恐怖のショック療法

エドガー・ウィンターのアルバム

恐怖のショック療法』(原題:Shock Treatment)は、エドガー・ウィンター・グループが1974年に発表したスタジオ・アルバム。ウィンターのリーダー・アルバムとしては通算5作目、スタジオ・アルバムとしては4作目で、エドガー・ウィンター・グループ名義では2作目に当たる。

恐怖のショック療法
エドガー・ウィンター・グループスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル ロック
時間
レーベル エピック・レコード
プロデュース リック・デリンジャー
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 13位(アメリカ[1]
  • 61位(日本[2]
  • ゴールドディスク
  • ゴールドRIAA[3]
  • エドガー・ウィンター アルバム 年表
    ゼイ・オンリー・カム・アウト・アット・ナイト
    (1972年)
    恐怖のショック療法
    (1974年)
    ジャスミンの香りと夜の夢
    (1975年)
    テンプレートを表示

    背景 編集

    オリジナル・ギタリストのロニー・モントローズ脱退後、チャック・ラフの推薦によりジェリー・ウィームスが後任を務めていたが[4]、最終的には、以前よりウィンターと親交の深かったリック・デリンジャーが、本作よりグループの正式ギタリストとなった。

    反響 編集

    アメリカのBillboard 200では13位に達し、ウィンターのリーダー・アルバムとしては3作目の全米トップ40アルバムとなった[1]。1974年7月には、RIAAによりゴールドディスクの認定を受けた[3]。また、本作からは「リヴァーズ・ライジン」(全米33位)、「イージー・ストリート」(全米83位)がシングル・ヒットした[1]

    日本では、ウィンターのアルバムとしては初のオリコンLPチャート入りを果たし、8週トップ100入りして最高61位を記録した[2]

    評価・影響 編集

    マイケル・B・スミスはオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け「前作ほど良質なアルバムではないが、単体で見れば十分な成功作である」と評している[5]ロバート・クリストガウは本作にCプラスを付け、リック・デリンジャーやダン・ハートマンを「ヘヴィ・ポップの達人」と評価する一方、リーダーのウィンターに関しては「シンセサイザーを多用しすぎている」と評している[6]

    近田春夫近田春夫&ハルヲフォン名義のアルバム『ハルヲフォンレコード』(1977年)を制作する際、本作から特に強い影響を受けたとのことで、近田はエドガー・ウィンター・グループの音楽性について「音楽理論的に考えると非常に高度で演奏も難しいんだけど、表面的には水商売っぽいくだらないものとして受け取られる、という点が尊敬に値する」と評している[7]。また、デイヴィッド・リー・ロスEPクレイジー・フロム・ザ・ヒート』(1985年)において、本作収録曲「イージー・ストリート」をカヴァーした[8]

    収録曲 編集

    特記なき楽曲はダン・ハートマン作。

    1. 俺達は野獣だ - "Some Kinda Animal" - 3:07
    2. イージー・ストリート - "Easy Street" - 4:13
    3. 落日のハイウェイ - "Sundown" - 3:25
    4. ミラクル・オブ・ラヴ - "Miracle of Love" (Edgar Winter, Dan Hartman) - 3:38
    5. ドゥ・ライク・ミー - "Do Like Me" (E. Winter) - 4:49
    6. ロックンロール・ウーマン - "Rock & Roll Woman" - 2:51
    7. 待ちわびた誘惑 - "Someone Take My Heart Away" (E. Winter) - 4:08
    8. クイーン・オブ・マイ・ドリームス - "Queen of My Dreams" - 2:15
    9. 君を抱きしめて - "Maybe Some Day You'll Call My Name" - 3:52
    10. リヴァーズ・ライジン - "River's Risin'" - 3:19
    11. アニマル - "Animal" (E. Winter) - 4:55

    参加ミュージシャン 編集

    脚注 編集

    1. ^ a b c Edgar Winter - Awards”. AllMusic. 2015年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月2日閲覧。
    2. ^ a b 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』オリジナルコンフィデンス、1990年、92頁。ISBN 4-87131-025-6 
    3. ^ a b Gold & Platinum”. RIAA. 2022年5月2日閲覧。
    4. ^ Smith, Michael Buffalo (1999年). “Chuck Ruff (Edgar Winter Group)”. Swampland. 2022年5月2日閲覧。
    5. ^ Smith, Michael B. “Shock Treatment - The Edgar Winter Group, Edgar Winter”. AllMusic. 2022年5月2日閲覧。
    6. ^ Christgau, Robert. “Consumer Guide '70s: W”. 2022年5月2日閲覧。
    7. ^ (3ページ目)筒美京平さんの「作曲の秘密」を知ってしまった旅行先でのウォークマン「ネタ音源事件」”. 文春オンライン. 文藝春秋. 2022年5月2日閲覧。
    8. ^ Rivadavia, Eduardo (2016年1月28日). “When David Lee Roth Went Solo With 'Crazy From the Heat'”. Ultimate Classic Rock. Townsquare Media. 2022年5月2日閲覧。