悪名』(あくみょう)は、1961年9月30日に公開された日本映画で、製作・配給は大映任侠映画カラーシネマスコープ(2.35:1)、94分[2]

悪名
監督 田中徳三
脚本 依田義賢
原作 今東光悪名
出演者 勝新太郎
田宮二郎
中村玉緒
水谷良重
浪花千栄子
音楽 鏑木創[1]
撮影 宮川一夫
編集 菅沼完二
製作会社 大映京都撮影所
配給 大映
公開 日本の旗 1961年9月30日
上映時間 94分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
次作 続悪名
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監督:田中徳三[3]勝新太郎田宮二郎の主演での『悪名シリーズ』の第1作[4][5]。英語題はTough Guy[3]

勝の主演作として初のヒットとなり、田宮にとっても名前を売るきっかけとなった作品である[6]。本作がヒットしたことから、大映は間を入れず続編を製作することになる[5]

あらすじ 編集

河内の貧農の息子として生まれ育った朝吉は、将来への夢が持てず遊興にふける日々を過ごしていた。故郷にいづらくなった朝吉は、遠方で女性との関係を求めるが、目的を達することが出来ないまま放浪の生活に入る。朝吉は遊女屋のある街で博徒モートルの貞らといざこざを起こしたことがきっかけで、その親分吉岡の一家に迎え入れられる。朝吉は博徒として名を高めていく一方、遊女の琴糸と親密になる。琴糸の境遇に憤慨した朝吉は、逃亡の手助けを約束するが、その琴糸は吉岡が恐れる松島の長五郎[7]の身内であった。一方朝吉は、琴糸をともにかくまった縁で食堂の女店員・お絹とも親密になる。お絹は朝吉に夫婦約束の起請文を書かせる。

松島一家との対決を避けようとする吉岡に反発した貞は、朝吉とともに一家を離れる。2人は兄弟盃を交わし、新たな一家をなす。松島一家は吉岡を襲撃して再起不能にし、琴糸を探し出して因島の女親分・イトに売り飛ばす。朝吉と貞は有馬温泉で開帳された賭場で稼いで旅費を作り、因島へ飛ぶ。

2人は遊女たちが外出を許される祭礼の日を利用し、琴糸を連れ出して船に乗せるが、潮の流れが逆波になり、もとの港に押し流される。旅館に身を隠したところに、因島のもうひとりの大侠客・シルクハットの親分が子分を連れて乗り込む。そこにイトが現れて喧嘩を仲裁し、朝吉とシルクハット一家の手打ち式を開く。イトは琴糸の事情を理解し、一時帰郷することを許すが、必ず1週間で因島に帰すよう朝吉らに固く命じる。

お絹と会った琴糸は、お絹が朝吉と婚約していることを知って泣き崩れるが、身を引くことを決意し、単身東京へ向かう。

朝吉はひとりで因島へ戻る。激怒したイトは朝吉を砂浜へ連れ出し、ステッキでひたすら殴打するが、朝吉は耐え抜く。イトは呆れて「私の負けや。あんたは男として名を上げる」と告げ、砂浜を去る。血まみれの朝吉は「名を上げる? どうせそれは悪名やないか」とつぶやく。

出演者 編集

順は本作冒頭のクレジットタイトルに、役名は国立映画アーカイブ[8]に基づく。

封切り時の併映作品 編集

スタッフ 編集

職掌および、監督を除く順は本作冒頭のクレジットタイトルおよび国立映画アーカイブ[8]に基づく。

脚注 編集

  1. ^ a b 作中クレジットに基づく。文化庁日本映画情報システム等のデータベースでは担当を伊福部昭としている。
  2. ^ a b 悪名 - KINENOTE
  3. ^ a b 悪名(1961) - 文化庁日本映画情報システム
  4. ^ 悪名』 - コトバンク
  5. ^ a b まぎれもない天才だったのに…勝新太郎の俳優人生を未完で終わらせた「パンツの中身」”. プレジデントオンライン. 2022年9月10日閲覧。
  6. ^ 悪名”. ぴあ. 2022年9月10日閲覧。
  7. ^ 本作ではセリフのみで言及され、演者はいない。
  8. ^ a b 悪名 - 国立映画アーカイブ

外部リンク 編集