新マニラ国際空港
新マニラ国際空港 (しんマニラこくさいくうこう、英: New Manila International Airport, NMIA) は、フィリピンのブラカン州西部で建設中の国際空港である。ブラカン国際空港 (英: Bulacan International Airport) とも呼ばれる。
新マニラ国際空港 Bagong Paliparang Pandaigdig ng Maynila New Manila International Airport | |||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
IATA: none – ICAO: none | |||||||||||||||||||||||
概要 | |||||||||||||||||||||||
空港種別 | 公共 | ||||||||||||||||||||||
所有者 | フィリピン政府[1] | ||||||||||||||||||||||
運営者 | San Miguel Aerocity Inc.[2] | ||||||||||||||||||||||
所在地 | フィリピン 中部ルソン地方ブラカン州 | ||||||||||||||||||||||
供給都市 | マニラ首都圏 | ||||||||||||||||||||||
開港 | 2027年(予定)[3] | ||||||||||||||||||||||
座標 | 北緯14度44分24秒 東経120度52分30秒 / 北緯14.74000度 東経120.87500度座標: 北緯14度44分24秒 東経120度52分30秒 / 北緯14.74000度 東経120.87500度 | ||||||||||||||||||||||
地図 | |||||||||||||||||||||||
滑走路 | |||||||||||||||||||||||
|
概要 編集
フィリピンは島国であり、国内輸送には航空、海運が欠かせない。2010年頃よりセブ・パシフィック航空などの格安航空会社の台頭により、航空需要は急増している[4]。
首都のマニラにあるニノイ・アキノ国際空港は設備が古く、旅客・貨物処理能力の不足による慢性的な混雑、4つの旅客ターミナルが離れており、空港アクセスも悪いため、利用者からの評判は良くなかった。2013年の調査では、世界の空港で最下位にランキングされた[5]が、2014年の調査では最下位から4番目に改善している[6]。
建設地の検討 編集
新空港の建設、移転問題に関し長い間議論されてきたが、フィリピンの大統領が代わるたびに、新空港計画も変わっていった。
アロヨ政権(2001-2010)は、マニラの北方約90kmにあるクラーク国際空港を整備[7]、父の名であるディオスダド・マカパガル国際空港へと改名した[8]。
アキノ政権(2010-2016)は、改名前のクラーク国際空港に戻し、父の名であるニノイ・アキノ国際空港の改修[9]、第3ターミナルの全面開業[10]、滑走路増設計画[11]などを実施してきた。
ドゥテルテ政権(2016-2022)は、Build! Build! Build!のスローガンのもと、インフラ整備に力を入れた。2019年9月、ブラカン州の新空港建設プロジェクトに関しサン・ミゲルと契約した[12]。ニノイ・アキノ国際空港の拡張事業も承認したが[13]、白紙化された[14]。
マルコス政権(2022-)は、交通インフラの整備を重点政策の一つとして掲げているが、クラーク国際空港の拡張、アクセス鉄道建設(南北通勤鉄道)を最優先とさせている[15]。更には、ブラカン新空港周辺地域の経済開発事業法案に対し、拒否権を発動させた[16]。これに対しサンミゲルは、開発計画は変更しない方針を明らかにしている[17]。ニノイ・アキノ国際空港を、フェルディナンド・E・マルコス国際空港へ改名する法案も提出されている[18]。
ニノイ・アキノ国際空港の代替候補案として、JICAなどから下記の地点が挙げられていた。
- ニノイ・アキノ国際空港の滑走路増設[13]
- マニラ湾、バエ湖の埋め立て
- サングレーポイント空港の拡張[19][20]
- クラーク国際空港の拡張、鉄道、道路アクセス整備[21]
建設 編集
2019年9月、新空港建設に関し、フィリピンのコングロマリット、サン・ミゲルと官民パートナーシップ契約が結ばれた[12]。マニラ首都圏北部のブラカン州の海上、マニラ湾を埋め立てて建設することとなった。
- 空港概要
2027年の開港を目指している。
財源確保のために、ニノイ・アキノ国際空港の用地を売却する案も出されている[22]。
空港アクセス 編集
- 高速道路(en:Skyway (Metro Manila))が建設される[23]。北ルソン高速道路に接続される計画もある。
- マニラMRT7号線が空港まで延伸される計画がある[24]。
脚注 編集
- ^ “San Miguel, DOTr sign deal to build new Bulacan airport”. ABS-CBN News. (2019年9月18日) 2019年9月18日閲覧。
- ^ Lopez, Melissa Luz (2019年9月18日). “Bulacan airport deal signed, construction to start December”. CNN Philippines 2019年9月18日閲覧。
- ^ Gonzales, Iris (2020年10月7日). “SMC to start construction of Bulacan airport”. The Philippine Star 2020年10月8日閲覧。
- ^ Air transport, passengers carried - Philippines - THE WORLD BANK
- ^ 比マニラ空港は「世界で最悪」、利用者評価をサイトが発表 - AFPBB, 2013年10月22日
- ^ 世界の空港ランキング、ワースト1はイスラマバード - CNN.co.jp, 2014.10.21
- ^ クラーク空港拡張、今月に完工見通し - NNA ASIA 2010/06/03
- ^ クラーク国際空港を改名 - まにら新聞 2001.9.30
- ^ マニラ空港第1ターミナル、16日から改修 - NNA ASIA, 2012/01/05
- ^ 比 アキノ空港の混雑緩和 第3ターミナル全面供用開始 SankeiBiz, 2014.8.5
- ^ フィリピン、マニラの国際空港に第3滑走路建設へ - ロイター August 22, 2014
- ^ a b 新マニラ国際空港の建設契約が完了 - JETRO 2019年09月27日
- ^ a b 2,100億円規模のマニラ空港拡張事業が承認、4年以内に旅客処理能力倍増へ - JETRO 2019年12月13日
- ^ マニラ空港拡張白紙に - 日本経済新聞 2020年7月21日
- ^ フィリピン新政権、経済閣僚続々決定…新しい経済政策の行方 - 家村 均, 幻冬舎ゴールドオンライン、2022年6月6日
- ^ 新空港周辺の開発優遇認めず マルコス大統領、経済効果薄く - NAA ASIA 2022/07/04
- ^ サンミゲル、ブラカン空港の開発継続を表明 - NNA ASIA 2022/07/06
- ^ ニノイ・アキノ空港改称も、下院に法案 - NAA ASIA, 2022/07/07
- ^ フィリピン国 マニラ首都圏新空港に係る情報収集・確認調査ファイナルレポート - JICA
- ^ China-backed group loses $10bn Philippine airport project - NIKKEI ASIA January 27, 2021
- ^ 大首都圏空港戦略調査プロジェクト - ODA見える化サイト JICA
- ^ マニラ空港用地の売却を提案 次期政権にドミンゲス財務相 - まにら新聞 2022.5.31
- ^ SMC to build new toll road in Bulacan - Metro News
- ^ MRT 7 Airport Access-North Line Project - フィリピン官民連携センター
関連項目 編集
外部リンク 編集
- New ManilaInternational Airport (NMIA) - San Miguel Aerocity Inc. (SMAI)
- New Manila (Bulakan) International Airport - フィリピン運輸省
- New Manila International Airport (Bulacan International Airport) - フィリピン官民連携センター