弦楽五重奏曲 (シューベルト)

弦楽五重奏曲 ハ長調 D956は、フランツ・シューベルト最晩年の室内楽曲1828年の夏に作曲された。作曲者の死を2ヵ月後に控えて完成された遺作である。1850年になってようやく初演され、1853年に初版が出版された。作品番号は163とされた。

本作は、シューベルトの多岐にわたる楽曲の中でも、唯一の本格的な弦楽五重奏曲として目立った存在となっている。また、独特な楽器編成でも抜きん出ており、ヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ2という楽器編成となっている。たいていの弦楽五重奏曲は、モーツァルトの先例に従って、弦楽四重奏に第2ヴィオラを加えた編成を標準としている。シューベルトのこの作品では、低音域の充実とバランスが図られているのである。

以下の4楽章で構成されるが、各楽章は規模が大きく、全曲を通して演奏するのにほぼ1時間を要する。

  1. アレグロ・マ・ノン・トロッポ Allegro ma non troppo
  2. アダージョ Adagio
  3. スケルツォ」(プレスト)-「トリオ」(アンダンテ・ソステヌート) Scherzo: Presto – Trio: Andante sostenuto
  4. アレグレット Allegretto

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