十二月将(じゅうにげっしょう)とは、太陽が黄道上のどの位置にあるかの指標で、西洋占星術サインと1対1の対応がある。六壬神課で使用する十二天将は、十二月将をベースに作成されたと考えられる。

現代で一般的な月将と対応するサイン、その吉凶は以下の通りである。

月将 サイン 対応十二支 吉凶
神后 宝瓶宮
大吉 磨羯宮
功曹 人馬宮
太沖[1] 天蝎宮
天罡 天秤宮
太乙 処女宮
勝光 獅子宮
小吉 巨蟹宮
傳送 双児宮
従魁 金牛宮
河魁 白羊宮
登明 双魚宮

西洋占星術で、太陽が位置するサインをサン・サインを呼ぶように、本来は黄道を12に分割して得られた区分である十二神の中で太陽が位置する神を月将と呼ぶべきであるが、十二神の意味で月将が使用されることが多い。

異説や表記の異同 編集

十二月将には、以下のような表記の異同がある。

  • 「太沖」はと同じ意味の(しょう)を使って、「太衝」と書かれることがある。
  • 村山修一著『日本陰陽道史総説』の四版以前に翻刻された占事略决では「勝光」を「勝先」としているが「勝光」が正しい。
  • 「天罡」は五行大義などでは「天剛」と書かれている。
  • 「太乙」は写本では筆画の少ない「太一」が良く使用される。
  • 「登明」は本来は「徴明」であったが仁宗[2]以降は、仁宗の諱である「禎」と通音の「徴」を嫌って「登明」と書かれるようになった。

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脚注 編集

  1. ^ ニスイのではない。
  2. ^ 仁宗は式占に関心が深く、勅命で式占の書籍を編纂させている。中でも六壬神課の「景佑六壬神定経」と奇門遁甲の「景佑遁甲符応経」、太乙神数の「景佑太乙福応経」が名高いが、現代には完全な形では伝わっていない。