後生鰻(ごしょううなぎ)は古典落語の演目の一つ。元々は『淀川』という上方落語の演目で、明治期東京へ移植された。

別題は『放生会』。主な演者として、5代目古今亭志ん生3代目三遊亭金馬桂歌丸桂文珍などがいる。 サゲは歌丸一門の上演バージョンでは女房を俎に乗せる[1]が、志ん生が十八番としていた本来のサゲの部分は女房ではなく赤ん坊である。

あらすじ 編集

信心深い大家の主人が浅草の観音様さまの帰りがけに鰻屋の前を通ると、親方が鰻をまな板の上へ乗せて包丁を入れようとしている。隠居は鰻がかわいそうだと声をかけ、すったもんだの末に鰻を二円で買い取って前の川に放り込み、「ああ、いい功徳をした」と言って帰って行く。 その後、隠居は毎日この鰻屋を訪れては二円で鰻を買ってくれるようになり、鰻屋は何もせずに金が手に入るので真面目に働く気をなくす。

ところが隠居が来ない日が続き、金づるを失ったかと鰻屋が心配していると、ある日隠居が現れるがちょうど鰻が切れている。生きているものならなんでもいいと鰻屋が自分の子である赤ん坊をまな板に乗せると、驚いた隠居が赤ん坊を百円で買い取り、前の川に放り込んで「ああ、いい功徳をした」

脚注 編集

  1. ^ 桂歌丸。座布団一枚。我が落語人生