扇大橋

東京都足立区の道路橋

扇大橋(おうぎおおはし)は、荒川(荒川放水路)に架かる東京都道58号台東川口線都市計画道路放射11号尾久橋通り)のである。事業中は本木橋梁の仮称が与えられていた[1]

東京都足立区小台から見た扇大橋。高い橋は日暮里・舎人ライナー荒川橋梁(2008年5月)
東京都道58号標識

概要 編集

荒川河口から15.5キロメートルの位置に架かる[2][3]橋で、左岸側堤内地には取り付け道路の斜路があるが、右岸側では隅田川に架かる尾久橋と直接接続している。すぐ下流側には日暮里・舎人ライナーの荒川橋梁が並行して架橋されており、南詰に足立小台駅、北詰に扇大橋駅がある。左右両側に自転車通行可の歩道が設けられている。

橋の管理者は東京都である[3][2]。また、防災拠点等に緊急輸送を行なうための、東京都の特定緊急輸送道路に指定されている[4]都営バス里48系統路線の走行経路である。左岸側は足立区、右岸側は足立区小台で、橋名は左岸側の地名にちなむ[1]

諸元 編集

  • 橋格: 1等橋[5]
  • 構造形式: 3径間連続鋼ゲルバー式桁[5]/連続箱桁橋[6]
  • 橋長: 445.4 m[3](河川区域外のアプローチ区間を含めると625.0 m[6]。)
  • 幅員: 26.0 m[3]
  • 最大支間長: 90 m[6]
  • 竣工: 1974年昭和49年)[6][注釈 1]

歴史 編集

扇大橋は1974年昭和49年)竣工され[6][注釈 1]1975年(昭和50年)7月1日下り線のみで暫定開通した[8]。 開通式は「扇町の祝賀協賛会」主催で午前10時より挙行され、正午に橋は一般開放された[8]。なお上り線は1979年に架橋されている[3][9]

周辺 編集

橋付近は住工が混在した市街地となっている。また、スーパー堤防化事業や五色桜に由来する桜の植樹事業が行なわれている[10]

路線バス 編集

隣の橋 編集

(上流) - 五色桜大橋 - 江北橋 - 扇大橋 - 日暮里・舎人ライナー荒川橋梁 - 西新井橋 - (下流)

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ a b 1975年1月10日時点の国土地理院の空中写真を見るとまだ施工中であることが分かる[7]。従って日本橋梁建設協会の橋梁年鑑に記されている「1974年竣工」は誤りと思われる。

出典 編集

  1. ^ a b 『橋梁』34頁。
  2. ^ a b 荒川下流河川維持管理計画【国土交通大臣管理区間編】 (PDF) p.73(巻末-7) - 国土交通省関東地方整備局 荒川下流河川事務所、平成24年3月、2015年7月31日閲覧。
  3. ^ a b c d e 企画展「荒川の橋」荒川・隅田川の橋(amoaノート第8号)” (PDF). 荒川下流河川事務所(荒川知水資料館). 2005年11月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月27日閲覧。
  4. ^ 特定緊急輸送道路図”. 東京都耐震ポータルサイト (2013年). 2017年3月7日閲覧。
  5. ^ a b 弾性連結による3径間連続鋼ゲルバー橋の耐震補強” (PDF). プレストレストコンクリート技術協会. p. 1 (2001年11月). 2014年12月16日閲覧。
  6. ^ a b c d e 橋梁年鑑 扇大橋 詳細データ - 一般社団法人 日本橋梁建設協会、2014年12月16日閲覧。
  7. ^ CKT7415(1975/01/10) 1975年1月10日撮影の扇大橋周辺 - 国土地理院(地図・空中写真閲覧サービス)、2017年2月23日閲覧。
  8. ^ a b 昭和50年7月1日『朝日新聞朝刊』20頁。
  9. ^ CKT794(1979/09/09) 1979年9月9日撮影の扇大橋周辺 - 国土地理院(地図・空中写真閲覧サービス)、2017年2月23日閲覧。
  10. ^ 荒川将来像計画2010 地区別計画” (PDF). 国土交通省 関東地方整備局. p. 6 (1996年). 2018年4月14日閲覧。

参考文献 編集

  • 橋梁編纂委員会「本木橋梁(扇大橋)の設計と施工について」『橋梁』第11巻第8号、橋梁編纂委員会、1975年8月10日、25-34頁、ISSN 02870991 
  • “扇大橋きょう開通 放射11号線、まず片側”. 朝日新聞 朝刊(東京) (朝日新聞社): p. 20. (1975年7月1日) 

座標: 北緯35度45分27秒 東経139度46分14秒 / 北緯35.75750度 東経139.77056度 / 35.75750; 139.77056