一度で反則負けに 来年より実施-ウィキニュース
  4. ^ 柔道の技名称について