弦楽四重奏曲第4番 (グバイドゥーリナ)

弦楽四重奏曲第4番は、ロシア作曲家ソフィア・グバイドゥーリナ1993年に作曲した4つの弦楽四重奏と2つの録音テープのための作品である。

概要 編集

作品は舞台上の1組の弦楽四重奏団と、3組の弦楽四重奏団と2つの録音済みのレイヤーの合計12の音楽パートが存在する[1]

プログラムノートでグバイドゥーリナは、それが弦楽四重奏なのか、はたまたそれを超越した作品であるのか、あるいは「弦楽四重奏曲」というタイトルが適切か否かなどを例に挙げながら、「非現実的 (non-real)な人工物」から「現実的(real)な本物」が生まれる(決してその逆ではない)という基本的な考えに基づいているとし、T.S.エリオットの「4つの四重奏曲英語版」の世界観を表現したと述べている[1]

作曲の経緯 編集

作品は、グバイドゥーリナが母国のロシアを去り、ドイツアッペンドイツ語版に移住した最初の年に制作され、最終的にクロノス・カルテットに献呈された[1]

楽曲構成 編集

演奏時間は約12分。

2つの録音テープ上で録音された弦楽四重奏では、弦楽四重奏の各メンバーは、伸縮性のあるスチール弦(ピアノの細い線)にボールを取り付けたマレットで楽器の弦を叩き、跳ね返るようなトレモロを発生させている[1]。また、あらかじめ録音された2つの録音テープのうち片方の録音では、楽器のチューニングが四分音高く調律されており、音の知覚をさらに曖昧にし、レイヤー間のコール&レスポンスをより不気味なものにしている[1]

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c d e Musical Milestone: Sofia Gubaidulina’s String Quartet No. 4 | The Chamber Music Society of Lincoln Center.” (英語). www.chambermusicsociety.org. 2021年8月17日閲覧。