柳田泰己

日本の競馬騎手 (1993-2022)

柳田 泰己(やなぎだ たいき 1993年11月2日 - 2022年8月9日)は、千葉県松戸市出身の競馬騎手ニュージーランドを拠点としていた。

やなぎだ たいき
柳田泰己
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 日本の旗 日本千葉県松戸市
生年月日 1993年11月2日
死没 (2022-08-09) 2022年8月9日(28歳没)
騎手情報
所属団体 ワイカト・マタマタウェックスフォードステイブルズ
所属厩舎 ランス・アンソニー・オサリバン
初免許年 2017年
免許区分 平地
騎手引退日 2022年8月9日(死亡)
重賞勝利 2勝
G1級勝利 0勝
通算勝利 162勝
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来歴 編集

両親と6歳上の姉、5歳下の妹の5人家族。父親とのソリが合わず、中学生の頃から母方の祖父母に育てられる。

高校2年生であった2010年オーストラリアブリスベンに短期留学し、ホームステイ先のホストメイトに連れられ現地のドゥームベン競馬場に行く。そこで競馬の騎手に魅了され、それが騎手への道を志すきっかけとなる。帰国後、家から通える乗馬クラブに姉の援助で通い始め、馬に乗ることから始める。「騎手になるには大学を卒業してから」という家族の思いもあり、一旦大学へ進学するも、騎手への強い気持ちから1年で退学。本格的に騎手になる道を進み出す。

2013年鳥取県大山ヒルズで騎手研修生となり、JRA調教師で元騎手の高橋康之から馬や騎手についての知識を教わる。JRA競馬学校を受験するも、身長や体重の制限をクリアできず断念せざるを得なかった[1]ことを高橋に話したことで、「海外拠点がベストではないか」と助言を受ける。その後大山ヒルズを辞め、2013年11月にワーキングホリデービザにて単身でオーストラリアへと渡る[1]。現地の厩舎で働きながら騎手への道を模索するもうまくいかず、延長した2年目のビザも終了するため2016年6月にいったん帰国する。

2016年10月秋にニュージーランドへ渡り、最初は北島マタマタ競馬場の厩舎で働き、翌2017年に元騎手であるランス・アンソニー・オサリバン調教師に師事し、同年10月に見習騎手としてデビュー[1][2][3]。初レースは12月。

2018年1月、ジュエルオブパッチに騎乗し初勝利を得る。2シーズン目途中で見習騎手の2位につけていたが、その後右足首骨折という怪我に見舞われ、結果3位に終わった。

2021年-2022年度シーズンにおいては年間42勝を挙げ、2022年1月にG2ウェストバリークラシックでドラゴンクイーンに騎乗して重賞初制覇[4]、同年のニュージーランドオークスにも初騎乗を果たすなど、将来を嘱望されていた[5]

2022年8月3日、北島ワイカト地方ハミルトン近郊にある、ケンブリッジジョッキークラブでの第9レースにおいて、ゴール前約250メートル地点で騎乗馬が転倒し落馬。その際に肋骨や背骨を骨折し頸椎を損傷したうえに、ヘルメットが外れて後続馬に頭部を蹴られ内出血し、意識不明の状態でワイカト病院に搬送され、人工的な昏睡状態で集中治療を受けていた[6][7]。 事故の報を受けて日本から母と妹が駆けつけており、関係者に見守られながら懸命に治療が続けられたが意識を回復することはなく、8月9日夜、医師からこれ以上の回復の見込みがない事が宣告され、家族の同意を得て生命維持装置が外されて、死去した[8][9]。28歳没。通算162勝。

8月15日に所属厩舎において追悼式が行われ、母と妹と共に生前親交があった関係者が集まり、それぞれが柳田に向けてスピーチを送った。また、生前の活躍をまとめた映像や、遠方の関係者からのビデオメッセージを流す時間も取られ、その模様はTAB NZのYouTubeチャンネルにより中継された[10]

出典 編集

  1. ^ a b c 親交深かった高橋康師が語る柳田泰己さん「行動力がすごかった」師のアドバイスもとに単身海外へ - 海外 | 競馬 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2022年8月18日閲覧。
  2. ^ 柳田泰己騎手が死去 3日にNZで落馬事故 - サンケイスポーツ 2022年8月10日
  3. ^ 柳田泰己騎手へ - 島田明宏 | 競馬コラム”. netkeiba.com. 2022年8月18日閲覧。
  4. ^ ニュージーランドの柳田泰己がG2ウェストバリークラシックで重賞初制覇|極ウマ・プレミアム”. p.nikkansports.com. 2022年8月18日閲覧。
  5. ^ ニュージーランドでの落馬事故で意識不明の柳田泰己騎手が死去、28歳 3日落馬、頭部と脊椎損傷 - 日刊スポーツ 2022年8月9日
  6. ^ 日本人騎手が落馬事故で重体 ニュージーランド競馬 - AFPBB NEWS 2022年8月9日
  7. ^ 柳田泰己騎手の落馬事故死 ニュージーランド競馬統括団体「いずれ完全な調査を行うことは間違いない」 - 東スポ競馬 2022年8月11日
  8. ^ ニュージーランド競馬の柳田泰己騎手が死去、28歳 3日のレースで落馬、意識戻らぬまま - スポーツニッポン 2022年8月9日
  9. ^ 遠い異国、志半ばで星になった柳田泰己という騎手がいた事を忘れないでいただきたい(平松さとし) - - Yahoo!ニュース(個人記事)2022年8月9日
  10. ^ TAB NZ. “Taiki Yanagida Memorial Service” (英語). YouTube. 2022年8月18日閲覧。

関連項目 編集