島村大

日本の政治家、医師 (1960-2023)

島村 大(しまむら だい、1960年8月11日 - 2023年8月30日)は、日本政治家歯科医師

島村 大
しまむら だい
厚生労働大臣政務官兼内閣府大臣政務官の就任に際して公表された肖像写真
生年月日 (1960-08-11) 1960年8月11日
出生地 日本の旗 日本 千葉県市川市[1]
没年月日 (2023-08-30) 2023年8月30日(63歳没)
死没地 日本の旗 日本 東京都
出身校 東京歯科大学歯学部卒業
前職 歯科医師
所属政党 自由民主党
称号 従四位
旭日重光章
公式サイト 島村大公式サイト

選挙区 神奈川県選挙区
当選回数 2回
在任期間 2013年7月29日 - 2023年8月30日
テンプレートを表示

厚生労働大臣政務官内閣府大臣政務官第1次岸田内閣第2次岸田内閣)、参議院厚生労働委員長参議院議員(2期)などを歴任[2]

経歴 編集

千葉県市川市出身。日本大学第二高等学校卒業[3][4]1985年東京歯科大学歯学部卒業。卒業後は、東京歯科大学歯科補綴学第三講座に入局し、日立製作所茂原診療室、国保鴨川病院、国保国吉病院で歯科医療に携わる[3]1990年、東京歯科大学を退職[4]

1990年、横浜ビジネスパーク歯科クリニック開業(横浜市保土ケ谷区[4]1999年、銀座デンタルケアークリニック開業(東京都中央区[4]。2005年、神奈川県歯科医師連盟理事長に就任(2012年7月まで)[4]。2011年、日本歯科医師連盟理事長に就任(2012年7月まで)[4]

2013年第23回参議院議員通常選挙神奈川県選挙区から自民党公認で立候補し初当選[4]2017年厚生労働委員長に就任[4]

2019年第25回参議院議員通常選挙において再選。

2021年厚生労働大臣政務官内閣府大臣政務官に就任。

2023年8月30日がんによる多臓器不全のため、東京都内の病院で死去した[5][6]。63歳没。亡くなる2年前にがんを発症し、治療と並行して議員活動を行っていたという[7][8]。死没日付をもって従四位に叙され、旭日重光章を追贈された[9]

追悼演説は同年10月20日の参議院本会議で、同じく神奈川県選挙区選出の三原じゅん子によって行われた[10]

政策・主張 編集

  • 健康寿命延伸[11]
  • 受動喫煙防止を目的に飲食店などの建物内を原則禁煙とする改正健康増進法に反対。たばこによる肺がんリスクについて、「たばこだけを悪者にする風潮には賛成しかねる」「大気汚染だってそのリスクに加担している」と述べている[12]
  • 憲法9条改正し、自衛隊を他国同様の「国防軍」にすべきと、2013年のアンケートで主張[13]
  • 集団的自衛権の行使容認をすべきと2013年のアンケートで回答[13]
  • 日本の核武装について、国際情勢によっては武装すべきと2013年のアンケートで回答[13]
  • 首相閣僚靖国神社参拝は問題ないと2013年のアンケートで回答[13]
  • 2019年10月に予定されている消費税の10%への引き上げについて「法律に従い、引き上げるべきだ」と回答している[14]
  • 選択的夫婦別姓導入について「どちらかと言えば賛成」と2019年のアンケートで回答[15]したが、2021年1月、選択的夫婦別姓の導入反対を求める文書を地方議会議長に郵送した(後述)[16]

人物 編集

統一教会との関係 編集

  • 2017年10月15日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が幕張メッセで大規模な信者集会「Peace Loving Festival KANAGAWA」を開催した。島村は豊田俊郎とともに来賓として出席。「家族愛は一番の原点、全ての愛の原点は家族愛」「韓鶴子総裁をお迎えできることを非常にうれしく思っている」と祝辞を述べた[17][18]
  • 2019年10月5日、統一教会の関連団体「天宙平和連合」は、国際会議「ジャパンサミット&リーダーシップカンファレンス」をホテルナゴヤキャッスルで開催[19][20][21]。韓鶴子総裁が「この無知なる人類を真の父母の子どもたちにする教育が必要」「私と一つとなって天の父母様を中心とした地上天国天上天国を作っていきましょう」と述べた同イベントに島村は来賓として出席した[19][22]
  • 2022年7月から8月にかけて、共同通信社は、全国会議員712人を対象に、統一教会との関わりを尋ねるアンケートを実施。8月31日に各議員の回答の全文を公表した。岸田文雄首相は8月8日の自民党臨時役員会で、統一教会をめぐり「政治家の責任で関係をそれぞれ点検し、適正に見直してもらいたい」と述べ、党所属国会議員全員に通達するよう指示[23]しながらも、自身はアンケートに答えることを拒否した[注 1]。島村もアンケートに答えることを拒否した[28][29]

その他 編集

  • 2021年1月30日、島村ら自民党国会議員有志50人は、47都道府県議会議長のうち同党所属の約40人に、選択的夫婦別姓の導入に賛同する意見書を採択しないよう求める文書を郵送した。地方議員や市民団体は、地方議会の独立性を脅かす行為だとして島村らを批判した[30][31][32][33][34]

所属団体・議員連盟 編集

支援団体 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 2019年10月4日、自民党政調会長を務めていた岸田文雄安倍晋三首相の依頼により、来日中の元米国下院議長のニュート・ギングリッチと党本部で30分以上にわたり会談した。会談には米国の統一教会元会長でUPFインターナショナル会長のマイケル・ジェンキンスと国際勝共連合会長兼UPFジャパン会長の梶栗正義が同席し、それぞれ岸田と会話も交わし、名刺交換も行った[24][25][26][27]。このことは長く伏せられていたが、2023年12月4日に朝日新聞がスクープし明らかとなった[24]

出典 編集

  1. ^ 島村 大(しまむら だい)”. 参議院事務局. 2023年3月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月1日閲覧。
  2. ^ “国会議員情報 島村 大(しまむら だい)”. 時事ドットコム (時事通信社). オリジナルの2023年9月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230901063022/https://www.jiji.com/sp/giin?d=8baa567c7220d3400915e139119c2979&c=san 2023年9月1日閲覧。 
  3. ^ a b Facebookプロフィール
  4. ^ a b c d e f g h 公式サイトプロフィール
  5. ^ 島村大参院議員死去、63歳 - 時事ドットコム 2023年8月30日
  6. ^ 自民・島村大参院議員が死去、神奈川選挙区で2期目- カナロコ by 神奈川新聞 2023年8月30日
  7. ^ 島村大参院議員が死去 がん治療続けながら議員活動 - TBS NEWS DIG 2023年8月30日
  8. ^ “自民党の島村大参院議員死去、63歳 ガン闘病中だった 岸田政権で厚労兼内閣府政務官”. 日刊スポーツ. (2023年8月30日). https://www.nikkansports.com/m/general/nikkan/news/amp/202308300000766.html 2023年8月30日閲覧。 
  9. ^ 『官報』第1078号8頁 令和5年10月10日
  10. ^ 「『今国会最後の質問』が最期になってしまうとは、誰が想像できたでしょうか」 島村大参議院議員逝去、三原じゅん子議員弔詞<全文> - ABEMA TIMES 2023年10月20日
  11. ^ <広報紙:第25回参議院議員通常選挙 島村大 選挙ビラ>”. 島村大・公式サイト. 2019年7月17日閲覧。
  12. ^ SPECIAL対談「国も行政も国民も、健康寿命を考慮した“予防”への意識改革が大切」参議院議員 島村 大”. 不動産・相続お悩み相談室. 2019年7月17日閲覧。
  13. ^ a b c d 2013参院選 毎日新聞候補者アンケート
  14. ^ “2019参院選 自民 神奈川 島村大”. 毎日新聞 (毎日新聞社). https://mainichi.jp/senkyo/25san/meikan/?mid=B14000011011 2019年7月18日閲覧。 
  15. ^ 朝日・東大谷口研究室共同調査”. 朝日新聞 (2019年). 2019年7月8日閲覧。
  16. ^ 【全文】夫婦別姓反対を求める丸川大臣ら自民議員の文書、議員50人の一覧:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2021年2月25日閲覧。
  17. ^ 統一教会・家庭連合一万人イベントで自民党参議院議員が来賓あいさつ”. ほぼ日刊カルト新聞 (2017年10月16日). 2022年7月29日閲覧。
  18. ^ cig 2020 (2017年10月17日). “20171015-Kanagawa HJ Peace Loving Festival 場所 : 幕張メッセ国際展示場2 ・3ホール”. YouTube. 2022年9月27日閲覧。
  19. ^ a b 鈴木エイト (2019年10月17日). “<政界宗教汚染~安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第9回> “統一教会”の国際会議に自民党国会議員大量出席、清和会会長が来賓として講演”. ハーバー・ビジネス・オンライン. 扶桑社. 2022年11月22日閲覧。
  20. ^ 【独自】統一教会・名古屋4万人イベントの内部写真《来日した韓鶴子総裁と、礼賛した有名政治家たち》(現代ビジネス編集部) @gendai_biz”. 現代ビジネス (2022年7月14日). 2022年7月18日閲覧。
  21. ^ HJ PeaceTV (2019年10月12日). “HJグローバルニュース (2019年 10月 12日)”. YouTube. 2022年10月21日閲覧。
  22. ^ ハーバー・ビジネス・オンライン編集部編著『日本を壊した安倍政権』扶桑社、2020年12月2日、116-118頁。ISBN 978-4594086749 
  23. ^ 旧統一教会との関係点検指示 首相、自民の全国会議員に通達へ”. 共同通信 (2022年8月8日). 2022年8月10日閲覧。
  24. ^ a b 沢伸也、高島曜介 (2023年12月4日). “「首相、旧統一教会系トップと面会」 19年に党本部で 関係者証言”. 朝日新聞. 2023年12月4日閲覧。
  25. ^ 首相とギングリッチ氏面会「安倍氏が要請」 教団関係者同席問題”. 朝日新聞 (2023年12月4日). 2023年12月4日閲覧。
  26. ^ 沢伸也、高島曜介 (2023年12月5日). “米国の旧統一教会元会長も同席か 岸田氏面会時とみられる写真も”. 朝日新聞. 2023年12月5日閲覧。
  27. ^ 沢伸也、高島曜介 (2023年12月7日). “岸田氏との面談は教団友好団体が「手配」 元米議長が認め、写真提供”. 朝日新聞. 2023年12月7日閲覧。
  28. ^ 旧統一教会との接点、全国会議員712人に聞いてみた【全回答の一覧付き】FAXで回答”. 共同通信 (2022年8月31日). 2022年8月31日閲覧。
  29. ^ 全国会議員712人アンケート 旧統一教会と政治の関係”. 共同通信 (2022年8月31日). 2022年8月31日閲覧。
  30. ^ 【全文】夫婦別姓反対を求める丸川大臣ら自民議員の文書、議員50人の一覧”. 東京新聞 TOKYO Web (2021年2月25日). 2021年2月25日閲覧。
  31. ^ “全国40議長に別姓反対文書 自民・丸川氏、高市氏ら閣僚経験者も連名”. 東京新聞. (2021年2月25日). https://www.tokyo-np.co.jp/article/88139 2021年3月2日閲覧。 
  32. ^ 飯田樹与 (2021年2月25日). “夫婦別姓反対を求める丸川担当相らの文書 「地方の意思決定を無視、失礼だ」埼玉県議長が不快感”. 東京新聞. https://www.tokyo-np.co.jp/article/88152 2021年3月2日閲覧。 
  33. ^ “丸川大臣「残念すぎる」選択的夫婦別姓、反対議員50人へ質問状 市民団体”. 東京新聞. (2021年2月27日). https://www.tokyo-np.co.jp/article/88547 2021年3月2日閲覧。 
  34. ^ 奥野斐 (2021年4月1日). “選択的夫婦別姓 自民議員が反対派に思うこと「理解不足と差別思想を感じた」”. 東京新聞. https://www.tokyo-np.co.jp/article/94526 2021年4月7日閲覧。 
  35. ^ a b “2019年6月号”. 全国たばこ新聞 (全国たばこ販売協同組合連合会). (2019年5月27日). http://zenkyou.xsrv.jp/wp-content/uploads/2019/06/2019%E5%B9%B46%E6%9C%88%E5%8F%B7.pdf#page=4 2019年6月30日閲覧。 
  36. ^ a b c 俵義文、日本会議の全貌、花伝社、2016年
  37. ^ 応援しています!”. 神道政治連盟. 2019年7月7日閲覧。

外部リンク 編集

公職
先代
大隈和英
小鑓隆史
  厚生労働大臣政務官
大隈和英深澤陽一と共同

2021年 - 2022年
次代
畦元将吾
本田顕子
先代
岡下昌平
和田義明
宗清皇一
鳩山二郎
神谷昇
松川るい
吉川赳
三谷英弘
佐藤啓
  内閣府大臣政務官
山田太郎
木村哲也宮路拓馬
小寺裕雄
吉川有美
穂坂泰
大西宏幸中曽根康隆
宗清皇一
泉田裕彦
高橋はるみ
岩田和親と共同

2021年 - 2022年
次代
尾﨑正直
鈴木英敬
自見はなこ
中野英幸
本田顕子
長峯誠
里見隆治
西田昭二
柳本顕
木村次郎
議会
先代
羽生田俊
  参議院厚生労働委員長
2017年 - 2018年
次代
石田昌宏