昭和ブルース」(しょうわブルース)は、俳優座が制作した1969年の映画若者はゆく -続若者たち-』の主題歌として制作された楽曲。1969年のオリジナル盤シングルは、ザ・ブルーベル・シンガーズが歌い、 日本グラモフォンからポリドール・レーベルで発売された[1]。その後、1973年に放映が始まった刑事ドラマ『非情のライセンス』で、エンディング・テーマとして天知茂が歌うバージョンが用いられ、同じくポリドールからシングルが発売された[2]。 「昭和」を題名に含んだ代表的な曲のひとつとされる[3]

昭和ブルース
ザ・ブルーベル・シンガーズシングル
B面 杉の木の下で
リリース
規格 7インチ・シングル
ジャンル フォークムード歌謡
時間
レーベル ポリドール / 日本グラモフォン
作詞・作曲 山上路夫(作詞)
佐藤勝(作曲)
ザ・ブルーベル・シンガーズ シングル 年表
昭和ブルース
(1969年)
初恋ブルース
(1970年)
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ザ・ブルーベル・シンガーズのオリジナル 編集

映画『若者はゆく』は1969年5月に松竹が配給して公開され、その挿入歌であったこの曲のシングルは9月になってから発売された[4]

シングルのジャケット写真には、ザ・ブルーベル・シンガーズのメンバーではなく、映画『若者はゆく』に出演した佐藤オリエ田中邦衛山本圭橋本功松山省二(後の松山政路)の写真が用いられており、メンバーの写真は歌詞が記された裏面に配置されていた。

1969年10月のオリコンのトップ10では、7位に入った[5]。累計売上は80万枚[6]

昭和ブルース
天知茂シングル
B面 非情のライセンス
リリース
規格 7インチ・シングル
ジャンル ムード歌謡、テレビ番組主題歌
時間
レーベル ポリドール / 日本グラモフォン
作詞・作曲 山上路夫(作詞)
佐藤勝(作曲)
天知茂 シングル 年表
夜に賭ける
(1968年)
昭和ブルース
(1973年)
人生
(1973年)
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天知茂のバージョン 編集

「昭和ブルース」を気に入っていたNETテレビ(テレビ朝日の前身)プロデューサー片岡政義は、この曲をひとつのきっかけに刑事ドラマ『非情のライセンス』を着想した[7]

1973年4月に『非情のライセンス』の放映が始まり、主人公の会田刑事を演じた天知茂の歌うこの曲がエンディング・テーマとして評判を呼び、8月にシングルが発売された[4]

B面には、渡辺岳夫が作曲したインストトゥルメンタルである『非情のライセンス』のテーマ曲「非情のライセンス」が収録された。『非情のライセンス』が1980年の第3シリーズまで制作が続いたこともあって、シングルも複数回発売されており、B面に山田孝雄が作詞し、中山大三郎が作曲した「酒」を収録したバージョンもある。

天知の歌う「昭和ブルース」は、1975年7月までに売上が30万枚を突破した[8]

天知は、この曲の代表的な歌い手とされている[9]

その他のカバー 編集

この曲は、アルバム収録曲などとして、その他の歌手たちにもカバーされている。

加藤登紀子は、1969年のアルバムひとり寝の子守唄』にこの曲を収録した[10]

大信田礼子は、デビュー作となった1972年のアルバム女はそれをがまんできない/ノックは無用』にこの曲を収録した[11]

フランク永井は、1976年の2枚組アルバムBest Collection '75』にこの曲を収録しており[12]、この音源は後年のコンピレーション・アルバムなどにも収録されている[13]

俳優根津甚八は、1976年のアルバムゆきずり 根津甚八・男の哀歌』(後に『やすらぎ 根津甚八・男の哀歌.』と改題)にこの曲を収録した[14]

声優大塚明夫は、ゲームソフト『メタルギアソリッド ピースウォーカー』に関連したアルバム『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER 平和と和平のブルース』(2010年発売)にこの曲を収録した[15]

脚注 編集

  1. ^ The Blue Bell Singers = ザ・ブルーベル・シンガーズ* – 昭和ブルース = Showa Blues - Discogs
  2. ^ 天知茂 – 昭和ブルース / 非情のライセンス - Discogs
  3. ^ 例えば、『ラジオ深夜便』のコーナー「にっぽんの歌こころの歌」では、2011年4月29日の「昭和の日~タイトル『昭和』の歌アラカルト」や、2017年4月30日の「思い出の流行歌 タイトル“昭和”の歌」で、「昭和ブルース」を取り上げている。
  4. ^ a b 二木紘三 (2008年1月18日). “二木紘三のうた物語 昭和ブルース”. 二木紘三. 2020年2月7日閲覧。
  5. ^ 鈴木淑子 (2016年8月6日). “(もういちど流行歌)「いいじゃないの幸せならば」佐良直美 世情に合った「とんでもない詞」”. 朝日新聞・朝刊・週末be: p. b02  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  6. ^ 【あの人は今こうしている】関本裕司(元ザ・ブルーベル・シンガーズ)、ゲンダイネット、2008年12月18日。(インターネットアーカイブ
  7. ^ “[ドラマ30年]=43 非情のライセンス 現職刑事が、かっさい”. 読売新聞・夕刊: p. 6  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  8. ^ 芸能・スポーツアーカイブリスト毎日映画社Office Open XML ファイルフォーマット)に「天知茂」「歌も大ヒット 三十万枚突破記念『昭和ブルース』謝恩、新曲『非情の街』発表パーテイーで歌う」とある。2021年1月11日閲覧。
  9. ^ コトバンクに収録されているデジタル大辞泉プラスでも、この曲の歌い手として天知への言及はあるが、ザ・ブルーベル・シンガーズのオリジナル盤への言及はない。:デジタル大辞泉プラス『昭和ブルース』 - コトバンク
  10. ^ 加藤登紀子* – ひとり寝の子守唄 - Discogs
  11. ^ Reiko Oshida – 女はそれをがまんできない/ノックは無用 - Discogs
  12. ^ フランク永井 – Best Collection '75 - Discogs
  13. ^ フランク永井 ザ・カバーズ(歌謡曲・演歌)disc1”. ビクターエンタテインメント. 2020年2月7日閲覧。フランク永井が歌う 歌謡曲・演歌 VOL.1”. ビクターエンタテインメント. 2020年2月7日閲覧。
  14. ^ RS. “【CD】やすらぎ 根津甚八・男の哀歌 根津甚八”. タワーレコード. 2020年2月7日閲覧。
  15. ^ 「MGS PW」キャラソンCD発売。スネークが“昭和ブルース”を歌う、4Gamer.net(コナミ)、2010年8月16日。

外部リンク 編集